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ボーイフレンド💛~友情から恋へ発展していく物語~(第3話)

(第3話)

第1章 ~1988年~ 


高校2年の夏休みは、ユウコの家にお泊りして楽しかった。
けれど・・・・・・。
まさかこの後、あんな事が起こるなんて・・────。

1988年 春──。

「オレ、今日バイトの日だから、後はヨロシコ~!」
「リョウちゃん!掃除当番なんだから逃げないでよ!!」

私が言い終わるか言い終わらないうちに、もういなくなってた。

・・・・・・逃げられた。
・・・たく。
逃げ足だけは速いんだから。

今週は、教室の掃除当番──。
幾つかのグループに分かれて班が決められていた。
高1の時は、リョウちゃんとクラスが別々だったけど、高2になってまた同じクラスメートになった。

「いいよ、いいよ。オレで、さっさと終わらせちゃおうよ。ねっ!」
そう言ってくれたのは、満面の笑顔で接してくれた同じクラスメートの男子生徒!

中村 徹くん。
通称「トオルくん」って呼んでいた。

「ありがとう。ごめんね・・・・・・」
「大丈夫だよ。サオリちゃんが気にする事ないさ」

このとき、私は初めてトオルくんと言葉を交わした。

へぇ・・・・・・。
結構、優しいんだぁ。
・・──って、そのときの第一印象はそう思っていた。
ノチに彼とは、その後の人生に大きく関わってくるなんてそのころはまだ全然、思ってもいなかった。

翌日の放課後・・────。

「昨日は、トオルくんに手伝ってもらっちゃった。彼、ものすごぉ~く大人で、やさしいぃ~んだからぁ~」
私は、昨日掃除をサボったリョウちゃんに態と、皮肉たっぷりに言い放つ。

「あぁ そう。どーせオレは、子供ガキだよぉ~ん」
リョウちゃんは、ペロッと舌を出しておどけたポーズをして見せる。

「何、それ? 今日はサボらないでよねっ!」
って、彼の目の前に掃除道具を突き出して言った。

「へいへい。分かったよ」

そのころのリョウちゃんはこんな感じで・・・いつも、ふざけてばかりだった。

「ねぇ トオルくんて、彼女・・・とか、たりするのかな?」
掃除をしている最中に、何気なくリョウちゃんに訊いたこともあった。

「彼女?・・・・・・さぁ・・・・・・?」

高1のとき、トオルくんと同じクラスメートだったリョウちゃん・・・。
一瞬、考え込んでいたんだけど・・──。

そのとき、何を勘違いしたのかアイツは・・・。(怒

「好きになるのはいいけどぉ~・・・ アイツだけは、本気マジ めといた方がいいぜ。すぐ女、クドくから」

はぁ~っ!
何、それ~!!

「あ、もしかして もうクドかれた?」

私は、「そんなことない」って、慌てて否定したけど・・・。
まさか 本当にそのアト、その言葉が現実になろうとしていたなんて夢にも思わなかった。

身長も高くて、見た目もクールな感じのトオルくんの周りには、いつの間にか彼のファンらしき女生徒が取り囲んでいた。
容姿端麗で、スポーツ万能。学校の成績も上位の方・・・だって、聞いた。
確かに、見た目はちょっとかっこいいと思うけどぉ~・・・。
別に、トオルくんの彼女になりたくて訊いた訳じゃないのに。

走行ソウコウするうちに、教室の掃除も終わり・・───。

「リョウちゃん。何か、ジュース買ってきてよ」
少し甘えた声で言ってみた。

「ゲッ! 何で オレが?」
と、リョウちゃんはギョッとした表情。

「何? ・・・その顔」

リョウちゃんのその嫌そうな顔にちょっとイラっとしたんだけど。

「昨日、掃除当番 サボったでしょ?」
・・・って、「昨日の仕返し」っていうふうに悪戯っぽい笑みを浮かべて言ってやった。

「お前、何時イツから人使い アラくなった?」
リョウちゃんは、しかめっ面をして私を睨みつける。

「いいのかなぁ~。 先生に言いつけちゃおうかな~」

まるで脅迫犯みたいだな~って思いながら、リョウちゃんに目を向ける。

「分かったよ。で、何がいい?」
リョウちゃんは、とうとう折れて買いに行く羽目になった。

「えっとね・・・・・・ オレンジジュース」

素直に従うリョウちゃんに何だか嬉しくなって、思わず笑いが込み上げる。

「高校生にもなってオレンジジュースかよ。・・ったく、”お子ちゃま”だなぁ~」
リョウちゃんは、「お子ちゃま」のところを強調して教室から出て行った。

「『オレンジジュース』好きなんだぁ」

帰り支度をしていたら、誰かに声をかけられた。
ふと顔を上げると、トオルくんが優しい笑みを浮かべて私の前の座席に座っていた。

一瞬、ドキッとしてしまう。

トオルくんの周りにいたファンの女生徒たちもいつの間にか去って行き、教室の中には私とトオルくんの二人きり。
トオルくんは頬杖をついて、優しいで こちらを見つめていた。

