星降る夜のセレナーデ 第55話 陰謀
小池さんのアドバイスを元に音のミックスをやってみる。確かに良い感じになった気がする。先生も喜んでくれた。
やがてDVD用の音楽は完成して、CDへ記録した。
これで納品できるし、いろんな事が進歩したように感じる。
仕事を終えた二人はリビングへ出てきた。
「真人くん、完成したCDを明日届けてもらえないかなあ?」
「はい、いいですよ、じゃあ明日出版社の小池さんへ届けてきますね」
「ありがとう、よろしくね、ロードスターで行くんだろう?」先生は含み笑いをしている。
志音ちゃんは少し不思議な顔をして先生をチラッと見た。
「はい…………そうですね…………」俺は行く車の事を確認されて少し不思議になった。
夜になって志音ちゃんから電話がかかって来る。これまで志音ちゃんから電話が来た事はなかったので不思議な気がした。
「モヒくん、明日バイクで行ったら」
「えっ、なんで?」
「パパの陰謀があるから!」志音ちゃんは少し不機嫌そうだ。
志音ちゃんがパパと呼んだ事に、何かあるんだろうなと思った。
「そう、分かった、じゃあハーレーで行くよ」
「うん、それがいいよ」志音ちゃんは少し機嫌が良くなった。
翌日俺はハーレーで東京を目指す。久々にバイクに乗ったので気持ちよかった。
出版社へ到着すると、小池さんが待っていてくれた。
「真人くん、遠くまでお疲れ様」そう言ってCDを受け取ってくれた。
「こちらこそ、色々と教えていただきありがとうございました、お陰で助かりました」深々とお辞儀した。
「実はお客さんが待ってるんだよね」そう言って会議室へ案内される。
不思議に思ってついていくと、真美さんが待っていた。
「えっ、どう言う事ですか?」俺は不思議に思って小池さんを見る。
「先生から聞いてないの?」今度は小池さんが不思議そうな顔をした。
「何も……………」俺は首を傾げる。
「そう言うことか…………」小池さんは頷くとニッコリした。
「二人で話した方がいいからって、真美ちゃんとドライブする事になってるよね?」
「えっ?何も聞いてませんけど」俺はさらに首を傾げる。
「私からお話しします」突然真美ちゃんが立ち上がった。
「あのう………俺バイクで来たんでドライブは出来ません」先生がロードスターで行くのを聞いたのはそう言う事なのかと思った。
「ドライブは出来なくてもいいんです、何処か近くのカフェでもいいです」真美さんは頷いた。
「はあ……………」何がどうなってるのか分からないが、とりあえず話を聞くしかなさそうだ。
二人で小池さんへ会釈し、近くのカフェへと向かった。
