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ボーイフレンド💛~友情から恋へ発展していく物語~(第23話)

(第23話)

第3章 ~成人式で再会~ 


成人式から二週間後の日曜日。
リョウちゃんから、「この前撮った写真が現像出来た」っていう連絡が来た。
リョウちゃんは写真屋でアルバイトしているから、フイルムの現像も次いでにやることになった。

待ち合わせ場所は、お酒も飲めるBARバー

時間に遅れないように15分前には着いたけど。
「ちょっと早かったかな」

中へ入ると、スーツ姿の男性が2人。
カウンター席に座っていた。

私が入ってきたことに気が付いた2人が振り向いてこっちを見た。
そして、真ん中の空いている席へ「どうぞ」って案内された。

「サオリ。今、聞いて驚いたぜ。此奴コイツ ユウコと婚約したんだってさ」
私が椅子に腰掛けるのと同時に、リョウちゃんが喋り出した。

「婚約? トオルくんが?」
私は驚いて思わず大声をあげてしまった。

「実は、そうなんだ」
トオルくんは、少し気まずそうな顔をして応えた。

「へぇー!すごいっ!おめでとう!」
私は、素直に喜びを表現した。

「ねぇね、何時イツしたの?」
私は、身を乗り出してトオルくんに問いかけた。

初めてトオルくんと会話した頃に比べると、今では大分話しやすくなった。

「高校の卒業式が終わってからだよ。ほらっ!」
そう言って、トオルくんは自分の薬指にはめた婚約指輪を見せてくれた。

「学校に行っている間は外しているんだ。誰かに見られたらみっともないからな」

へぇ・・・。
いいなぁ‥‥‥。

私は、物欲しそうにトオルくんの薬指をつい、”まじまじ”と見てしまっていた。

ちょうどその時、”ガタン”って音がしたかと思ったら、もうリョウちゃんが”べろんべろん”に酔っぱらっていた。

げ!
飲むペース早っ!

リョウちゃんは高校の時に、一度お酒の味を覚えてから”飲んだくれ”になっていた。

「リョウちゃんは、飲みすぎだよ~」

彼は、テーブルに伏せてた顔を上げてすぐに立ち上がると。

「ちょっと飲みすぎた。ワリぃ・・・ 酔いをましてくる」

そう言って、席を離れた。

トオルくんと二人っきりになっちゃった。

シンと静まり返った店内。
ほんのり香る大人の匂いに、ドキドキしていた。

トオルくんと二人っきりになると、いつも緊張してしまう。
何を話したらいいんだろう?
無言のまま時間だけが過ぎていく。

沈黙に耐えきれなくなったのか、トオルくんがタバコに火をつける。

「トオルくん。タバコ吸うの?」
「ああ」
「いつから?」
「去年からかな?」
「ダメじゃない!」

気付いたら、トオルくんが吸っているタバコを取り上げていた。
トオルくんは、私の咄嗟の行動にビックリしていた。

「あのねぇ、サオリちゃん。オレだって、もう二十歳ハタチ過ぎてるんだぜ。子供じゃないんだ」

冷静さを保ちながらトオルくんが言うと、私は自分がやってしまった行動に後悔しつつも。

「でも、タバコは・・・ 良くないでしょ?」
って、下手な言い訳をしてしまった。

すると、その言葉を聞いたトオルくんは、急に顔の表情が変わった。

「へぇ、優しいんだ。サオリちゃん、オレの体を心配してくれてるの?」
「別に、そういうわけじゃ‥‥」

言ってしまって、トオルくんを誤解させちゃったかな〜って思い、すぐに訂正する。

「違うの。別に“心配”?とか、そーいうことじゃなくて‥もう、何て言ったらいいのかな?」
パニックになった私をトオルくんは、そんなに気にしてない様子だった。

「ねぇ、サオリちゃん」

トオルくんが、イタズラっぽい目をして私に話しかけた。

嫌な予感。

「オレの愛人にならない?」

ア・イ・ジ・ン?

「あいじん」って、あの「愛人」のことだよね?

ど どどうしよう。
トオルくんに言われると、リアル~!
こんな時、何て言ったらいいの~?

「ト トオルくん。あのね、そういうのは・・・・・・」

私が言いかけた時、トオルくんの肩が小刻みにプルプルと震えた。

え‥‥‥?