「え・・・っと うん・・・・・・」
私は、戸惑いながらもコクっと頷いた。

話しかけられただけなのに、さっきリョウちゃんが変なことを言うから、トオルくんのことを意識しちゃったじゃない・・・・・・。

「リョウと仲、いいんだね」
すると突然、トオルくんは、とんでもないことを言い出した・・───。

「リョウとは、もう”Hエッチ”は したの?」
「・・・・・・」

しばし沈黙・・───。

な、何か言わなきゃ・・・。
え~っと・・・・・・。

トオルくんは、何か面白いものでも見つけたみたいにこっちをじっと眺めていた。
そしてようやく口をついて出て来た言葉は・・───。

「そそそんなこと・・・・・・ある訳ないじゃない。只の幼馴染みだし・・・・・・」
もう、ドキドキしまくって動揺が止まらない。

うぅ~ この状況、耐えられない・・・・・・。
リョウちゃん 早く帰って来ないかなぁ~。
・・・って、自分が教室から追いだしたことをいつの間にか、私は忘れていた。

するとトオルくんは、ニコニコと微笑んで「そうなんだぁ」って、小声で言ったかと思うと‥。
「じゃぁ リョウとは、『まだ』何の関係もないんだ」
「・・・・・・」

じゃぁ リョウとは、まだ何の関係もないんだ・・・・・・

は?
それって・・・どういうこと?
何を言っているのか意味が分かんない。

「じゃぁさ、他に『彼氏カレシ』とか出来た?」

しつこく訊いてくる彼に当時の私は、恐らく真っ赤な顔をしていたんだろう。
首を大きく横に振った。
そういう私を見てトオルくんは、「可愛いね、サオリちゃん」
・・──って、ニコニコと笑みを浮かべてた。

どどどうしよう・・・。
こっちをじっと見られてる。

恥ずかしくなって、下を向いていると・・───。

「ねぇ サオリちゃん・・・」
って、突然彼に話しかけられた。

「付き合っている『ヤツ』いないんだったらさ、今度オレとデートしようよ」
「・・・・・・」

余りにも急な展開に頭がついていかない。

もしかして、サオリ・・・。
今 クドかれちゃってる・・・・・・?
昨日、ちょっとだけ会話したばかりなのに。
もしかして、いきなり「デート」の誘い・・・・・・?

今まで「男の子」からそんなふうに言われたことはなかった。
急に、心臓がドキドキしてきた。

ちょうどそのときだった・・───。

タイミングがいいのか悪いのか、騒々しい音を立てて、リョウちゃんが教室に戻ってきた。
手には、缶ジュースが三つ。
どうやら、3人分買ってきたらしい。

「ほらっ!オレンジジュース 買ってきたぜ」
「あ、ありがと・・・・・・」
私は、差し出された「オレンジジュース」を素直に受け取った。

「ついでにトオルの分も買ってきたぜ」
「サンキュ!」
トオルくんは、何事もなかったかのように、平然としていた。

なかなか気が利くね・・・・・・。

机の上に置かれた二つの缶コーヒーを眺めながら、突っ込みを入れようかと思ったけど。
さっきの動揺で、上手く言葉が出なかった。

「・・・ん? どうした・・・?」
真っ赤な顔をして俯いている私に気付いたのか、リョウちゃんが不審な顔をしている。

「別に」って、言いかけようとしたのだけど。
先に、トオルくんが・・・。
「別に。只、”普通に”話してただけだよ」

え・・・
「普通に」・・・って?

「普通に」の所を強調して言ったトオルくんは、リョウちゃんの不審な表情にも冷静だった。

もうっ!
トオルくんの嘘つき・・・・・・っ!!

そう思ったけど、リョウちゃんには表情を読まれたくなかったので、黙っていた。
だけど、リョウちゃんには何もかも お見通しだったようで。

「トオル あんましからかうなよ。この子、まだ”お子ちゃま”だからなっ」
”ぽんぽん”と私の頭を軽く叩いて、リョウちゃんはニヤッと、悪戯っぽい笑みを浮かべて言った。

「べ、別に『お子ちゃま』じゃないもん」

トオルくんは、リョウちゃんにとっては初めて普通に出来た男友達。
トオルくんとは、あまり会話したことがなかったけど。
同じクラスになってから、私にも話しかけてくるようになった。
と、いうよりも・・・・・・。
女の子だったら、”全員に”って言った方が正しいかもしれない。
そのころから、他の同級生よりも落ち着いていて大人っぽかったトオルくん。
そのせいか、学校ではかなり目立ってて多くの女子に注目が集まっていた。
ただ、「プレイボーイ」というレッテルを貼られているせいか、男子の間では「遊び人」「女ったらし」っていうウワサも広まっていた。

それがなければ、「完璧」のはずなんだけど・・・・・・。

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#創作大賞2024#恋愛小説部門


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