星降る夜のセレナーデ 第126話 二人のセレナーデ
映画の音楽は無事に納品できた。
「真人くん、お疲れ様」美夜子さんは優しく微笑んでくれた。
「モヒくん、お疲れ様」志音ちゃんも微笑んでくれた。
リビングを見渡すと思わず寂しくなる。
「私、もうロンドンへは行かないわ、もう少しで卒業だったけど………………」
「どうして?」美夜子さんが切なそうに呟く。
「だってママとモヒくんの寂しそうな顔を見てたらロンドンなんて行けないわよ」少しだけ笑った。
「そうね…………私がもっとしっかりしなくちゃね」美夜子さんも力なく笑った。
「俺は大丈夫だよ……………」志音ちゃんに言った。
「顔にそうは書いてないわよ」少し呆れた表情でみている。
「………………」
「モヒくん、しっかりしてよ!」志音ちゃんに怒られた。
俺は自分の不甲斐なさに項垂れる。
そうだ、俺がしっかりしなければと心から思った。先生の気持ちを考えても、俺はこの家族を守らなくてはいけないと強く思った。
「志音ちゃん、俺と結婚してくれ、そして俺をこの家族に入れて欲しいんだ、先生の大切なこの家族を守りたいんだ!」
「モヒくん………」志音ちゃんは固まっている。
「志音ちゃん、もうモヒくんって呼び方をやめたら」美夜子さんが微笑んだ。
志音ちゃんはゆっくり頷くと俺を見つめる。
「志音でいいの?真人さん………」そう言った。
「志音さんがいいんです」俺は力強く頷いた。
新たな3人での日常が始まった。時間は止まる事なく流れていく。
映画はとても好評だ。先生のセレナーデは多くの人の心に響いたと感じる。
可愛かった志音ちゃんは少しだけ怖くて優しい志音さんへと変わって行く。
そして怒った時だけ『モヒくん!』そう呼ばれる。
そんな日常が俺は嬉しい。
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読んでいただきありがとうございました。
あなたの貴重な時間をこの物語に使っていただいたことに深く感謝します。
