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ボーイフレンド💛~友情から恋へ発展していく物語~(第26話)

(第26話)

第4章 ~告白~ 


トオルくんは、フゥ〜と溜め息をつくと、目つきが変わった。
高校の時、初めて会話したあの頃のように。

「サオリちゃんてさぁ。 すぐ男の部屋に入っちゃうんだね」
「だって、トオルくんが『見せたいもの』があるって」
「見せたいものがあるなんてウソだよ」

えっ?
騙したの・・・?

トオルくんは、私の心の中を見透かしたように言葉を付け加えた。

チナみに、サオリちゃんを”友達”だと思ったことも一度もない」
「えっ だって・・・」

私が言葉を発する前に、トオルくんが言った。

「気付かなかった?」

その台詞・・・?
何処かで聞いたような‥‥。

「サオリちゃん見てると、イライラするよ。オレがどんな気持ちでいたのか、全然分かってなかったでしょ?」
それを聞いて、さっきまでの楽しかった感情が、一気に吹き飛んだ。

そうだ。確か、あの時だ。
ユウコも、今のトオルくんと同じこと、言ってた。

トオルくんは、「やっと気付いた?」って、言いたそうな顔をしてた。
どうしよう。早く此処から、いなくなりたい。

「ごめん。トオルくん‥‥」
「オレはもう、我慢しないで言うよ。サオリちゃんだけなんだ。オレが、本気で好きになった女子ジョシは‥‥」
「待って!トオルくん‥‥」

これ以上は、何も聞きたくない。
そう思っていたけど、トオルくんは私の言葉をサエギって言葉を続けた。

「今、付き合っている女の子たちとは全部別れるし、絶対に浮気しない。生涯サオリちゃんだけを大事にするよ。だから・・・」
「・・・ごめんなさい。気持ちは嬉しいけど、トオルくんの気持ちには応えられない」

早く此処を出なきゃ・・・。
その場から立ち去ろうとした時。

「リョウは、もう戻って来ないよ!」
トオルくんは声を強めて、荒々しく言った。
そして、後ろから強く抱き締められた。

「あの時、サオリちゃんを抱き締めたのは、”風邪の熱のせい”なんかじゃない。ずっと、こうしたかった」
「トオルくん、離して。帰る~」

私は焦って、子供のように振舞った。

その時、フワッと自分の身体が宙に浮いた感覚がして、気が付いたらトオルくんのベッドの上に仰向けになってた。
そして、ゆっくり・・・ゆっくりとトオルくんが、私の頭を撫でた。

「リョウとは別れたんだろ? だったら、・・いいよね?」

「冗談」だと思った。
いつもみたいに、また「冗談だよ」って、言うのかと思ってた。
でも‥‥。
この日は、いつもとは違っていた。

「やさしくするから‥‥」

そう言うと、トオルくんは・・・。
私の首筋に唇を当てた。

「ぃ、嫌ぁ~~~!」

初めて感じる刺激に、思わず私は声を上げていた。

ちょうどその時、玄関の呼び鈴が鳴った。

誰か、来た・・・?

トオルくんは、聞こえない振りをしていたけど。
やがて、その音が「バンバンバン!」って、激しい音に変わると、イラっとした声で「うるっせえな~」って、今まで聞いたこともないトオルくんの言動にビクッて震えた。

「ちょっと待ってて」

そう言うと、私から離れた。

急に身軽になったとき、少しずつ状況が見えてきた。
ブラウスのボタンが外されてて、中の下着が丸見えになってた。
慌てて乱れた服を直す。

トオルくんが、玄関先で誰かと喋ってるけど。
顔が隠れてて「誰か」までは、はっきり分からない。

しばらくすると、トオルくんが戻ってきた。

どうしよう。早く此処から逃げなきゃ。
どうする?窓から飛び降りる?
でも、此処はマンションの4階だし。

そんな事を考えていたら、部屋のドアが開いた。

「サオリちゃん?どうして逃げるんだ」

戻ってきたトオルくんは、もの凄く怖い顔に変わっていた。

「お願い!来ないで~」

私は、そこら辺にあるモノをトオルくんに投げつけた。
でも、トオルくんには当たらず、モノが散乱していくだけで、だんだんと距離が迫ってきた。
部屋中、グルグルと逃げ回って、ベッドに倒れこんだ。

「オレが、サオリちゃんを幸せにするから‥‥」
そう言ったトオルくんの目は、全然笑ってない。

ムシろ怖かった。

トオルくんが、私が倒れこんだベッドに上がってきた。
トオルくんの手が私の顔に触れようとしたとき、私は固く目を瞑った。

――とその時・・・。

「あんたの『本命』って、やっぱりサオリだったのね?」

その声を聞いた途端、トオルくんの手が止まった。
そして、その声の方を振り向き、驚いたような表情で言った。

「ユウコ!・・お前、どうやって此処に入った!?」
婚約者フィアンセだって言ったら、大家さんがスペアキーを貸してくれたわよ~」

ユウコは、合鍵をチラつかせながら言った。

「何が『フィアンセ』だ。お前とはもう、婚約解消しただろっ!」

一瞬、トオルくんの手が緩んだ。
その隙に、ユウコのモトに逃れた私・・・。

トオルくんのマンションから離れた後、気持ちが落ち着くまでユウコの自宅に寄っていた。
ユウコが、髪の毛と服の乱れを直してくれた。

「サオリ。怖かったでしょ?」
「ん・・・ もう、大丈夫」
「ごめんね。間に合ってよかったわ」

いつもお喋りなユウコだけど、その日は責任を感じているように静かだった。

「あ、キスマーク!」
「えっ、ウソ!」

鏡で確認したら、首元が赤くなっているのが見えた。

「あの、バカ。結構、派手にやっちゃったわね」
「どどうしよう?」
「お化粧で、上手く隠せるかもしれないわ」

そう言うと、ユウコは自分の「お化粧道具」を持ってきた。

「これで、しばらくの間は誤魔化せそうだわね」

ユウコに、ファンデーションをつけてもらったら、ほとんど目立たなくなった。

アトが消えるまでは、スカーフとか、何か隠せるものを身につけた方がいいかもね」
「うん。有難う」
「大丈夫?落ち着いた?」
「お願いっ!リョウちゃんには言わないで」

こんなこと、「彼に知られたら・・・」と思うと、怖かった。

「大丈夫よ。絶対に言わないから。安心して」

そう約束して自宅に帰った。

家に着いてから、リョウちゃんからもらった「ペンダント」を無くしたことに気付いた。
ずっと、肌身離さず身に着けていたのに。
これでほんとにもう、リョウちゃんとの縁が切れてしまったように思えた。

そういえば、あの時・・・。

突然、トオルくんがユウコに言った台詞を思い出した。

『お前とはもう、婚約解消しただろっ!』

あれって、どういうこと?
あの時は、動揺しててあまり耳に入ってなかった。
ユウコも、一言もそういう素振り見せなかったし。

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#創作大賞2024 #恋愛小説部門

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