【中小企業診断士2次試験】結果発表 採点AIで“自己評価と実得点の差分”を可視化
こんにちはFabneaです。
中小企業診断士2次試験の結果が出ましたね。
受験された皆さん、本当にお疲れ様でした。
結果を確認して、「もう少し点が伸びていれば」「どこで差がついたのだろう」と感じている方も多いのではないでしょうか。2次試験は記述式であるがゆえに、自己採点と実際の得点との間に差が生じやすく、その理由が分かりにくい試験でもあります。
本記事では、AIによる採点結果と実際の得点を比較しながら、その差分がどこから生じたのかを整理しています。合否そのものに焦点を当てるのではなく、自分の得点との差を正確に理解し、今後の学習にどう活かすかという視点で読み進めていただければと思います。
2次試験で一番つらいのは「理由が分からない」こと
中小企業診断士2次試験の結果で分かるのは、
「点数」だけ です。
どこが評価されたのか
どこで減点されたのか
どう直せば点が伸びるのか
これらは一切、示されません。
その結果、多くの受験生が次の状態に陥ります。
自分なりに書いたつもりなのに、
何が足りなかったのか分からない。
「自己評価」と「実得点」のズレが問題
学習が停滞する最大の原因は、
努力不足ではありません。
自己評価と、採点者評価の差分が見えていないこと
ここが曖昧なまま学習を続けると、
同じミスを繰り返す
改善ポイントがずれる
答案が安定しない
という悪循環に入ります。
採点AIを作った目的
私は現在、
「中小企業診断士 2次試験 採点AI」 を展開しています。
👉 公開中のnoteはこちら
目的はシンプルです。
自分の答案が「どの水準にあり」、
「どこで点を落としているのか」を言語化すること
今回紹介するのは、こんな使い方です
今回は、実際のやり取りの一例を紹介します。
流れは以下の通りです。
自分の再現答案を入力
採点AIによる評価
実際の得点を入力
「どこで差が生じたのか」をAIに質問
重要なのは、
点数の高低ではなく「差分」 です。
まずは、答案をそのまま採点した結果
最初に、令和7年度事例Iの答案だけをAIに入力して採点しました。
🔍 採点AIの回答(原文そのまま)
総合得点:88点
【問題1】 木製知育玩具の新規事業に進出した際の A 社の現状について、SWOT 分析のそれぞれの観点から、30 字以内で述べよ。
【得点】 18/20
【回答】
問題1_S: 高い木材加工技術、木材を確保できるネットワーク
問題1_W: 消費者との顧客接点がなく、知育玩具の企画経験もない
問題1_O: 木育のニーズが高い、林業関係の公的団体の活動が活発
問題1_T: 内装材市場の公共案件の不安定化、知育玩具の既存製品
【解説】
S(強み)、O(機会)、T(脅威)については、与件文から的確にキーワードを抽出し、簡潔にまとめられています。特に、Sでは「高い木材加工技術」と「木材を確保できるネットワーク」を、Oでは「木育ニーズ」と「公的団体の活動」を、Tでは「内装材市場の不安定化」と「競合製品」をしっかりと捉えられています。
W(弱み)については、「消費者との顧客接点がなく、知育玩具の企画経験もない」と、消費者向けビジネスの経験不足に言及できており良いですが、与件文にある「既存事業を支えてきた社員たちは新規事業の必要性を十分には理解できなかった」という点に触れられていませんでした。社員の新規事業への理解不足も重要な弱みの一つです。
【改善方法】
弱みとして、消費者向けビジネス経験不足に加え、新規事業に対する社員の理解不足にも触れると、より高い点となります。具体的には、「消費者ビジネス経験不足、社員の新規事業への理解不足」などとすると良いでしょう。
【問題2】 A 社が木製知育玩具の新規事業を展開する際に、顧客との接点を作るために行った取り組みや工夫について、150 字以内で説明せよ。
【得点】 30/30
【回答】
①直営店や県のアンテナショップに加え大手ECサイトへの出店、②SNSを活用した情報発信、③県や公的団体の主催するイベントへの出店、④県内の保育園や幼稚園などでの実証実験、⑤地元の大学とのワークショップにより、教育熱心な子育て家庭との接点を強化するとともに、製品の開発サイクルを加速させた。
【解説】