「冗談だよ」
トオルくんは、ふっと笑って応えた。

「クククッ(笑 サオリちゃんを”愛人”にするわけないだろっ?」

トオルくんは、笑いを堪えながら、否定した。
そして、もう我慢が出来ないよっていうふうに、爆笑した。

「可愛い〜! 本気ホンキで考えてくれてる(笑‥あははっ!」

私は、カーッと赤面して穴があったら入りたいほど恥ずかしくなった。

「やっぱ、サオリちゃんをからかうと面白いなぁ」
「ふ ふざけないでよっ!」

ちょうどその時、リョウちゃんが戻ってきた。

「何 話してた?」

酔いを醒まして戻ってきたリョウちゃんが、私たちを見て話しかけてきた。

「何って、”普通”に話してただけだよ」

トオルくんは、冷静さを装ってリョウちゃんに返答していたけど。

”普通に”?
もうっ!トオルくんの嘘つき。

「トオル。あんまりからかうなよ。この子、まだ”お子ちゃま”だから~」
「”お子ちゃま”じゃないっ!」

2人とも、高校の時と全然変わってない。
でも、このちょうど良い距離感が、何だか心地よかった。

ちょうどその時、ガランとドアが開いて、ユウコが店内に入ってきた。

「ごめん、ごめん!遅くなっちゃって」

ユウコが来たので、私たちは4人が座れるテーブル席へ移動した。
リョウちゃんが、現像した写真を鞄から出してみんなに見せると、真っ先にユウコが写真に飛びついた。

「アタシが撮った写真、綺麗に撮れてるじゃない!プロが撮ったみた〜い」

初めてのリョウちゃんとのツーショット写真。

「成人式」の時の私とリョウちゃんが写っている写真を見て、ユウコはテンションが上がっていた。
それから数分間・・私たちは、リョウちゃんが撮ってくれた写真にしばらく見入っていた。

「何、飲む?」

トオルくんが聞くまで、飲み物を注文するのも忘れていた。

「じゃぁ、アタシ”カシスオレンジ”ね」
「何、それ?美味しいの?」

聞き慣れない名前に好奇心が湧いて、思わず向かいの席へ身を乗り出して聴いていた。

「うん。アルコールは低めだから、ジュース感覚で飲めるわよ」

へぇー。
美味しそう。

「サオリも、”それ”飲みたい」

そう言った瞬間。

「サオリは駄目だよ」
って、リョウちゃんに止められた。

「何で?」
「『何で?』って、まだ二十歳になってないだろ?」
「後、二ヶ月したらサオリも二十歳だよ」

そんな私たちのやり取りを見てトオルくんが、横から口を挟んだ。
「少しくらいならいいだろ?」

でもリョウちゃんは、厳しい口調できっぱりと言った。

「”少し”でもアルコールが入ってるんだから。ダメだ!普通のジュースで」
「ケチ~!自分は、先に二十歳になったからって」
「二十歳になったら飲ませてやるよ」

何よ。子供扱いして。

って、ちょっとムカついたけど、その日が来るのを楽しみに待つことにした。

「ホント?じゃぁ、約束だよっ!」

「今、何時?」

リョウちゃんが、手元の時計を見ようとしたら、トオルくんがそれに応える。
「もう、8時半だね」

「ヤバっ!そろそろ帰らなきゃ」

リョウちゃんは、急に慌てて席を立ち上がろうとする。

「リョウちゃん、何か用事でもあるの?」
「ううん、そうじゃなくて」

リョウちゃんは、首を横に振ってから。
「君を9時までに家に帰さないと」って、私の方を向いて言った。

え?
門限は、なかったはずだけど‥‥‥?

「・・まだ大丈夫。遅くなったら後でウチに電話かけるし」
「ダメだよ。あんまり遅くなるとオレが、君のお父さんに叱られる」
「何で、リョウちゃんがうちのお父さんに叱られるのよ?」

何だかリョウちゃん、雰囲気変わった?
それに、前は「君・・・」なんて、言わなかったじゃない。

「リョウ!まだいいじゃないか」
って、どこまでも甘々なトオルくんと。

「せっかく4人揃ったのにさ〜・・・ アタシが来てまだ30分しか経ってないのに・・・」
と、少し残念そうなユウコ。

「来るのが遅いんだよ」
トオルくんは、イラっとした感情をユウコにぶつける。

「アタシは仕事で遅くなったんだからね。あんた達みたいに”ヒマ”じゃないんだからねっ!」
ユウコも負けじと言い合いになった。

さっきまでの楽しい時間が一気に重たい空気になった時。

「じゃぁ そういうことで」

リョウちゃんは、私を急かすように立ち上がると、すぐに店を出た。
私もすぐさま、後を追いかける。

店を出ると、リョウちゃんがすぐにタクシーを呼んで、私と一緒に乗りこんだ。
そして、運転手さんに目的地だけ伝えると、一言も会話がなくなりそのまま私の家の前で一緒に降りた。

何か、少し様子が変・・・?

リョウちゃんは、「じゃぁな」って。
それだけ言うと、何も言わずに帰って行った。

それから数か月・・・──────。
季節は、秋から冬に移り変わろうとしていた。

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#創作大賞2024 #恋愛小説部門


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