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ボーイフレンド💛~友情から恋へ発展していく物語~(第19話)

(第19話)

第2章 ~記憶・・・・・・~ 


翌日・・────。

「サオリちゃん! 何で昨日、1人で帰っちゃったの⁉」

案の定 予想はしていたけど、トオルくんは真っ先に私のところへ訊いてきた。

「あのね!トオルくん」

もう、甘えてばかりは いられないよね。
これで、最後!

「昨日ね・・ サッカー部の顧問の先生の話 聞いちゃったんだよね。だから、これ以上は・・・。もう、1人で帰れるから」

よしっ!
言えた。

私は、勇気を振り絞って昨日の朝に見た光景をトオルくんに話した。

「そっか~。そうだよなぁ。やっぱこのままじゃ、まずいよなぁ」

良かった!
分かってくれた?

こんなにすぐに済むんだったら、もっと早く言っておけば良かった。

だけど。
その翌日・・────。

「サオリちゃん、サオリちゃん」
「ト、トオルくん! どうしたの?」

突然、トオルくんに呼び止められたかと思うと、物陰に隠してあった大型バイクを見せられた。

「兄貴のを借りてきたんだ。これなら大丈夫だよ。サオリちゃんを乗っけてすぐ此処ココに戻って来れるから」

「トオルくん。それって、校則違反じゃ・・・」
「シー!」

思わず大声を出しそうになって、トオルくんに止められた。
トオルくんは、キョロキョロと辺りを見回して誰もいないことを確認すると、

「短時間だったら、大丈夫だって。さぁ、乗って!」

って、私を無理矢理バイクの後ろに乗せようとする。

「ちょっ・・・!ちょっと待って!」

トオルくん、サオリの為に”校則違反”起こそうとしてる。
あまりの強引さにほとほと困り果てていたとき、救いのひと声が。

「トオル! 何、やってんの」

トオルくんの暴走を止めたのは、ユウコだった。

「サオリは、アタシが送っていくから。あんたは早く練習に戻りなさい」

「そ、そうか? じゃぁ、頼むな」

トオルくんは、納得してバイクを物陰に隠すと、サッカーの練習に戻って行った。

ユウコと2人で帰っているとき、トオルくんのことを話した。

「”いい”って言ってんのに。心配性だよね~。トオルくん」

すると、ユウコは唖然アゼンとした顔をしてこう言った。

「あんた、まさか気付いてないの?」
「え? 何が?」

そのときは、何のことか分からずそのまま話を流してしまったけど。
ユウコは、それ以上は何も言うことはなかった。

**********

「ごめん!サオリちゃん。もう一緒に帰れなくなった」

翌日、トオルくんが私の席に近寄ってきて言った。

「オレたちのこと、他の連中に目ぇつけられてさ、女の子たちにも感づかれちゃったみたいなんだよね。だから〜 ・・・どうしようかなぁ」

トオルくんは、しばらく「練習」に出ていなかったらしく、部員の中でも浮いた存在になっているらしかった。
あれだけ毎日、サオリと一緒に帰ってたら、やっぱそうなるよね・・・。

「トオルくん。昨日も言ったけど、もうホントに大丈夫だってばぁ」

これ以上、トオルくんには迷惑をかけられない。
そう思ったけど、トオルくんは・・・・・・。

「オレはね〜 心配なの! サオリちゃん いっつも、寂しそうに帰って行くから」

声を大にして、少し怒ったような素振りを見せた。

「ちょっと待ってて。リョウに一緒に帰ってくれるように頼んでみるから」
「・・・・・・」

トオルくんは、こっちの返事も待たずに教室から出て行った。

何分くらい経ったんだろう。
リョウちゃんを呼びに行ったトオルくんが、いつまで待っても帰ってこない。

「待て」って言われたから、このまま帰れないし。どうしよう。

迷ったけど、リョウちゃんの教室まで様子を見に行った。
校舎が離れているから、此処は滅多に通らない。

うぅ~ ・・・緊張してきた~

気のせいか、妙な胸騒ぎがしてきた。
リョウちゃんの教室のドアはピシャッて閉まっていて、人の気配がしないような・・・。
そのとき、トオルくんの大きな声が。

「何ぃ~~~! ”記憶”が戻っている~~~⁇」
「恐らくね。本人は、上手く隠しているつもりみたいだけど」
「何で、オレたちに隠す必要があるんだよ?」
「知らないわよ」

な、何で・・・?

