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ボーイフレンド💛~友情から恋へ発展していく物語~(第12話)

(第12話)

第2章 ~記憶・・・・・・~ 


翌日から、毎日リョウちゃんの病院へ通った。
家にまた戻るの面倒メンドいから、学校の教科書と一緒に「アルバム」も持って行った。

病室では、リョウちゃんと一緒に居られなかった5年間の空白を埋めるように、私とリョウちゃんはいろんな話をした。
リョウちゃんは、相槌を打ちながら、私の話を楽しそうな表情で聞いていた。
その様子が嬉しくて、身を乗り出したとき、ふわっとお尻に触れられた感触があった。

え・・・?
今・・・ お尻 触った?

ビクッて、緊張感が走ったとき、リョウちゃんは私の様子を見て、何だか腑に落ちない顔をした。

「あ・・・ ごめん・・・・・・」
「う・・・ うん」

そのとき、病室のドアが開いたかと思うと、トオルくんが立っていた。
そして、何か誤解をしたのか、すぐにドアを閉めた。

今の トオルくん・・・だったよね?
完全に、誤解されちゃった・・・よね?

しばらくの間 気まずい雰囲気が続く。

その沈黙を破ったのは、リョウちゃんの「ひと声」だった。

「・・・その『リョウちゃん』ての・・・何なの? 男なのに、「ちゃん」付けっておかしくね?」
「え・・・? えっと・・────」

返答に迷っていると、リョウちゃんは気を遣ったのか、
「あ、別にいいよ。慣れてる呼び方がいいよね」って、言ってくれた。

そのとき、病室の外から話し声が聞こえてきたかと思うと、怒りくるった顔をしたユウコと罰の悪そうな顔をしたトオルくんが入ってきた。

「サオリ! 聞いてよっ! コイツ、今そこで、若いナースをナンパしてたんだから~」

【中村 徹】side・・・。

暇になっちゃったな。
あの2人 いい感じだったし、いま戻ったら雰囲気壊しちゃうかも・・・・・・。
さて、どうしようか。

見渡すと、オレの目の前に献身的に働く1人の“ナース”がいた。

そうだ!
どーせ ヒマだし。
暇つぶしに、ちょっとだけ・・・。

「すみません・・・」

オレは、具合が悪そうなフリをして声をかけた。

「はい?どうかされました?」

やっぱ、”白衣の天使”だなぁ~。
オレの体を気遣ってくれてる・・・(笑。

「あ、いや・・・ お姉さんがあまりにも綺麗だから、つい声をかけたくなっちゃって‥‥‥」
「え〜 そんな・・・ ♡ 君、高校生? 口が上手いのね」
「やだなぁ。 ボク、”ウソ”がつけないから正直に言っちゃうんですよ」
「またまた~♡ 誰にでも言ってるんでしょ?」
「まさかぁ お姉さんだけですよ。お姉さん、美人だから~♡」

って、いつものように口説いていた。

と、そのとき・・・・・・。

「トオル~ 何 してんの〜?」
「げっ! ユ、ユウコ‥‥‥」

まずいっ!
一番見られたくない女に見られてしまったぜ。

オレは、一目散にその場から逃げ出した。

「待ちなさいっ!」

「・・・と、いうわけ」

ユウコが、今まで起きたことを一部始終話しているとき、リョウちゃんは何やら考え込んでいた。

「リョウちゃん。どうしたの?」
「えっと・・・ 君は‥‥‥?」
「ユウコよ!」
「ああ、そうだ。ユウコ・・・」
「”サオリ”の名前はすぐ覚えるのに、アタシは覚えていないってどういうことなのかしら?」
「トオルが『サオリちゃん』って何度も言うから、もう覚えちゃったよ」

ユウコがトオルくんに目を向けると、トオルくんは素知らぬ顔をした。

「あぁ~そう。あんた達2人で、サオリの話でずいぶんと盛り上がったみたいね・・・・・・?」

ユウコが皮肉めいた口調で言うと、

「べ、別にオレは・・・・・・そういうの興味ないから・・・・・・」
リョウちゃんは、急に顔を赤くしてそっぽを向いた。

や・・・だ、リョウちゃん・・・・・・。
もしかして、サオリのこと意識してる・・・・・・?

