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【僕の女性体験談】ナンパした洋子

  久々の今回は、人生唯一の「真剣な一目惚れナンパ」のお話です。「人生唯一のナンパ即ハメ」マナミが真剣でなかった訳ではありませんが、あれはあれでヤリモクと言われても仕方がないものでしたが、今回の洋子は、今でも「人生最大の恋」と思うほどの衝撃でした。1話完結です!

出会い

  洋子との出会いは、僕が浪人生活を終え、大学生活を満喫し始めた夏頃でした。場所は大学から少し離れた繁華街の書店でした。もちろん、僕はナンパ目的で出てきた訳ではありません。それまでの人生でナンパなどしたことがありませんでした。
  書店で初めて洋子を見かけた時、僕の中に衝撃が走りました。まさに僕の好みのど真ん中、一目惚れでした。色白で黒髪、素朴な顔立ちとおとなしめな洋服…。決してモデルやアイドルのような、皆からモテるようなタイプではない、そんな姿でした。
  普通なら、このまま見知らぬ者同士で終わっていきますが、僕にはそれが堪えられないというか、想像できませんでした。そうして僕の中に「これはもう、声をかけるしかない」という考えが浮かんだのでした。

自己紹介

  もちろんそれまでにナンパなどしたことはありません。やり方なんて全く分かりません。ですが、声をかけなければ、このまま終わってしまう。僕は思いきって洋子に声をかけました。
「あの…すみません…」
『はい…?』
「すみません、突然…。あの、何とお伝えすればいいのか分からないんですが、あなたのこと、すごくかわいらしいと思ってしまって…ごめんなさい」
『えっ…?笑』
「本当にすみません💦でも本当に、何と言っていいのか…。でも、こんなことする目的でいた訳でないことだけは事実で…自分でもビックリの行動で…」
『そうですよね(笑)、ここ、本屋さんですもんね』
と、こんな感じの会話だったと思います。結局、洋子は僕のことを受け入れてくれて、お話できるようになりました。
  お互い自己紹介すると、洋子は大学受験を控えた浪人生でした。まさに一年前の僕の姿です。僕は余計に恐縮してしまいました。「そんな大切な時期にごめんなさい」と。そして結局、僕からの提案として「会うにしても、予備校の行き帰りの電車内だけ」ということで、洋子も了承してくれました。

あどけない交際

  こうして、二人のドラマのようなあどけない「交際」がスタートしました。当時は携帯なんてありませんから、次に会うのは○日後と約束し、待ち合わせというより、僕が洋子の予備校の前だったり、予備校に最寄りの駅だったりで待つ形でした。
  そんななかでも、洋子は僕に気を遣ってくれました。最寄り駅で会って、すぐに電車に乗らずにドトールに立ち寄ってくれたり、洋子の自宅最寄り駅で降りた後に「本を借りたいから」ということで図書館に寄ってくれたり。一度は、途中下車して河川敷を散策までしてくれました。
  その河川敷では、「合格したらディズニーとか行きたいね」と話したり、写真も撮らせてくれました。一枚だけでも僕は幸せだったのですが、洋子が「一枚だけじゃつまらないから」と言って、ポーズを変えてもう一枚撮らせてくれました。ポーズといっても、一枚は棒立ち(もちろん笑顔)、もう一枚はピースサインというだけでしたが、洋子の心遣いが嬉しかったです。

疲れや不安

  しかし、そんな関係は長くは続きませんでした。一ヶ月もしないうちに、洋子の表情から、明らかに疲れや焦り、不安といったものが感じ取れるようになりました。会話も極端に減りました。
  当然だと思います。浪人生という大切な時期。まして洋子は、いわゆる難関国立大学志望でした。志望だけなら誰でもできるのですが、少なくとも僕は、それらの大学は志望にすら至らなかった。そんな洋子にとって、僕との時間というのは、無駄以外の何物でもありません。

お別れ

  僕はお別れを決心しました。お別れと言っても「お別れしよう、終わりにしよう」なんて言える程の関係性ではありません。僕は、ある日の電車の中でも、そっと「本当に今までごめんなさい。ありがとう」とだけ伝えて、別の車両に移りました。
  それで洋子が後を付いてきたかというと、もちろんそんなことはありませんでした。一応、洋子の降りる駅で、僕もホームに降りてみましたが、洋子はそのまま改札の方へと消えて行きました。それを最後に洋子の姿を見ることは二度とありませんでした。
  このお話は、僕のシリーズの中でも最古のもの、もう30年ほど前の話です。当時は携帯なんてありませんので、もう連絡の取りようはありませんでした。受験がどうなったのかも知りません。
  僕が望むのは、月並みですが、洋子が無事に志望校に合格し、その後も現在に至るまで、どこかで誰かと幸せな人生を送っていて欲しいということだけです。はかなかったからこそ、僕の人生で最大の恋だったと今でも思います。テレビ番組でよくある「あの人に会いたい」みたいな企画で、もしも僕が希望を出せるのなら、迷わず洋子を選ぶ。そんな女性でした。【完】

    

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