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金曜の夜に、静かにほどけていく心の話。

小さな避難所で心をほどく時間

金曜の夜というのは、不思議だ。
ただの夜なのに、どこかに特別な息づかいがある。
その隙間に、人はそれぞれの“自分だけの時間”をそっと置き直していく。

街は浮き足立ち、週末という名の逃げ道を探している。
そのざわめきの中で、人はふっと力を抜く。
“生きた一週間”が、ようやく静かに降りてくる時間だ。

働き続けたあなた。
家事と育児に追われたあなた。
学校で踏ん張ったあなた。

それぞれの一週間があり、
それぞれの息継ぎの夜がある。


私の一週間は、仕事と介護と子育てがごちゃまぜに渦巻いている。
金曜の夜だからといって、状況は変わらない。
今日も介助があり、明日も同じ日が来る。

それでも、人間は張り詰めたまま生きてはいけない。
どこかで、神経を解いてあげないと壊れてしまう。
だから私は、金曜と土曜の夜だけは“心を放つ場所”をつくる。

それを私は
家キャン(家でキャンプ)心の避難所
と呼んでいる。


縁側に置いたリクライニングの椅子。
小さなテーブル。
窓の外に沈む夜。

そこで、お酒をひと口。
喉から胸に流れる温度が、全身の強張りをほどいていく。

日中ならコーヒー。
金曜の夜ぐらいは、少しだけ頑張った自分に甘くなる。
ゆっくりと椅子にもたれ、暗い空と風を眺める。

途中途中で両親の様子を見に行くから、完全な自由ではない。
けれど、この数分、この十数分が、私には十分だ。
世界を保つには、この“わずかな静寂”で足りるのだ。


足元を見ると、リラックマの小さな人形がこちらを見ている。
その無垢な表情が、妙に羨ましい。

「おまえはいいよなぁ……」

本気で呟いた瞬間、胸の奥で何かが緩んだ。
むしろ私がリラックマになりたい
そんな冗談を、誰に言うでもなく吐き出して、少し笑った。


最近導入したキャンプ用の椅子は背中を優しく支えてくれる。
姿勢よく座るのは、幼い頃の合気道の名残なのかもしれない。
金曜の夜ぐらい、肩の力を抜きたい。
その願いが、この椅子を選ばせた。

“いつもの場所”も、椅子ひとつで見違えるほど変わる。
たったそれだけで、心の温度が一段あがる。


金曜の夜というのは、不思議だ。
ただの夜なのに、どこかに特別な息づかいがある。
人はこの夜に“自分だけの物語”を取り戻していく。

あなたは金曜の夜に、何をしていますか?
もし、日々に押しつぶされそうなら
どうか、自分のための“小さな避難所”をつくってほしい。

人生は、こういう場所で持ちこたえている。
静かな夜の底で、心は少しずつ回復していく。

そして夜がふけていくなか「ばかみたい」がずっと流れてる
龍が如くの中の歌、ゲーム内の歌とは思えない。

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EX-FAX-CE | NOTE執筆家
「ロスジェネ氷河期的視点 ― 情に生き、言葉で立ち上がる」
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