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ボーイフレンド💛~友情から恋へ発展していく物語~(第11話)

(第11話)

第2章 ~記憶・・・・・・~ 


~中学の頃の記憶~

「仲田 亮です。よろしく・・・・・・」

当時の彼は、無愛想で、近寄りがたさを感じた。
小さい頃に別れてから、5年ぶりの再会だった。

この時期、転入生が入ってくるのは珍しいのか、彼はすぐに、クラスメートから注目を浴びていた。

「お前、どこから来たんだぁ?」
「仲良くしようぜ」

仲間意識をオープンにして話しかけてくる男子生徒もいたけれど。
なかには、タチの悪い連中もいた。

「あいつ、女よりもチビだぜ~」
「本当に、中学生か~?」

担任の先生が、リョウちゃんに席に着くようにと言ったけれど。
彼は、そのまま悪い連中の方へ。

「おい、今 何つった?」

リョウちゃんが、悪い連中の1人の胸ぐらを掴んで言った。
その瞬間、一気にクラス中が騒然となった。

何か、な予感・・・・・・。

「あぁ~~? チビを「チビ」だと言って何か悪いのか~?」

その男子生徒も、ひるむことなく言葉を返した。

その直後、大乱闘が始まり、クラス中が大騒ぎ・・・・・・。
騒ぎを起こした2人は、1週間の停学処分という形になった。

一度も会話を交わさないまま、3日ほど過ぎたある日‥――――。
私は、職員室の前に立っていた。


「先生。リョウちゃ・・・・・・じゃなくて、仲田くんの家の住所を教えてください」

一度、「リョウちゃん」って言いかけたけど、すぐに言い直した。

すると先生は、「でもねぇ~ 問題のある生徒だからね~」って、困ったような表情を見せながら、そう言ったけれど。
熱心に頼み込んだら、住所を教えてくれた。



入学してから、まだ幾日も経っていないのに。
リョウちゃんは、いつの間にか「問題のある生徒」にされていた。
大人たちは勝手に、そうと決めつける。

リョウちゃんは、何も悪くないのに・・・・・・。

その日の放課後――――。
職員室からの帰りに、同じクラスメートの女子を誘って、リョウちゃんの家へ向かっていた。


「ねぇ、サオリ~ やっぱりめようよ~」

「嫌なら、先に帰ってもいいよ。リョウちゃんは、そんなに悪い子じゃないんだから」


担任の先生から教えてもらった住所と地図を頼りに、私たち2人は歩いていた。


「確か、この辺りなんだけど・・・・・・」


先生に教えてもらった地図を見ると、この建物・・・・・・かな~?

見ると、それはあまり目立たない敷地にポツンとタタズんでいる二階建ての小さなアパートだった。


ここに住んでいるんだぁ・・・・・・。


「あの~ ・・・あたし、やっぱり帰るね・・・・・・」


急に怖気オジケづいたのか、一緒に来ていた彼女が申し訳なさそうに言った。


「いいよ。後は平気だから」

「じゃ、気をつけてね」


そう言うと、後ずさりしながらその場を立ち去って行った。
1人だけポツンと残されると、何だか急に不安になった。

追い返されたらどうしよう・・・・・・。


ふう~・・・・・・っと、1回・・・深呼吸・・――――。


よしっ!
行こう。


私は、アパートへ向かって歩き出した。

コンコンコン・・・・・・。

ブザーがついてなかったので、ドアをノックする。
すると、中から返事が聞こえた。




ドキドキドキドキ・・・・・・。

私は、高鳴る鼓動を懸命にオサえていた。


「誰・・・・・・?」

部屋の中から人の声が聞こえたかと思うと・・・突然、アパートのドアが開いた。


「こ、こんにちは。同じクラスメートのサオリだけど、覚えてる?」

どぎまぎしながらも、早口になってしまった。

「あぁ。まあ、一応・・・ 入れば~?」


リョウちゃんは、初めのうちはびっくりした顔をしてたけれど、「どうぞ」というふうに、中へ入れてくれた。
これが、中学生になったリョウちゃんと久しぶりに交わした会話だった。

