雪山で。痛みを知る冬の土曜日
恒例になった『スキー場のリフトにふくらはぎをぶつける件』。昨日のスノボでは、無事ふくらはぎを守りきった。2回学んだ成果だろうか。しかし、冬のゲレンデを決して甘くみてはいけない。
リフトに乗る前から、今日はリフトの写真を撮っておこうと決めていた。何も起こってないのにnoteに書く気満々である。
リフト乗り場に並び、山から降りてくる無人のリフトがギュインと回る速度に絶句した。速い。速すぎる。こんな高速回転は見たことがない。一気に緊張が増す。前に並ぶ夫と次女の背中を見つめ、2人は無事リフトに乗れるのか?あのイスに突き飛ばされたりはしないのか?と、不安になりつつ何も起こらないことを案じる。2人とも慌てた感じではあったが無事座れたのでほっとする。次は自分と長女の番だ。リフトは後方から高速で攻めてくる。「脚のばしてーっ!」私は長女に、ふくらはぎをぶつけないよう叫ぶように言った。もう他に何かを考える余裕はなく、とにかく必死にタイミングを合わせてイスに座る。ドスンっと座るとはこのことか、というくらいドスンっと座った。とにかく無事成功。体中に安堵が広がった。それにしてもボードに乗る前から疲れを与えてくるリフトはやっかいだ。
すっきり晴れ渡る青空と真っ白なゲレンデ。その素晴らしい景色を眺めるより先に、私はすれ違うリフトの写真を撮りまくった。noteのための写真撮影である。太陽とゲレンデが眩しすぎて、きちんと撮れたのかわからないが、これで画像の確保はできたぞと満足する。リフトで失敗することを願っていないのに、気持ちはほくほくしていた。

高速回転などしない穏やかなリフトに見える
はじめてのゲレンデ。上級者コース以外は急斜面でもなだらかでもなく、丁度良い斜度である。横にバーンと広く、今季はまだオープンしたばかりだというのにそこまで混雑もしていない。北の遠くに雪のベールをかぶった山脈が、南の遠くには空とつながった海が見えた。

遠くの雲の下に山が連なっている

林の向こうの空の下に広大な海が
リフト降り場はなだらかな坂になっていた。長女に「ボードから外してる足を板の真ん中に乗せてスーッと降りれば大丈夫」と説明すると、長女は一発で上手に降りていた。私は降りるのがとにかく苦手だ。教えることはできても自分でそれを実践できない。なんとか転ばないように、後ろの人の邪魔にならないように毎回必死で降り場から逃げている。そしてリフトに乗ること3回目、上手に降りる長女の横でついにバランスを崩した私。娘を軽く突き飛ばし自分はなんとか持ちこたえる。突き飛ばされた娘は必至に態勢を保とうとしたものの、敢えなく転倒。可哀そうに……。娘が笑って許してくれたことに心から感謝する。
そして恒例のランチタイム。ゲレンデからの日差しが入り、明るくて暖かくほのぼのした雰囲気の広い食堂。清潔感があってなかなか良い。私は前回同様カレーをチョイス。長女はいつものうどん。スノボよりランチタイムを楽しみに来ている次女は、やはりいつものハンバーグカレー。ちなみに夫もハンバーグカレー。次女はカレーの前にフライドポテトを平らげていた。食欲旺盛なのはいつものことである。
カレー800円に対して、ハンバーグカレーは1,300円。ハンバーグだけで500円増しなので期待が高まる。

しょっぱくないカレーで良かった

一口もらったらふんわり柔らかくて美味だった

かつお節ってそのまま入れるもの?
ビッグハンバーグのカレーを次女が食べ終えるのを待っていると、見覚えのあるモノが目に入った。私と同じニット帽だ。私より若い男性が同じモノをかぶっている。帽子を脱いでいた私は、同じニット帽をかぶって隣に並んでみようか、と知らない人へのドッキリ作戦を思いついた。でも、誰も面白がらないだろうし、男性にとっては迷惑この上ない行為だ。私は彼がいなくなってから1人静かにそっと帽子をかぶった。
スノボ午後の部1回目のリフト。乗り場の安全を監視する人が、ベテラン風のおじさんから素人風の若い女性に変わっていた。高速回転してくるリフトにも慣れ始め、ふくらはぎもぶつけていなかった私は、すっかり油断していた。若い女性にどうぞと言われて前に進み、リフトを待つ立ち位置に止まろうとして見事に足を滑らせた。すってんころりんだ。
転んだ瞬間、高速で攻めてくるリフトと、リフトを止めようとしない素人風の若い女性が頭の中に見えた気がした。とにかく迫りくる高速リフトに激突しないよう慌てて起き上がり、リフトを振り返る間もなくドスンッとリフトのイスに腰を下ろした。とりあえず成功。よじったお腹に痛みを感じたが、大事にならなくて良かったと胸をなでおろす。
スノボは楽しむものであって、痛みを体験するためのスポーツではない。だが、冬のゲレンデは頼んでもいないのに痛みも教えてくれる。その経験から次は気をつけよう、もっと上手くできるように頑張ろう、と人は成長していくのだろうけれど、痛いのはもうイヤだな。
とにかく家族全員、ゲレンデにいる全員が、ケガなく痛みなく楽しい時間を過ごせるといいな、とリフト降り場で次々に転ぶ人たちを見ながら思った次第である。