トオルくんとユウコの会話が耳に入って、急いでドアを開けて中へ入った。

「ト、トオルくん。”記憶”が戻ってるってどういうこと?」
「あぁ。オレも今さっき、ユウコから聞いたばかりなんだけどさ~。ユウコ。お前は、何で知ってて黙ってたんだよ?」

いつもは真っ先に報告するユウコが、今回に限っては珍しく慎重だった。

「彼の態度が少し変だったから、しばらく様子を見てたのよ。『言わないで』オーラが強く出てて、アタシともあまり話をしようとしなかったし」

やっぱり、ユウコもリョウちゃんの様子がおかしいって思っていたんだ‥‥‥。

すると、ユウコの話に耳を傾けていたトオルくんは、今、思い出したかのように、ポンと手を打った。

「あ、そう言えば・・・ 少し、いや・・・ 相当、ヘンだったな。アイツ」

トオルくんは、しばらく沈黙して考え込んでいたけど、何か引っかかったのか、ユウコに問いかけた。

「なぁ、ユウコ。アイツ、ホントに“記憶“戻ってたのか?ユウコの思い過ごしじゃないのか?」
「思い過ごしじゃないわよ。あれはどう見ても、昔のリョウくんよ」

ユウコは、リョウちゃんが昔の記憶を無くす前、「あの事件が起きる前の彼に戻っているよ」って思っているようだった。
それがホントなら、どうしてリョウちゃんはみんなに言わなかったんだろう?

「ろくに喋ってもいないのに何で分かるんだよ?」
「女の直感よ!本人は意識してないようだけど、クラスメートと話すときに咄嗟に出てるのよね。昔の彼の仕草とか言動が」

ユウコとリョウちゃんは同じクラスメートだから、サオリたちが知らないリョウちゃんの様子も見れるんだね。
そう思ったら、胸の奥が苦しくなった。

「確か、あの事件の後だよな。アイツがオレを避けるようになったのって。それまでは、サオリちゃんに引っ付いて一時イットキも傍を離れようとしなかったのに」

トオルくんは、「あの事件」の後に、何かがあったに違いないって予想していたようだけど。

「それにしちゃぁ~・・・ユウコにも、”記憶”のこと言わないってのは妙だな」

って、また分からなくなった様子だった。

「よしっ!アイツのトコ行ってみようぜ」

しばらく考え込んでいたトオルくんが、リョウちゃんの様子を見に行こうって言い出した。
今頃だったら、バイトをしているはずだった。

「ホントに記憶が戻っているのか、行って真実を確かめるんだ」
トオルくんは、まるで名探偵の台詞のように言った。

私たち3人は、お客さんのフリをしてリョウちゃんがアルバイトしている店に入った。
そこでリョウちゃんは、淡々と働いていた。

元気そうで良かった。

私は、いつもと変わらない彼の姿にホッとした。

リョウちゃんは、私たちを見るなり一瞬、顔が引きつった感じだったけど、すぐに平静を装って近づいて来た。

「いらっしゃいませ。ご注文は?」

他のお客さんと同じように対応した。

「お前、”記憶”戻ってんだってな?」

トオルくんが、いきなりズバッと言った。

すると、リョウちゃんは堪忍したのか、

「バレ・・・ちゃった?」

自分の言葉で白状した。

それを聞いたトオルくんは、

「何で、オレたちに隠してた?」

って、リョウちゃんを問い詰めた。

「それは・・・その~・・・・・・」

リョウちゃんは、言いにくそうに言葉を詰まらせた。

「リョウ。男同士で話そうぜ」

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#創作大賞2024 #恋愛小説部門

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