あのときは、ものすごぉ~く緊張しちゃった。




リョウちゃんのお父さんは、建築関係の仕事をしていてその日は、仕事でいないみたいだった。
狭い居間らしき片隅には、リョウちゃんのお母さんの若き日の写真が置かれてあった。
小さいころ、病気だって聞いてはいたけど、1度も会ったことはない。
写真の顔は、穏やかで優しそうな顔立ちだった。
どことなくリョウちゃんに似ている。

私は、お線香をあげて手を合わせた。
リョウちゃんは、それを黙って見てたけれど、すぐにそばに座って、一緒に手を合わせてた。

それが切っ掛けで、ちょっとずつちょっとずつ距離を縮めていったっけ。

停学処分が解けて、学校へ通いだすようになると最初のころは、「不良」というレッテルを貼られて悪い仲間たちが集まって来ていた。
あのときのリョウちゃんは、他人に心を開いてなかったけれど、今じゃ、人が変わったように優しくなった。
そして、中学2年に上がるころには、リョウちゃんへの悪いウワサは、次第に消えていった。
担任の先生が、私とリョウちゃんが昔馴染みの知り合いだということを知って、中学の3年まで私たち2人を同じクラスにしていたらしい。

「問題のある生徒」は、何処か別のところへ追いやりたい・・・・・・。
ただ、それだけの理由で?‥――――。

だけど・・・・・・。

それと同時に、私とリョウちゃんが「付き合っている」っていうウワサも流れてたみたい。
このときは、まだそれほど意識してなくて・・・。


「リョウちゃんとは、『ただ』の幼馴染み!」
って、そう思っていた‥――――。


「すみません・・・ 仲田 亮くんの面会に来たんですけど‥‥‥」

受付で看護婦さんに伝えると、部屋の番号を教えてくれた。

リョウちゃんは、今日から一般病棟の大部屋へ移されていた。

ドキドキドキドキ‥‥‥。

そのとき 突然、5年ぶりに再会したときの緊張感を思い出す。

あのときは、サオリのこと覚えていたからまだ良かったんだけど。
じゃ、今は‥‥‥?

全く「初対面」と同じなんだよね‥‥‥。

でも、ここまで来たからにはもう、迷っている場合じゃないっ!
ほらっ! 頑張れっ サオリ!!

もう一度、自分に喝を入れると、勢いよくドアを開けた。
リョウちゃんは、足に包帯をした状態で 一番奥のベッドに横たわっていた。

私が来たことに気付いたリョウちゃんは、冷めた眼で「また来たの?」って、冷たい言い方をした。そして、ベッドの上に起き上がって少し声を荒げて言い放つ。

「目の前で気絶したり、泣かれたりされると『”迷惑”!』なんだけど・・・・・・」

リョウちゃんは、態と「迷惑」っていうところを強調して言った。

一瞬・・・ 
「ドキッ!」ってなった。

ど、どうしよう・・・。
昨日の印象で、もう 嫌われちゃったかも・・・・・・。

で、でも・・・ だ、大丈夫、大丈夫・・・。
また、中学生のころから始めればいいんだから。

よしっ!
頑張れ、サオリ!

パニックになった頭の中を冷静にさせようと、自分で自分を励まして、ようやく気持ちを落ち着かせた。

「きょ、今日は、『写真』を持ってきたの」
「写真?」

そう言うと、リョウちゃんの表情が若干・・・柔らかくなった。

「見せて」
「え・・・?」
「いいから見せて。それ・・・」
「う、うん・・・」

写真を手渡すと、1枚1枚 丁寧に眺めていた。
そして、その中の1枚の写真に目が留まったらしく・・・・・・。

「この女の子は・・・ キミ?」

リョウちゃんが指さしたところを見たら、子供の頃の自分だった。

「今度、違う写真、見せてよ」
「あ、でも・・・ もう、リョウちゃんが写っている写真はないんだけど・・・・・・」
「・・・じゃなくて、あんたが写っている写真・・・」

え・・・?
それって・・・。
少しは興味・・・持ってくれたってこと・・・?

「うん・・・別にいいけど・・・・・・」
「良かった。じゃぁ、これからもよろしくね。”サオリちゃん”」

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#創作大賞2024 #恋愛小説部門


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