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モネの睡蓮に包まれて │ 豊田市美術館で過ごす静かな時間

ーひたる。光に。モネに。ー
そんな広告の言葉に惹かれて、フランスの画家クロード・モネの展覧会へ足を運んだ。

豊田市美術館で開催中の「モネ 睡蓮のとき」
ありがたいことにチケットをいただいていたので週末の午後、混雑を覚悟で美術館へ向かった。

人々を引きつける美しい建築

ずっと訪れてみたいと思っていた豊田市美術館。
建築家・谷口吉生による設計で、その凛とした直線美と端正な佇まいは、写真で見て憧れていた以上の迫力だ。

近づくにつれダイナミックに姿を現す建物に
思わず足が止まる
「もう、外観だけで満足かもしれない…」
そんな気持ちになりながらも、建物の周りをぐるりと歩いて楽しんだ後、いよいよ展示室へ

光と色彩の魔術師、モネ

今回の展覧会では、モネの晩年の大作を中心に、パリ・マルモッタン・モネ美術館から50点が来日。

モネは、ジヴェルニーに邸宅を構え、自ら手がけた庭園を題材に、睡蓮やアイリス、アガパンサス、藤棚や太鼓橋などを繰り返し描いた。
水面に映る空や木々の景色は、絵の前に立つだけで心を奪われ、思わずその場に立ち尽くしてしまった。

展示は第1章から第4章まであり、第3章の楕円形の展示室では写真撮影が可能。
壁を覆うように並ぶ大画面の睡蓮に囲まれると、本当に〈睡蓮の世界〉に浸っているような感覚になった。

睡蓮 1916-1919年頃
睡蓮 1914-1917年頃
睡蓮の池 1917-1919年頃


晩年、白内障が進行し、形を捉えることが困難になっていたモネ。
それでも光と影を頼りに、時に叩きつけるように力強く描かれた筆の跡からは、恐れや葛藤までも滲み出ているように感じた。

何を描いているのか一見わからない作品であっても、不思議とその場から離れがたい。
「光と自然と水面が一体となり、小宇宙を表現している」という言葉を思い出し、まさに“小宇宙”という表現がピッタリ当てはまる気がした。

モネは庭の池を、朝昼晩、四季折々、あらゆる光の下で見つめ続けていた。
同じ風景であっても、二度と同じ姿を見せない自然の移ろいを、執念のように描きとめたモネの姿勢に圧倒された。

絵を「知って」から観るおもしろさ

これまで私は、絵を前にして「すごい」「きれい」「いいな」と、直感的に楽しむだけだった。
それでいいじゃん!と思っていた。
けれど、画家の人生や制作背景を知ってから向き合うと、作品の奥行きがぐっと深まる。
時を経ても人の心を揺さぶる理由が、少しだけわかった気がする。


展示を堪能した後も、美術館の魅力は続くのが嬉しい。

光が射し込んで美しい廊下
どこを切り抜いても絵になる
人工池に浮かんでいるかのように見える建物は、反対側の小道を登ると全貌を写真に収めることができる

建築と美術の両方を味わえた、8月の終わり。
週末の午後3時頃、帰る時点でもまだ多くの人で賑わっていたけれど、平日なら少し落ち着いて鑑賞できるかも?

「モネ 睡蓮のとき」は、9月15日まで。
次はどの美術館へ出かけようか、そんな楽しみも生まれた一日に感謝。



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