星降る夜のセレナーデ 第119話 思い出の場所
翌朝志音ちゃんを迎えに来た。今日の志音ちゃんは随分大人っぽくなったように感じる。先生と美夜子さんはテラスから手振って見送ってくれた。
「志音ちゃん、どこへ行きたい?」
「うん、湖とひな祭り、あの思い出の場所」ニッコリと微笑む。
「了解!」俺は車を走らせた。
「葵 姫名か……………」俺はポツリと呟く。
志音ちゃんはチラッと俺を見ると、話し始めた。
「ママがモヒくんの作った曲をネットで送ってくれたの、そして歌詞を考えてみたらって言ってくれた。だから頑張って書いてみたんだよ。出来たらママに送ったの、そしたらここはもう少し考えてみたらってアドバイスしてくれた。何度も書き直してやっとママの合格が出たんだ」
「そうだったんだ、俺は初めてあの歌詞を読んだ時、どうしてこんなに俺の気持ちを分かってくれる歌詞を書いてくれたんだろうと思って、不思議だった。そして涙が止まらなかった。特にサビの『会いたくて、恋しくて』と繰り返される所は何度聞いても涙が溢れた」
「そう、あのサビは志音の気持ちをそのまま書いたの」
「志音ちゃん……………」俺は言葉を無くした。
「志音はずっとモヒくんの曲に寄り添って歌詞を考えていたんだよ」
「そうなんだ、ちっとも知らないで俺一人だけ寂しいんだと思ってた」
「そんな訳無いでしょう、志音もずっと寂しかったよ」
俺は片手で志音ちゃんの手を握りしめた。
「あれ?」志音ちゃんは少し不思議な顔をしている。
「この車はオートマチックなんだ、シフトレバーを変えなくてもいいんだ、だからドライブの時ずっと手を繋いでいられるよ」
「そうなんだ、いい車だねえ」志音ちゃんは嬉しそうに俺をみた。
「もうすぐ聞こえるよ」
「灯をつけましょぼんぼりに〜♪……………」道路からメロディが聞こえて来る。
志音ちゃんはメロディに合わせながら歌っている。俺は心がポカポカと温かくなった。
ダムへ到着すると、懐かしい場所を歩いた。
「ここだったね」志音ちゃんは立ち止まる。
「そうだねえ……………」
2人は向き合って少し長くキスをする。
俺は前の感触と少し違うことに気がつく。志音ちゃんは身長がまた伸びたようだ。そして、2つの圧力が主張している。俺はハッとした。
慌てて志音ちゃんから離れる。
「どうしたのモヒくん?」首を傾げた。
「いや………あのう………ドキッとしちゃって」志音ちゃんの胸の辺りを見てしまう。
「あ〜!!、モヒくんがHな目で志音を見てる」頬を膨らした。
「だって、前と違ったから驚いちゃって………………」
志音ちゃんは思わず笑い出した、
「モヒくん、志音はもう18歳だよ、大人の女になったんだよ」上目遣いで見ている。
「だよね…………」俺の体温は急上昇した。
「でも、心はまだ昔のままかも………………広い心を持った大人の女性になるまで待っててね」
「俺は…………いつも志音ちゃんの側に寄り添っているよ」頷く。
「愛してる」志音ちゃんは俯きながら恥ずかしそうに言った。
「俺も愛してる」志音ちゃんを強く抱きしめた。
