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ボーイフレンド💛~友情から恋へ発展していく物語~(第15話)

(第15話)

第2章 ~記憶・・・・・・~ 


私たち3人は、またユウコのお宅へ招待された。

今日は、クリスマスパーティーをやるので、いつも以上にお洒落をして、ちょっと楽しみ~。
セレブのパーティーって、どんな感じなんだろう。

大広間へ続く長い通路には、沢山のシェフたちが並び、私たちを出迎えてくれていた。
そして、大広間の出入口に差し掛かったとき。

「坊ちゃん!」って急に呼び止められて、振り向くと1人のシェフがこっちへ駆け寄ってきた。

「 ‥あの時は、誠に申し訳ございませんでした。自分の不注意なのに、坊っちゃんがかばってくれたお蔭で、またここに置いてもらえることになりました。この御恩は、一生忘れません!」

って、リョウちゃんに一生懸命に謝罪をしてたけれど。
当の本人は、そのことを一切覚えていない為、何のことか分からず、キョトンとしていた。

後で、コバヤシさんから聞いた話によると、どうやら、首になる寸前でリョウちゃんが上手く(?)ユウコのお母さまを説得したらしく、どういう流れでそうなったのか、実際そのときの状況を見てないので、あまり良く分からない。

私たち3人以外は、リョウちゃんが「記憶喪失」になっていることを知らない。

その為、お屋敷の人たちは、前回のミスを二度と犯してはならないと、何度も確認作業していた。

でも、執事のコバヤシさんだけは、リョウちゃんの異変に感づいたらしく、「彼方アチラの坊ちゃんは、何処かお身体カラダの具合でも悪いのかな?」って、私たちに確認してきた。

そのとき、私たち3人は、一斉にリョウちゃんを見て、ギョッとする。

リョウちゃんは、まるで、人が変わったみたいにお行儀良く座っていた。

まず最初に、「し ・・・静かに食べてる」って、口に出したのはトオルくん。

ユウコは、上手い言葉が見つからなかったのか、

「えぇ〜と・・・ そ そうね。ホントにどうしちゃったのかしらね。何か悪いものでも食べちゃったのかしらね~」

って、咄嗟に誤魔化そうとした。

リョウちゃんは、みんなが自分のことを見ているのに気付き、変な顔をしていた。

この後、ユウコの提案で、仲良し4人組でプレゼント交換をした。
1ヶ月ほど前に、ユウコから「1人”3千円以上”の出し物を決めること」って言われて、3人分のクリスマスプレゼントを用意する羽目になった。

リョウちゃんには、いつも持ち歩いている彼の鞄がもう古くてボロボロになってたので、持ちやすさも考えてリュックにした。トオルくんには、リョウちゃんのと色違いで、同じサイズのリュックにした。

でも、一番プレゼントに悩んだのはユウコ。

大抵のものは何でも持ってるって思ったし、家がお金持ちだから、安物じゃ~あまり喜ばないかも・・・・・・?

そう思ったけど、一番長く迷って、可愛いリボンの髪飾りとスカーフを買うことにした。それを目にしたユウコの反応は、思った以上に良かった。

ユウコの言い分によると、もらった”プレゼント”は、その場ですぐ開けるのが礼儀らしく、私たち3人も、そのように見習った。

生まれて初めての「クリスマスパーティー」。みんなでやれて楽しかった。

「お前に似合うと思ったから」

リョウちゃんから初めてもらったプレゼントは、街中で「いいなぁ」って思っていた”あのとき”のペンダントだった。

覚えていてくれたんだぁ。

もしかして最近、バイトしてたのも、きっとこれの為・・・・・・?

もの凄く嬉しかった。

「ありがと。大事にするね」
「うん」

一方、トオルくんからユウコへのプレゼントは・・・・・・。

「お前に似てたから」

”ゴリラ”のキーホルダーだった。

「アタシとサオリとで”プレゼント”の内容が違うってどういうこと?」

当然、喧嘩になった。ホントに仲がいいんだから(笑。

**********

今日から冬休みに入った。
私とリョウちゃんは、最後の補講ホコウを受けていた。
入院生活が長かったリョウちゃんは、単位が取れないと進級出来なくなる。
私は、担任の先生にムリを言って、一緒に補講を受けさせてもらっていた。

引き受けてくれた担当の先生は、「これでようやく、あんた達から解放される」と安堵の表情で、教室から立ち去って行き、今はリョウちゃんと、二人きりでいる。

リョウちゃんから初めてもらったペンダント。
嬉しくてつい、今日つけて来てしまった。

まぁ、冬休みだし・・・。
今日ぐらいは付けてもいいよね?

