15年ぶりのビジネスクラスで気づいたこと。私にとっての「最高の座席」とは
「身軽に生きる」をモットーに、モノや執着を手放す暮らしを実践している私だが、去年、夫のマイル修行に同行して約15年ぶりにビジネスクラスに乗る機会があった。
過去の「ラッキービジネス」体験以来、ずっと憧れていたカーテンの向こう側の世界は、確かに快適だった。しかし、小柄で少食、酒も飲まない私にとってのビジネスクラスとは。「足るを知る」というミニマリズムの真髄に気づかされるフライトになった。
忘れられない、過去2回の「ラッキービジネス」
私は、これまでの人生で2度「ラッキービジネス(エコノミーからの無償アップグレード)」を経験したことがある。
1度目は28歳のとき。新婚旅行で乗ったエミレーツ航空のフランクフルト・ドバイ間だった。そして2度目は32歳、夫の海外赴任でシカゴへ渡る時のことだ。搭乗口で待っていると、「⚪︎⚪︎さま〜」とカウンターへ呼び出された。ドキドキしながら向かい、航空券を渡すと、目の前でビリッとちぎられ、真新しいビジネスクラスのチケットを手渡されたのだ。あの瞬間の喜びたるや、今でも鮮明に思い出せる。
そんな魔法のような世界を知って以来、エコノミーに乗るたび、カーテンの向こう側を想像しては「今頃、ビジネスの人たちはウェルカムドリンクを飲みながら優雅に過ごしているんだろうな」と、少し羨ましい気持ちで座席に収まっていた。
いざ15年ぶりのビジネスクラスへ
そんなラッキービジネス体験から約15年。 私はついに、正規に購入したビジネスクラスの座席に座ることになった。きっかけは、夫が始めた「マイル修行」だ。
韓国、台湾、沖縄と、1泊2日の弾丸フライトに同行させてもらう中で、一度だけビジネスクラスを体験させてくれたのだ。路線は羽田ー台北間。久しぶりのビジネスシートは、やはり格別だった。座席は広く、ゆったりとくつろげて、とにかく体が楽。短い路線だったこともあり、「まだまだ乗っていたい」と心から思える素晴らしいフライトだった。
少食でお酒も飲まない私に、ビジネスの恩恵はあるのか?問題
しかし、機内食の時間が始まると、私はある現実的な問題に直面した。「食事が多すぎて、食べきれない」のである。
私は少食で、お酒も飲まない。今回は幸いにもすべての料理が一気に出てくるスタイルだったためペース配分ができたが(コースのように一品ずつ運ばれてくるタイプだと先が見えなくて本当に怖い)、それでも最後のデザートの頃にはお腹が苦しくて仕方なかった。
せっかくの豪華な食事も、自分の胃袋のキャパシティを超えてしまえば、優雅な時間どころか「残してはいけない」という苦行に変わってしまう。 ふと、「はたして今の私に、ビジネスクラスの恩恵は十分にあるのだろうか?」と考えてしまった。(「残してはいけない」という気持ちを手放せばいいのだが、やはり残すこと自体に罪悪感を感じてしまう…)

「足るを知る」最高の心地よさはプレエコにあった
そんな私が「これは最高に心地よい!」と感じたのが、少し前に乗ったプレミアムエコノミーだった。
エコノミーよりも少しだけ広くて、食事も良い感じ。気負うことなく、それでいてちょっとだけリッチな気分を味わえる。自分の身の丈と胃袋のサイズに、一番フィットしている感覚があった。小柄ゆえに、座席が少し広いだけで十分と感じる。
そもそも、飛行機は「安全に目的地まで運んでくれること」が最大の価値なのだから、エコノミーだって十分すぎるほどありがたいのだ。「上を見ればキリがないけれど、自分にとっての『ちょうどいい』を知る」。15年ぶりのビジネスクラスは、私にそんな「足るを知る」の精神を教えてくれた、とても良い経験だった。
