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ボーイフレンド💛~友情から恋へ発展していく物語~(第7話)

(第7話)

第1章 ~1988年~ 


ユウコもトオルくんも、サオリの気持ちに気付いてるのかな?

そんなことをずっと考えていたら・・────。
余計に意識してしまって、今日は朝からリョウちゃんの顔を真面マトモに見れなかった。

やがて、お昼休みに入ると・・────。
「中間テスト」の順位が廊下に張り出された。
リョウちゃんとトオルくんは、勉強でも競い合っているらしく、成績もトップクラスにいた。

「あー くそっ! あいつ また先、行きやがった~。 この間までちょっとしか離れてなかったのに~!!」

後ろから、悔しそうに聞こえる声。
振り向くと、トオルくんが「中間テスト」の順位を目で追っていた。

「アイツは、どういう勉強のやり方をしてるんだ・・・・・・」

ブツブツと独り言のように呟くトオルくんが眺めていた先には、リョウちゃんの名前があった。

「すごいね、リョウちゃん。8位に入ってる・・・」
つい、正直に言ってしまって、トオルくんを傷つけちゃったかな~って思い・・。

「で でも、トオルくんだって・・・ えっと・・・ 15位に入ってるなんて、すごいじゃない~!」
・・・って、慌てて言い直したんだけど、遅かった。

それに、ちゃんと トオルくんの名前も見てなかったから、どうやらそれも、彼に見抜かれてしまったらしい。

「・・・サオリちゃんって、痛いとこ突くなぁ~」
軽く傷ついたみたいだ。

「ご、ごめんね・・・・・・ トオルくん・・・」
「いいよ、いいよ。別に、気にしてないから。オレなら、大丈夫だよ。それよりも・・・・・・」

トオルくんは、いつもの優しい口調で応えてから。
すぐに、心配そうな表情に変わった。

「サオリちゃんこそ、大丈夫? 今日、元気なかったよね? アイツと喋った?」

す、鋭い!
すぐに、リョウちゃんのことを言っているのが分かった。

「昨日のバスケで、女子に異常にモテてたからなぁ~ アイツ・・・。 サオリちゃんも、気をつけてね」
「え・・・? 何が?」
「『何が?』って。好きなんだろ? リョウのこと・・・」

って、トオルくんに言われて、ドキッとした。

何で、分かっちゃうんだろ・・・?

っていうことは・・・。
もしかしてユウコも?

リョウちゃんは・・・・・・?
気付いてないよね・・・・・・?

頭の中でいろんなことを考えていたら、トオルくんが私の心を見透かしているかのような口調で言った。
「早く告白しないと、他の誰かに取られちゃうぜ」

え・・・。
誰かに・・・・・・?

そういえば、昨日もユウコが、同じことを言ってたことを思い出した。

でも、もし サオリが告白して、断られちゃったら・・・?
今の関係も崩れちゃうかもしれない・・・・・・。
そしたら、もう「友達」にも戻れなくなっちゃうのかな?

そんなこと 怖くて言えないよぉ~。

********

「オレん 来て」

その日の帰り道で、リョウちゃんがいきなり言った。
いつもなら、さっさと自分の家に帰るのに。

リョウちゃんは、「ちょっと・・・ 話がある」って、私の腕を掴んで自分の家へと連れてった。
中学のころ以来、リョウちゃんの家に行くのはずいぶん久しぶりだった。
久しぶりすぎて、ドキドキしてしまうよぉ~。

「これ、読んどいて」
「何・・・? これ・・・・・・⁇」

渡されたのは、リョウちゃんの「日本史」のノート。
要点を細かくチェックして、マトめられていた。

へぇ・・・。
意外と、きちんと整理されているんだぁ・・───。

「多分、ここ 期末で出るから~」
「へ?」
「何、キョトンとした顔してんだ。お前、今日「中間テスト」の成績が良くなくて、落ち込んでたんじゃねぇの?」

そっか。
もうすぐ、「期末試験」があるんだっけ。
それにしても、今日”サオリ”が元気なかったのは、「それ」じゃないんだけどぉ~・・。

リョウちゃんは、とんでもない勘違いをしていた。
そのことに、少しホッとした自分と「気付けよ~」っていう自分と複雑な気分になった。

「書けた? 分からないことがあったら、教えてやるから」
そう言って、リョウちゃんはカバンの中から何かを取りだした。

何だろ・・・?
手紙みたいだけど、ラブレターかな・・・?
ちょっとだけ、覗いてみたい気もするけどぉ~。

リョウちゃんは、「ラブレター」らしきものを読み始めた。

何て、書いてあるんだろう?

