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ボーイフレンド💛~友情から恋へ発展していく物語~(第31話)

(第31話)

第5章 ~天国から地獄~ 


リョウちゃんと付き合い始めてから、三ヶ月が過ぎていた。
その頃になると、心の傷も大分癒されていた。
でも彼は、「キス」しかして来ない。
それも、軽く触れるだけの短いキス。
何か、物足りないなぁって思いつつも、幸福感を感じていた。

「リョウちゃん、キス上手くなったね~」

今では、大切な2人の思い出になったあの海岸線が見える駐車場で、私は何度も、キスを強請ネダる。

私だけ、こんなに幸せでいいの?

ある日。
自分の部屋でクツロいでいたら、突然、部屋のノックがしてお姉ちゃんが入ってきた。
そして、”にんまり”笑うと、箱の中から何やら取り出した。

「はい!プレゼント」
「えっ?これ、お姉ちゃんが?」

それは、真新しい「ポケットベル」だった。

「・・・でも、2個も要らないし」

お姉ちゃんから渡された同じサイズの”モノ”が、何故か2個?
不思議に思って、首を傾げると。

「違~う。2個ともあんたのじゃないの!もう1個は、リョウくんによ。彼との連絡手段に使って。もうすぐ彼の誕生日でしょ?」
って、お姉ちゃんが鈍い妹に突っ込みを入れる。

「あ、私からもらったって言わないでよ!」

部屋から出ていこうとした時、思い出したようにお姉ちゃんが言った。

漸くリョウちゃんと「両想い」になれた。
毎日、彼と一緒に過ごす時間を嚙み締めて、大切に過ごしていた。

ホントに、もうっ!
”私だけ”こんなに幸せでいいの?

**********

今日は、「お部屋デート」。
私の家へ彼を誘った。

机の引き出しから、お姉ちゃんからもらった真新しい「ポケットベル」を取り出して、彼に見せた。

「まだ ”誕生日” は早いけど・・・。これ、プレゼント」

私は、モジモジしながら、リョウちゃんに「ポケットベル」を渡した。

「これ、サオリから?」
「え? ぅ、うん・・・」

つい、「お姉ちゃんから」って言いそうになり、慌てて言い直した。
何でも口に出してしまう妹の為を思って、お姉ちゃんが「付け足した言葉」を思い出した。

危ない、危ない。
危うく、言いそうになっちゃった。

私は、取扱説明書を開いて、「ポケットベル」の初期設定をした。

「『まず、最初に電源を入れて、契約番号を入力します。』で、次は・・・ 『音量やバイブレーションなどの設定をします。最後に、『ポケットベル』の時刻を合わせて、初期設定の完了。「ポケットベル」の受信テストをして、正常に動作するか確認します。』 フゥ~ん。 色々、いっぱい書いてあるよ。一日じゃ、覚えきれないね」

私は、「一字一句」読み上げて、リョウちゃんと一緒に「ポケットベル」の設定をやった。

「オレ、これ見ないと覚えられないかも?」
「うん。サオリも」

その時、部屋のノックがして、お姉ちゃんが入ってきた。

「どう?進んでる?」

お姉ちゃんが、麦茶とお菓子を持ってきた。
ずっと、部屋にコモりっきりの私たちの様子を見に来たんだろう。
幼馴染みでも、一応、付き合っている訳だから、身内としては気になるよね?

「もうっ!お姉ちゃん。あっちへ行ってよ!」

いつまでも部屋を出て行かないお姉ちゃんにイラっとして、つい声を張り上げていた。

「じゃ ごゆっくりねぇ~」

お姉ちゃんは、変な笑みを浮かべると、部屋から出て行った。

自分が「幸せ」になったら、誰かに「幸せ」をお裾分けしたくなる。
そんな時、ユウコに話したくなって、自分から連絡をした。

「ユウコ。ありがとね。私ね、今 とっても幸せ!」
「そう。良かったわね」

アレ?
それだけ?

気のせいかな?
何だか、いつもの元気がない気がする。

ユウコにも、「幸せ」になって欲しい。
そう思ったら、トオルくんの会社の方へ自然と足が向いていた。

受付の女の人に、トオルくんを呼び出してもらったら、5分ほどでトオルくんが来た。

「サオリちゃん!どうしたの?」
「忙しいところごめんね。あのね、私・・・ その・・トオルくんに話したいことがあって・・・」

私は、仕事中にも関わらず、態々来てくれたトオルくんに悪いなって思いながら、手短に用件だけ言ってすぐに帰るつもりだった。
でも、トオルくんが、「立ち話もなんだし」って、カフェルームへ通された。

「嬉しいな。サオリちゃんから訪ねてくるなんて」
トオルくんは、上機嫌だった。

「何 飲む? 奢るよ」
自動販売機へお金を投入すると、私の飲みたいものを選ばせた。

「トオルくんに、お願いしたいことがあって・・・」
私は、思い切って話を切り出した。

「なになに?サオリちゃんの”お願い”だったら、何でも聴くよ」
と、最初のうちは、聴く気満々だったトオルくん。

「トオルくんて、今付き合ってる人いるの?」
私は、彼の反応を探るように、遠回しに言った。

「え、いないよ。でも、サオリちゃんがオレと付き合いたいのなら、いつでもOKだよ」
「そうじゃなくて・・・」

話が反れそうだったので、本題に入ることにした。

「ユウコのことなんだけど」
「ユウコがどうかしたの?」

トオルくんが、聞き返した。

「トオルくんは、ユウコのことはどう思ってるの?もし、まだちょっとでも好きな気持ちがあるんだったら、付き合ってあげてほしいの」

トオルくんは、それを聞いて呆然。しばらく長い沈黙が続いてから。
「何それ?」って、言った。

ユウコの話を始めてから、トオルくんの顔色が、だんだん変わっていくのが分かった。

「サオリちゃんが話したかったことって、これ?」
「ユウコ、口では何も言わないけど。ずっとトオルくんのこと好きだったんだよ。だから・・・」

言葉の途中で、トオルくんが口を挟んだ。
「オレ、もうアイツに未練ないから」
トオルくんの声が、荒くなった。

「だから、婚約解消を・・・」

私が、「取り消して欲しい」って言おうとした時、突然「バンっ!」って激しい音がした。

「オレとユウコの話なんか、どうでもいいだろっ!」

彼は、テーブルを思い切って叩いて立ち上がった。
そして、そのまま「カフェルーム」を出て行った。

どうしよう。
トオルくんを怒らせちゃった。

私は、しばらく此処から動けなかった。

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#創作大賞2024 #恋愛小説部門

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