確率思考の戦略論の『プレファレンス』に集中せよとは!
プレファレンスに集中せよ!は、売上向上のためにはプロダクト(製品・サービス)よりもブランドが圧倒的に重要であるという核心を提示しています。
消費者の脳は、まずブランドを選択し、その後にプロダクトへと進む構造になっているため、ブランドが選ばれなければ、どんなに素晴らしいプロダクトも消費者の目に触れる機会すら得られないのです。
例えば、ビールを選ぶ際も、まず脳がキリンを選ぶことで初めて「一番搾り」というプロダクトが選択肢に入ります。
同様に、トヨタのブランドが選ばれなければ、プリウスというプロダクトを選ぶことはできません。
人間の脳は激務で疲れ切った優秀なサラリーマンに例えられ、その処理能力には限界があります。
そのため、日々の何千もの判断を「省エネ」で行うよう進化してきました。
この脳の情報処理には3つの構造的特徴があります。
重要性でふるいにかけること
自分にとって重要でない情報は遮断されます。
例えば、車を重要でないと判断する若者には、どんな車の広告も響きません。
大きなところから選択すること
脳は詳細な選択肢ではなく、より大きな概念から判断しようとします。
旅行の計画を例にとると、旅行カテゴリーの選択から始まり、
次に海外旅行か国内旅行か、さらに行きたい国といったように、
段階的に大きな選択から絞り込まれていきます。
最終的にプロダクトの選択に至る前に、脳はカテゴリーの選択、
そして「ブランドの選択」を無意識のうちに行っているのです。
ランダムに選択すること
脳は疲弊しないために、サイコロを振るかのように「ランダム」にブランドを選んでいます。
個人の購買行動は、購入候補(通常3つ前後)の中から、それぞれのブランドが持つ「プレファレンス」に基づいて選択されます。
例えば、ある消費者がビールを買う際、アサヒに50%、キリンに30%、サッポロに20%のプレファレンスが割り振られている場合、その比率でランダムに選ばれます。
この個人のランダムな選択の結果はポアソン分布という確率分布に従います。
一方で、社会全体では、ブランドが選ばれることでさらに選ばれやすくなる
成功が成功を呼ぶ構造があり、これはガンマ分布と呼ばれます。
例えば、公共の場所にゴミが一つ捨てられると、さらにゴミが捨てられやすくなる現象などがこれに該当します。
これらの市場の本質は、個人のポアソン分布と市場全体のガンマ分布が、
すべて消費者のプレファレンスによって決定されるというもので、
これは負の二項分布(NBDモデル)という数式で表されます。
このモデルは、人間の脳の情報処理構造が共通しているため、様々な商品カテゴリーに普遍的に適用される「真理」であるとされています。
この数式を活用することで、精緻な市場分析や将来予測が可能となり、
ビジネスにおける意思決定に役立てることができます。
マーケティング戦略において、私たちが努力を集中すべき変数は「プレファレンス」「認知」「配荷」のたった3つしかありません。
この中でも、ビジネスの最大ポテンシャルを決定づけるのは消費者の
プレファレンスでこのプレファレンスが売上を増やすための最も重要
かつ決定的な変数であると強調されています。
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