隣で読まれると、気になって仕方がない。

「何だよ。見んなよ~」
リョウちゃんは、私の視線に感づいて隠すように背中を向けた。

「それ、もしかして・・・全部女の子たちからもらったもの?」

図星だったのか、突然声をかけられて、一瞬・・・。
リョウちゃんは、ビクッて肩を震わせる。

「そうだよ。だったら、何っ・・・?」

怖っ!
何か、機嫌悪そうだけど・・・・・・??

「あれ、取って」
「え・・・ どれ?」

分からなくて、躊躇してたら・・・リョウちゃんの手がスッと伸びてきた。

一瞬、お互いの手が触れあってドキドキした。

狭い空間に、二人きり・・───。

つい、意識してしまう。

そのとき、突然・・・リョウちゃんの手が、私の頭に触れた。

「お前、大丈夫? 熱でもあるんじゃねぇ?」

赤い顔して俯く私を心配そうな表情で、下から覗き込むリョウちゃん。

そんなにマジマジと見られちゃうと、余計に顔が見れなくなっちゃうよぉ~。

********

狭い空間に、二人きり・・───。
・・・のはずなんだけど・・・・・・。

気のせいか、視線を感じる。

次の瞬間、何か柔らかい物体が私の膝元でスリスリしてきた。

「ひゃっ!」
「こらっ! チビ。 どこ行ったかと思ったらお前は。こんなとこにいたのか〜」

え・・・??
チビ?

リョウちゃんが、その物体をツマみ出すと・・───。
目の前に、猫ちゃんが現れた。

か、可愛い~。

「どうしたの? ・・・それ」
「あぁ 去年、道端に捨てられてたから拾って連れて帰った」
「でも、確かアパートって、ペット飼うの禁止だったよね?」
「そうだよ。だから、大家さんには内緒でここに置いてる」

あ ・・・そう。
でも、名前が「チビ」って・・・。

リョウちゃん言わく。

「拾った当初は、小ちゃかったから『チビ』って付けた」なんて言ってたけど。出逢ったときには、「チビ」だと思えないくらい成長していた。

ふふっ 何か可笑オカしい・・・。
ホント 単純なんだから〜。

リョウちゃんと居ると、何だかいつも・・・ホッコリする。

いつの間にか、緊張モードも抜けていた。
そのとき、チビが私の膝の上に乗ってきた。
その愛くるしい仕草に、一瞬でキュンとしてしまった。

「可愛い~」

チビの頭を撫でてあげると、このままスヤスヤと眠ってしまった。
それを見たリョウちゃんは、「知らない人には懐かないんだけどなぁ」って、言い残すと・・・。
すぐにまた何やら書き始めた。

「リョウちゃん、さっきから何 書いてんの?」
「何って・・・ 返事だよ」

リョウちゃんはノートの余白に、ラブレターの返事を書いているようだった。

まさかそれはないだろうなって思っていたけど・・。

「・・・この中の誰かと、付き・・・合っちゃう・・・の?」
「まさか! 全部 断るよ」

思い切って訊いてみたら、予想以上に強く反応してきて、ビクッてしてしまう。

「誰とも付き合う気ねぇし!」

リョウちゃんは、思い出したかのように話し出した。

「ほらっ! 中学んとき、オレ『部活』やってたじゃん。あんときは、それで結構楽しかったんだけどさ・・・」

しばらく沈黙したかと思うと・・。

「・・・参ったよなぁ~ オレが 全国大会で優勝しちゃったから、卒業式のとき 校門から出られなくてさ・・・」

そういえば、そういうこともあったなぁ~。

あのころは、正門からも裏門からも出られず、結果的にはヘイを乗り越えて帰ってきてたんだっけ。
過去のことをふと思い出し、懐かしさが込み上げてきた。

「あのころ、リョウちゃん 今のトオルくんよりモテてたもんね~」

「出来れば普通に、卒業したかったぜ。だから、空手も辞めたんだけどね」

その日、初めてリョウちゃんが「空手部」を辞めた理由が分かった。

「それに・・・コイツのメシ代も稼がなきゃならないし。なっ!」

リョウちゃんは、そう言いながら・・───。
私の膝の上でスヤスヤ眠っている「チビ」を片手で持ち上げた。

「ちょっと、待ってて。これ 書いたら送ってやるから」
「え〜 いいよ〜 別に。家 近いし」
「遠慮すんなって。送ってくから・・・」

いつもは「送ってく」って絶対に言わないリョウちゃんが、今日は何故か優しい。

「うん・・・ じゃぁ 送ってもらおっかな」
「よしっ! じゃぁ 行こか」

その嬉しい一言に、ちょっぴり照れ臭かった。

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#創作大賞2024 #恋愛小説部門


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