MA*RSの"姫ギャル"復刻と"地雷系"ファッションの進化
止まる事を知らない平成リバイバルブーム(Y2K)の波は、ついに15年前の"姫ギャル"ファッションまでもを復活させる事になった。
地雷系ブランドの老舗であるMA*RS(マーズ)は
2025年5月20日に、かつて同社が"姫ギャル系"路線で展開し、女子たちの間で伝説的な人気を誇っていた"パフューム柄"&"幾何学バラ柄"の復刻アイテムを発売すると発表し、翌日21日には想像以上の人気によって即完売となった。

MARS復刻アイテム
かつてMARSが展開していた姫ギャル系アイテムというのは"セクシーさ"を売りにしており
時代的にも"痩せ=正義"の共通意識が現代以上に強かったため
"そもそも痩せている子しか着れない"というシルエットの服が当たり前であったが
この復刻アイテムはオーバーサイズのパーカーになっており
体型を気にせず着れる&露出をせずセクシーな可愛さを演出するという、姫ギャルを卒業したアラフォーママ世代やZ世代のゆるふわ体型女子でも着て楽しめ、懐かしさを維持したまま現代の価値観に寄り添い、汎用性を高めたアイテムとなっていて、実に計算され尽くした見事なデザインだ。

15年前の姫ギャル全盛期当時は存在しなかった。
"平成ギャル"ブームは5年前から"平成レトロ"というフレーズと同時にジワジワと加熱してはいたが
最初は90年代の"ルーズソックス"や"スクールバッグ"、"LOVE BOATのミラー"や"アルバローザのショッパー"といった"コギャル"文脈に準えるものが主であった。

そこから徐々に2000年代の浜崎あゆみが流行らせた"フォックスファーの尻尾"や、デコ電、デコミラーなどが注目され

しまむら系列店のアベイルからはエゴイストやセシルマクビーのコラボアイテムが発売されたりと


00年代の初頭のギャルカルチャーにもフォーカスが当てられていったが
ヤマンバギャルのようなリゾートファッションや、ポスカを使ったド派手なメイク
age嬢などのつり眉、小悪魔メイクや盛り髪といったものは、あまり再ブームの兆しが見えず
それらの00年代ギャルカルチャーをすっ飛ばして今いきなり2010年代の姫ギャルが最注目されている。

姫ギャル系ファッションというのはギャル文化のカテゴリの中でも特殊な立ち位置にあるファッションであり
"ギャル"であると同時に"地雷系"でもある。
その複雑な背景を可能な限りわかりやすく解説したいと思う。
まず、地雷系というのは、ご存知の通り"地雷女子"のファッションである。
メンタルが不安定であったり、自傷癖があったり"関わると厄介な子"という意味で使われだした名称であるが
初期の"地雷系"というのは90年代〜2000年代初頭におけるゴスロリ(ゴシック&ロリータファッション)のユーザーが多く
ミサ系と呼ばれる宗教色の強いヴィジュアル系バンドを崇拝したりしているタイプが主であったが

それと夜職系(キャバ嬢)女子、いわゆる雑誌でいう「小悪魔ageha」や「Betty」などの小悪魔ギャルやage嬢などが合流する形で次第に誕生して
2010年あたりにブレイクしたのが地雷系という系譜上で語られる上での「姫ギャル」であった。
(もちろん姫ギャルが全員メンヘラという意味ではない、あくまで当時は姫ギャル=地雷と呼ばれていたという事実がある事だけ知っていただければ幸いである。)

2006年創刊
姫ギャル系ファッションはギャルメイクや盛り髪といったギャルビジュアルの記号をおさえながらも
ファッションはバラやリボンを過剰にあしらったお姫様風、つまりロリィタ界隈に近いセンスで組み合わされており
姫ギャル系ファッションブランドは主に
・Jesus Diamante(ジーザスディアマンテ)
・La Pafait(ラパフェ)
・Princess Melody(プリメロ)
・MA*RS(マーズ)
などがあるが
まず、Jesus Diamante(ジーザスディアマンテ)とLa Pafait(ラパフェ)は姫ギャル系の中でも
ロリィタファッションに近いブランドであり
ベルサイユ風・ロココ要素が強いのが特徴である。

名物社員でECモデルもこなす茜さん

黒系アイテムもあるが、メインは淡いピンクやホワイトが基調であり、ぶりぶりの可愛い系路線である。
それに対してMA*RS(マーズ) は、ガッツリとクール&セクシー系、お姉さんギャルスタイルの中に、エッセンスとしてお姫様要素が加わったスタイルが特徴で
黒×ピンクの配色アイテムを強みとし
ゼブラ柄にバラ柄をMIXするなど
甘辛を巧みに演出した"可愛いだけじゃない"姫ギャルとして圧倒的な人気があった。


Princess Melody(通称プリメロ)はMA*RSの姉妹ブランドで、黒のマーズに対して白のプリメロという立ち位置なため、マンテやラパフェ寄りのマーズと解釈して良い。
そんな姫ギャル系の再ブームは日本よりも先に韓国で火がつき
韓国のインフルエンサーが姫ギャルルックを披露したり

韓国発のギャル服ブランド「Babymetalclub
」が2024年の5月に新作ルックとして姫ギャルアイテムを発売し、夏には日本でもPOP UPを開催

eggモデルである瀬戸ももあや中村恵李花も同ブランドのモデルに起用されジワジワと加熱していった。
ちなみに筆者の私も2024年は3月にMARSの姫ギャル復刻を懇願するツイートをしたり

5月には、古のMARSを全身買い揃えて親友と姫ギャルルックで遊ぶなど、個人的にも姫ギャルブームがきていた。

フードコートのペッパーランチに



2024年はそんな感じでジワジワと姫ギャルに対する需要が高まりつつあった年で
それがMARSの耳にも入ったのか
2025年、ついに満を辞して姫ギャルアイテムの復刻発売となったわけだ。
1年越しではあるが、こうして公式がファンの声に応えてくれたというのは実に喜ばしい事だ。
思うが、やはり"ギャル"でありながら"地雷系"でもあるというのはターゲット層が広くて強いと思う。

流行っている地雷ファッション
いわゆる"ぴえん系"
(画像はリズリサ)
リズリサやアンクルージュなども、元はお姉さんギャル&バンギャファッションの有名店でありながら時代の流れを経て
量産型や地雷系、ホス狂いファッションといったカテゴリに移行していったが
現在も、店舗数は全盛期に比べて減少し限られたにしろ根強い人気があり
長年ブランドを維持し続けているという点においては完全消滅していった渋谷109系のギャルブランドよりも地雷系寄りブランドの方が存続しやすい理由があったり、安定した顧客がいるのだろうと考える。
そう分析すると、今後は地雷系ブランドが
かつてのギャル路線復刻版アイテムを出して
"ギャルにも地雷系にも刺さる服"がより可愛いとされ若者の注目を集めていくかもしれない。
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