「じゃ、アタシらはそろそろおイトマしようかしらね」

ユウコはそう言って、トオルくんに視線を送ると、

「トオル アタシたちは先に帰るわよ」
って、今 来たばかりなのに、トオルくんを連れて早々と帰って行った。

「じゃぁ、サオリもそろそろ帰ろうかな?」

そう言いかけたとき、リョウちゃんに引き止められた。

「・・・もう少しだけ居てよ」
「うん。じゃぁ ・・・もう少しだけ」

嬉しかった。
初めてリョウちゃんと相思相愛になれた気がした。

「明日、もう 退院しても大丈夫だって・・・」
「え・・・? ホントに?」
「今までありがとうな」

今までの彼らしくない言い方をされると、急に・・・涙がじわっと溢れてきた。

だ・・・ 死ぬようなこと言わないでよ・・・」

すると彼は、「フッ!」と笑って言った。

「サオリちゃんを置いて死ねないよ」

もう、リョウちゃんのこの呼び方にも慣れてきたけど、初めて「ちゃん」付けで呼ばれたときには、かなり違和感があった。

【中村 徹】side・・・。

「やっぱり分かるか?リョウの態度」

オレは、機転を利かして病室を出たユウコに問いただした。

「えぇ。確実にサオリに惚れちゃってるわね」

はっきりとユウコにそう言われたとき、オレの中で初めて、強い嫉妬心が芽生えた。

「オレ、サオリちゃんが好きなんだ・・・」

(コイツにだけは打ち明けておこう)と、勢いで告白してみたのだが、ユウコは顔色ひとつ変えず、平然としていた。

「驚かないのかよ?」
「知ってたわよ。何となくね・・・」

ユウコの思わぬ発言に動揺を隠しきれなくなったオレは、冷静さを失っていた。

「お、お前・・・ いつからだ?」
「さぁ・・・ いつからでしょうね」

ユウコは、態と思わせぶりな態度をとってはぐらかす。

全てお見通しって訳か・・・。

コイツが約束を守るのかは微妙だったが、こうなったらもうヤケクソだ!

「サオリちゃんには、”絶対に” 言うなよ#」

オレは、精一杯の力を込めて、ユウコに頼み込んだ。

「言わないわよ。神に誓ってもね」

ユウコは、今まで見せたことがない大真面目な顔で言った。

いつの間にかオレは、誰にも打ち明けたことがない自分の気持ちを告白していた。

「気が付いたら、好きになってた。 可笑しいだろ? このオレが、本気で誰かを・・・・・・」

てっきり、馬鹿にするだろうと思っていたのだが・・・・・・。

「別に、可笑しくないわよ!」

ユウコは、急に声を荒げて言った。

オレは、自分の気持ちに共感してくれる人が身近にいることを知り、それでもう満足だった。

「オレ、あの2人には上手くいって欲しいって思ってる・・・」
「でも、あんた・・・ 本当にそれでいいの?」
「惚れた女の為だったら、何でもするさ」

しばらくオレに出番はない・・・よな?

そう思い直して、オレは自分の気持ちを抑え込もうと決意した。

翌日・・────。

リョウちゃんは、今日 退院する。
それを考えると、今日は朝からそわそわしていた。

そんなとき、トオルくんに声をかけられた。

「サオリちゃん、おはよ! 今日は、何だか嬉しそうだね」
「うん。リョウちゃんがね、今日 退院するんだぁ」
「ふぅ~ん、そうなんだぁ」

トオルくんはそう言って、いつもと変わらない笑顔を見せてくれたけど・・────。

「良かったね。サオリちゃん」
「うん。トオルくんが励ましてくれたお蔭だよ~」
「別にオレは何もしてないよ」

あの頃の自分は、リョウちゃんのことに頭がいっぱいで、トオルくんの気持ちに「少しも」気付けなかった。

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#創作大賞2024 #恋愛小説部門

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