静かな教室に、サッカー部員たちのハツラツとした掛け声が聞こえていた。
その静かな空気を破るかのように、リョウちゃんが私に話しかけてきた。

「・・・それ、つけてくれたんだ」

リョウちゃんが、私がしている「ペンダント」に気付いてボソッと言った。

「うん。リョウちゃんからのプレゼント、すごく嬉しかったから」

私は、笑顔で応えた。

「いいね。似合ってる」
「ホント?」

リョウちゃんからの嬉しい台詞セリフに飛び上がるほど歓喜した。
そのときまでは・・────。

だから、リョウちゃんが「もっと良く見せて」って言ったときにも油断していた。

リョウちゃんに良く見えるように向かい合ったとき、突然グイっと腕を掴まれて・・────。
そして気が付くと、リョウちゃんの顔がすぐ近くに・・・・・・!

これが、リョウちゃんとの初めての”ファーストキス”だった。

「ぃ、イヤぁ〜〜〜‼︎」

ビックリして、思いっきりリョウちゃんを突き飛ばしてしまった。

「痛ってぇ~な!・・・何すんだよ」
「ご、ごめん!」

私は、咄嗟に謝ったけど、リョウちゃんは・・・・・・。

「な、何で? ・・・恋人同士だったら、普通に・・・・・・?」
「ちょっと待って! 誰が”そんなこと”言ったのよ?」
「だって、トオルのやつが・・・」

そう言った瞬間、リョウちゃんはハッと気が付いた。

「あ、ごめん。・・・じゃなかったんだ」
「うん・・」

私が軽く頷くと、リョウちゃんは真面目な顔を見せてもう1回こっちを向いて謝罪した。

「サオリちゃん ホントごめん! オレはてっきりそういう関係だと・・・思ってた」
「ううん。 サオリも、はっきり言わなかったから・・・」

リョウちゃんが急に「優しくなった」のって、トオルくんの影響だったの?
じゃぁ、本心じゃなかったんだ。

そう思っていた。でも‥────。

「でも、まぁ・・・ これで、良い切っ掛けになったかな。オレ、サオリちゃんのこと・・・どうやら本気マジ『好き』になったみたいだ。これを機会にさ、オレたち本気マジで付き合わない?」

突然、リョウちゃんが私に告ってきた。
少し前までの彼だったら、こんなこと言わなかっただろう。

「で、でも‥ リョウちゃんの記憶、まだ戻ってないし・・・・・・」

私は戸惑いながらも、返事に迷っていた。

「う~ん そっか」

しばらく考え込んでいたリョウちゃんが、まさか「こんなこと”絶対に”言うはずがない」って、そのときまでは、そう思い込んでいた。

「オレさ、別に・・・記憶が元通りに戻らなくてもいいと思ってる。サオリちゃんさえいてくれれば・・・」

え・・・ リョウちゃん。
何、言ってるの・・・・・・?

私が言葉を発する前に、リョウちゃんは続けて喋り出す。

「また2人で、新しい思い出を作ってけばいいじゃん」

新しい思い出・・・・・・?
今までの「思い出」も「記憶」も、全部なかったことにするってこと?
だ。そんなの絶対にイヤっっ!

リョウちゃんは、私の気持ちなんか、「もうどうでもいい」みたいな言い回しをした。

「もう、いっその事・・・過去なんか忘れてさ、新しい思い出を2人で作ってこうよ。ねっ!」

どうして、そういう言い方をするの?

気付いたら、リョウちゃんの頬を思いっきり引っぱたいていた。

「サオリちゃん・・・?」

・・──────ここからは、リョウの回想。
入院中の病棟にて・・・。

【仲田 亮】 side・・・。

「泣いたり気絶したりしたかと思ったら、今度はこんなもの持ってきた。何なの?あの・・・」

オレは、さっきまでいた女の子のことをちょうどオレの見舞いに寄ったトオルに話していた。

「何、言ってんだ?・・・お前」

トオルはオレが言ったことに驚いた顔をして、当然の如くオレに言った。

「お前とあのは、”恋人同士”じゃないか」
「あのがオレの?」

なかなかピンと来ないが、オレの親友だと言っているトオルが言うんだから、多分そうなのだろう。

「そうだよ。だから、こうやって一生懸命にお前のこと看ようとしてるんだよ。あのにはもっと、優しくしてあげないとダメだよ」
「そうか。分かった。今度来たときは、優しく接してみるよ」

・・・優しく接してみる‥────。

そう思っていたのに、オレは・・・。
またあのを泣かせちゃった・・・・・・。

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#創作大賞2024 #恋愛小説部門

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