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ボーイフレンド💛~友情から恋へ発展していく物語~(第9話)

(第9話)

第1章 ~1988年~ 


トオルくんと二人きりになると、「リョウは、優しくしてくれた?」って、突然言ってきたから、何のことだか一瞬分からなかった。

「サオリちゃん、元気がないみたいだから、オレがリョウに『やさしくしてあげて』って、言ったんだけどぉ~」

トオルくんは、思い出させるように言葉を強調した。

「あぁ~ う、うん・・・」
「そっか。それなら、よかった・・・」

思わず、頷いてしまったけど。

だからか~・・・。

あのとき、妙に「やさしいな」って感じたのは、トオルくんの影響だったんだぁ~。
でも、当の本人は「学校の成績のせい」だって、勘違いしてたみたいだけどね。

あれ・・・?
トオルくん こっちの方角だったっけ・・・?

いつの間にか、2人は同じ方向へ向かって歩き出していた。
トオルくんは、私の心を見透かしたのか「夜道は暗いから、送ってくよ」って、わざわざ遠回りしてまで一緒に帰ってくれた。

「サオリちゃん。リョウはあんな感じだけど、サオリちゃんのこと『好き』だと思うよ」
「そ ・・・そうかな?」

少し曖昧に返事をしてみたけど・・────。
ホントのところはものすごく不安だった。

「大丈夫だよ。サオリちゃんなら。もっと自分に自信を持ちなよ」
「う ・・・うん。でも・・・」

トオルくんは、そうやっていつも私を励ましてくれた・・────。

「この前も、『サオリちゃんが元気ない』って言ったら、アイツ、本気マジで心配してたんだぜ」
「え ・・・?」
「少しは、元気 出た?」

トオルくんには、何でサオリの気持ちが分かっちゃうんだろ・・・?
女の子慣れしてるから・・・?

「アイツとサオリちゃんが上手くいかなかったら、オレが困るから・・・」

トオルくんは、意味深なコタえを残して帰って行った。

何で、サオリとリョウちゃんが上手くいかないと、トオルくんが困るの・・・?

********

夏休みも後半にさしかかった頃・・・。
私たち3人は、ユウコに呼び出されてまた集まることになった。
初めてユウコのお宅へお邪魔したときは、全員 制服姿だったけど、今日はトオルくんも、豪華なお屋敷に刺激されたのか、いつも以上に大人びた服装をしていた。
私も、今日は滅多に着ないおニューのワンピース。
コバヤシさんが屋敷の外の方まで、出迎えてくれていた。

うぅ~ 緊張してきた~~~。

そんなとき、1人だけ緊張感のないやつが・・・(怒。

「オイッスー!ヒデじぃ~!! 久しぶりだな~」

ちょっと!リョウちゃん!!
言葉に気をつけなさい!

「す ・・・すみません」

思わず 謝ってしまったけど・・・。
何で サオリが謝らなきゃいけないの?(怒。

「元気になられましたか?」

リョウちゃんの失礼な言い方にも動じず、コバヤシさんは、笑顔で私たちを迎えてくれた。
やっぱ、大人だなぁ。

「此方へどうぞ。お乗りくださいませ。お嬢様が”お三方サンカタ”をお待ちかねですよ」

お屋敷までは少し距離があるため、車で移動した。
最初にここへ来たときは驚いたけど、今は少し慣れてきた。
屋敷に着くと、まず最初にユウコのお母さまが出迎えてくれた。

「いらっしゃい。よく来てくれたわね~」

最初に出会ったときみたいに、ニコニコと優しい笑みを浮かべていた。

「また、お邪魔します。相変わらずお綺麗ですね」

トオルくんは、社交辞令のように振舞ったようだけど。
プレイボーイのトオルくんが言うと、何だか「ナンパ」しているように見える。

「今日は、何の用だよ?」

ユウコの部屋へ通されると、さっきとはガラリと態度が変わったトオルくんが、不機嫌そうに言った。

そういえば、何で今日 呼ばれたんだろ・・・?
いろいろ考えてみたけど、特に 思い当たる節がない。

「もうすぐ学校が始まるし、夏休みの宿題を教えてもらおうと思って・・・ね。優秀な”お2人”にっ!」

何だ、そんなことか~。
って、一瞬 思ったけど。

トオルくんは、あまり乗り気じゃないみたいだ。

「何で、オレまで・・・ それなら、リョウだけでいいだろ?」
「あんたがあまりにも、余所余所しい態度をとるからよ!」

この2人・・・夏休みに入ってからもちょくちょく会ってたみたい。
ホント 仲いいんだぁ(笑。

「ねっ! サオリも、トオルに教えてもらいたいでしょ?」

急に振られてどう振舞ったらいいのか分からなかったけど、トオルくんが・・・。

「サオリちゃんが教えてほしいって言うんなら、喜んで」

って、コロッと態度が変わった。

********

「ねぇ アタシらせっかく出逢ったんだしさ~・・・。残りの休みは、この4人で夏休みの思い出作りしない?」

夏休みの宿題が一段落してから、ユウコが言った。

「オレはパス!バイトがあるから・・・」
「オ オレも・・・ 女の子たちとデートで忙しいし~~♪」
「あぁ そう! あんたたち、そぉ~ゆう態度とるわけ・・・?」

あ・・・。
怒っちゃった・・・。

すると、今度は・・────?
ユウコが私に目を向けた。

「じゃぁ サオリは? サオリならいいでしょ? たまには、女同士で仲良く過ごさない?」

特に、断る理由もなかったし・・・。
ユウコに付き合うことにした。

「リョウ。今日は、サオリちゃんを家まで送ってやれよ」
「あぁ 分かってるよ。家が近いから送ってくよ」

いつの間にか、外は暗くなり始めていた。

え・・・。
もう、こんな時間?

「では、私が屋敷の外までお送りしましょう」

コバヤシさんが、また私たち3人を車へ乗せてくれた。

「ありがとうございました」

屋敷の外へ出るころには、すっかり日が暮れていた。

トオルくんとはここでお別れして、家までリョウちゃんと2人で歩いた。
街灯は付いていたけど、この辺りは人通りが少なく、1人で歩くにはちょっと寂しい感じだった。
トオルくんが態々心配して「送ってやってよ」って言ったのも、分かる気がする。

暗い夜道に2人きりで歩いていたら、また心臓がドキドキしてきた。
この前、ユウコのお屋敷からトオルくんと一緒に帰った日のことを思い出していたら、いつの間にか、リョウちゃんとの距離が離れていた。
そして、姿が見えなくなった。

「あれ? リョウちゃん。先、帰っちゃったの?」

1人になると、急に心細くなり、急いで後を追いかけたら、目の前に突然、リョウちゃんが出て来た。

「ぅわぁぁ~~~!!」
「キャぁ~~~!!!」
「あはははっ! お前、ビビりすぎっ」

そのときのリョウちゃんは、腹をかかえて大笑いしてた。
一気に、緊張感が抜けた。

「もうっ! 小学生みたいなことしないでよっ(怒」
「よしっ! 元気になったみたいだな」
「えっ?」

もしかして、サオリを元気づけようとしてくれた?

********

どんなときでも、いつでも、私のことを理解してくれていたリョウちゃん。
そんなリョウちゃんと「お別れ」の日が来るなんて、そのときの私には、全く予想していなかった・・────。

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#創作大賞2024 #恋愛小説部門

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