コトバンクで伊和・和伊辞典、西和・和西辞典を引いてみる
イタリア語、スペイン語はオンライン辞典が非常に充実しています。
オンライン辞典のまとめ記事は既にいくつかあり、特によくまとまっているのが以下のサイトです。
イタリア語
イタリア語オンライン辞書
スペイン語
使いやすいスペイン語のオンライン辞書を紹介(日西/英西/西西辞書)
語学初心者にとってまず必要となるのは、信頼に足る伊和辞典・西和辞典です。
実は、辞典の横断検索サービス「コトバンク」では、定評のある伊和辞典・西和辞典を無料で利用できます。本記事では、コトバンクで実際にどのように辞典を引けるのか、操作画面のキャプチャを示しながら紹介していきます。
伊和・和伊辞典
コトバンクは株式会社DIGITALIO(デジタリオ)が運営する辞事典の横断検索サービスです。無料でありながら収録辞典数は国内最大級で、伊和・和伊辞典と西和・和西辞典も利用することができます。
小学館『伊和中辞典 2版』『和伊中辞典 2版』
コトバンクでは小学館『伊和中辞典 2版』と『和伊中辞典 2版』を利用できます。伊和・和伊辞典として信頼できる選択肢は事実上この2冊に限られるので、最良の辞典を無料で利用できるということです。
コトバンクの検索方法は2種類あり、デフォルトでは一つの検索ワードで、全ての辞典を横断検索します。もう1つは、予め検索する辞典を絞り込む方法で、イタリア語を調べる場合は「伊和」または「和伊」をプルダウンで設定してから検索します。なお、プルダウンはスマホ画面では表示されず、デスクトップモードでしか表示されないことに注意が必要です。
試しに、casa(家)を引いてみます。画像は「すべて」の辞典を設定した際の検索結果です。5番目に伊和中辞典の結果が出ているので、この文字をクリックします。

クリックした先ではこのように表示されます。

伊和中辞典は、語源の記載が充実している点に特色があり、語義、用例、成句と続いた末尾に語源が記されています。casaはラテン語そのままの形が今も残っていて「小屋」「あばら家」が原義、と書かれています。

次に、検索する辞典を予め絞り込む方法を紹介します。まず、コトバンクのトップ画面では絞り込むためのプルダウンが存在しないので、トップ画面以外の部分に遷移しておく必要があります。プルダウンを常に操作できるように、トップ画面ではなく、「事典・辞書の一覧」の画面をブックマークしておくことをおすすめします。
プルダウンをクリックすると、日本語と、外国語事典を引くための選択肢が表示されます。

プルダウンを「伊和」に設定し、casaを再検索した結果がこちらです。casaという見出し語が最初に表示され、格段に探しやすくなりました。
また、語釈、用例の中にcasaが含まれる見出し語も同時に表示されています。

次に、プルダウンを「和伊」に設定し「家」を検索してみます。
「~家」という表現と、「家」そのものを示す見出し語が表示されています。コトバンクは、見出し語検索と本文内の全文検索を同時に行っているため、このような検索結果となるようです。

次に、少し変わった検索方法を試してみます。
プルダウンを「伊和」に設定した状態で「家」を検索するとどうなるでしょうか。
この検索方法では、全文検索機能によって、語釈に「~家」が含まれる「著述家」「朗吟家」「愛好家」「財務家」といったイタリア語を探すことができます。

この反対に、プルダウンを「和伊」に設定した状態で「casa」を検索してみます。「戸戸」「帰宅」「空き家」「自宅」という見出し語が表示されました。
このように、本来の使い方とは少し異なる方法で検索することにより、新たな角度から言葉を眺めることができます。

西和・和西辞典
小学館『西和中辞典 第2版』『和西辞典』
小学館の『西和中辞典 第2版(2007年)』は中辞典ながら見出し語8万語を誇ります。現代最高峰の西和辞典は白水社『スペイン語大辞典(2015年)』ですが、学習用としての機能も兼ね備えたものとしては『西和中辞典 第2版』が非常に優れています。
小学館『和西辞典』については網羅的なレビューを探すことができませんでしたが、2014年発売ということで現代スペイン語の新しい用法も収録されている点が特長のようです。
先ほどと同じように、まずはプルダウンを「すべて」の状態でsiesta(シエスタ、昼寝)を検索してみます。外来語として既に定着していることもあり、西和・和西以外の辞事典を含め多数ヒットしました。西和中辞典の見出し語は9番目に表示されています。

siestaの語源欄には以下のように書かれています。
[←〔ラ〕(hōra) sexta「(日の出から数えて)第6(時)」(大体正午に相当);[関連]sexto, seis]
つまり、siestaは元々「6番目の時間帯=真昼」という意味で、やがてその時間帯に取る昼寝・休息そのものを指す語になったということです。西和中辞典も、語源欄、関連語欄が充実しているのが特長です。

次に、siestaを「西和」で検索してみます。検索結果の2番目にsiestaが表示されています。この他にも多数の見出し語が表示されていますが、siestaと全く関係のない言葉が表示されている気がします。推測ですが、siesとtaが見出し語あるいは本文に含まれるものを全部表示していることが原因ではないでしょうか。

「和西」で「昼寝」を検索してみます。
検索結果は2件で、「昼寝」という見出し語のほかに「健康」という語句もヒットしました。「健康」の見出し語の中に、「長い昼寝は健康に良くない」という例文があり、その例文がヒットした結果です。


先ほどと同じ要領で、「昼寝」を「西和」で検索してみます。
興味深い単語が見つかりました。canónigaには「昼食前の昼寝」という語義が書かれていますが、初めて読むと違和感のある表現です。siestaとはどのような点で異なるのでしょうか?
実は、スペイン語の「昼寝」には2種類の表現が存在し、昼食後の昼寝と、昼食前の昼寝が区別されています。
簡単にまとめると、
siesta = 昼食後の昼寝、siesta del carnero = 昼食前の昼寝、canóniga = siesta del carneroと同義だがcanónigaはより口語的
このような区別です。全文検索機能によって、思わぬ発見がありました。

「和西」でsiestaを検索してみます。1番目に「昼寝」が出てくるのは問題ないとして、その他の語句がなぜヒットしたのかよく分かりません。通常とは異なる検索方法によって、思わぬ発見が生まれる場合もあれば、このようにピントのズレた検索結果となってしまうこともあるようです。

まとめ
本記事の要約です。
コトバンクでは、小学館の伊和・和伊辞典、西和・和西辞典を無料で利用できます。
プルダウンで検索対象の辞典を絞り込むと、目当ての語句を探しやすくなります。
見出し語検索と全文検索が同時に行われるため、本来とは異なる言語の組み合わせで検索すると、思わぬ発見を得られる場合があります。
その一方で、検索の工夫には限界があり、無関係な語句がヒットすることも多々あります。
