ボーイフレンド💛~友情から恋へ発展していく物語~(第20話)
(第20話)
第2章 ~記憶・・・・・・~
リョウちゃんとトオルくんが店の外へ出て行って数分後、何かが倒れるような激しい衝撃音がした。
何事が起こったのかと、ユウコと2人でその音がした方へ駆け寄ってみると、トオルくんが馬乗りになって、リョウちゃんを一方的に殴っていた。
「お前、どうしちゃったんだよ? おい、何とか言ってみろ!」
リョウちゃんは、反撃することもなく、トオルくんに殴られる状態になっていた。
お願い!
誰か、止めて!
その痛々しい状況をとても見て居られなかった。すぐさま、お店の人が2人のケンカを止めてくれたけど。
一体・・・何があったの?
翌日、職員室に呼ばれた私たち4人は、昨日起きた出来事の事情聴取を受けた。
「ケンカの原因は何だ?」
生活指導の先生の質問にまず最初に応えたのは、トオルくんだった。
「そ、それは~・・・・・・」
一瞬・・・”ちらっ”と、私を見たかと思うと、言い辛そうに口籠った。
「・・ぃ、言えません」
先生は困り果てた表情を見せると、「仲田。ケンカの原因は何だね?」
今度はリョウちゃんに同じ質問をした。
リョウちゃんは、真っ直ぐ前を向いて、トオルくんと同じ返答をした。
「だったらオレも。言えません」
先生は、「応えられなければ余計に罰が重くなるぞ」って、言ったけれど‥‥‥。
2人は、頑なに口を閉ざして何も応えなかった。
私とユウコはそのまま教室へ戻ったけど、リョウちゃんとトオルくんはその場に残って、何やら書かされていた。
HRが終わってから、トオルくんが戻ってきて席に着くと、担任の先生が今後の2人の処分をクラス全員に話した。
今日一日は、いつも通りに授業を受けてもいいことになったけど、明日からは、1週間の停学になった。
しかも、トオルくんはサッカー部に所属している為、今期は「サッカー部」だけが出場辞退という厳しい処分になった。
その日は、トオルくんと話すこともなく‥‥‥。
トオルくんは、何人かの女子たちと一緒に、早々と帰って行った。
********
帰ろうとした時、コッチを睨み付けている女子がいた。恐らくトオルくんを取り巻くファンの一人かもしれない。
そう思ったけど、気にせず靴箱の方へ歩いていた。
あれ?
自分の靴が見当たらない。
どうしようか困っていたら、ユウコに声をかけられた。
「どうしたの?」
「靴が見当たらなくて‥‥‥」
この時はまだ自分が、女子たちの標的になるなんて想像もしなかった。
だからユウコに、「まさか サオリ。イジメられてるの?」って言われた時も、あまりピンとこなかった。
「今日は、アタシの靴を貸してあげる。それ、履いて帰ったらいいわ」って、ユウコはさらっと言った。
「でも・・それを貸したら、ユウコが履いて行く靴がなくなっちゃうんじゃ・・・」
「大丈夫よ。アタシ、もう1足持ってるから」
えっ!
2足持ってるの?
「アタシのサイズと合うといいんだけど」
履いてみたら、ピッタリだった。
「今度また同じようなことがあったら、先生に言った方がいいわ」
ユウコはそう言うと、帰って行った。
いつも靴を2足持ち歩いているなんて、さすがセレブ。
翌日から、いつも見ていた光景が一変した。
「あの女よ!」
一瞬、「ビクン」ってなり、声がした方を見渡すと女子たちが自分の方を見て、何やら悪口を言っていた。
「あの女のせいで、トオルくんは変わってしまったわ」
「あたしたちのトオルくんを返して!」
サッカー部が出場停止になって、トオルくんもしばらく学校へ登校出来なくなったから、女子たちの標的が自分の方へ向けられた。
最初は、悪口や陰口など表面的なイジメだったので、何とか耐えられた。
一度だけユウコに助けてもらって、しばらく苛めは治まったけど、また すぐに始まって、だんだん陰湿なイジメへ変わっていった。
辛いよぉ‥‥‥。
もう、ガッコ―・・・ 辞めようかな。
でも 今は、リョウちゃんもトオルくんもいないし。
どんなに辛くても、耐えるしかなかった。
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