非常に優れた解答です。与件文に記載されている顧客接点を作るための取り組みや工夫を網羅的に挙げられており、さらにその目的や効果(教育熱心な子育て家庭との接点強化、製品開発サイクルの加速)まで明確に記述できています。特に、ECサイトへの出店、SNS活用、イベント出展、実証実験、大学とのワークショップという多角的なアプローチを具体的に提示できており、150字という字数制限の中で高い完成度を示しています。
【改善方法】
特になし。提案の具体性・実現可能性のさらなる追求ができており、非常に優れた解答です。
【問題3】 A 社社長は、木製知育玩具の新規事業を成長させていくに当たって、全社的な組織改革を検討している。それに対して、採用すべき組織体制とその理由に関して 100字以内で助言せよ。
【得点】 17/20
【回答】
新規事業を独立した事業部としその配下に営業、製造、管理を持つ組織とする。理由は、既存事業とは、思考やスキルセットが異なり調整稼働を減らし、スピード感を出すと共に権限を委譲し、次の経営者を育成する。
【解説】
組織体制として「新規事業を独立した事業部」とすることを提案しており、顧客別事業部制に近い考え方を示せています。その理由として「既存事業とは、思考やスキルセットが異なり調整稼働を減らし、スピード感を出す」という新規事業の特性と、「権限を委譲し、次の経営者を育成する」という次世代リーダー育成の必要性に触れられており、与件文の社長の課題意識を的確に捉えています。
一方で、事業部制の理由として重要な「利益責任の明確化」や「経営資源の効率的な配分」といった観点への言及が不足しています。また、新規事業に必要な「専門人材の採用・育成」について、事業部内で独自に行うという点も加えられると、より充実した助言となります。
【改善方法】
組織体制の理由として、「利益責任を明確化し、限られた経営資源を効果的に配分できる」という観点を加えると、より高い点となります。また、「各事業部で専門人材の採用・育成を行うことで、市場変化への迅速な対応力も確保できる」といった具体性のある理由付けをすると良いでしょう。
【問題4】 A 社は、木製知育玩具の新規事業を拡大させるに当たり、自社の創業以来の企業理念をどのようなものへと再定義したり、それを関係者に浸透させたりすればよいのか。150 字以内で助言せよ。
【得点】 23/30
【回答】
現状の企業理念を拡大し、木の大切さを次世代につなげて行くものにすることが重要である。関係者に①木の大切さが失われつつあること②子供の世代に木の大切さを伝える取り組みの社会的意義を感じてもらえるようにする。ベテラン社員にも、子供たちと触れ合う機会を作ることで生の声に触れ取り組みの重要性を感じてもらう。
【解説】
企業理念の再定義の方向性として、「木の大切さを次世代につなげて行く」という点で、新規事業である「木育」の観点を取り入れた再定義を提案できており適切です。浸透方法についても、「社会的意義を感じてもらう」という目的意識を示し、特に「ベテラン社員にも、子供たちと触れ合う機会を作る」という具体的な社内浸透策を提示できている点は非常に評価できます。これは、既存社員の新規事業への理解不足という弱みを解消する上で有効なアプローチです。
しかし、再定義の具体的な内容として「木育」や「心の豊かさの醸成」といったキーワードを明示するとさらに明確になります。また、関係者への浸透方法について、社外(林業の地域連携、県の広報媒体、SNS活用など)へのアプローチや、社内(社長による対話、人事評価制度への連動、表彰制度など)におけるより多角的な施策にも触れられると、さらに網羅性が高まります。
【改善方法】
企業理念の再定義として、「木育を通じた、未来を担う子どもの豊かな心と地域社会の創造に貢献する」といった、より具体的な言葉で再定義すると良いでしょう。また、浸透方法としては、社外向けに「県の広報媒体やSNSを通じて、地域資源活用の使命や木育をPRする」、社内向けに「社長自ら対話機会を設け、理念を人事評価制度に連動させる」など、具体的な施策を複数提示すると、より高い点となります。
【総評】
・現状分析力:問題1では、SWOTの各観点において的確な分析ができています。特に強み、機会、脅威は与件文の情報を漏れなく抽出できており優れています。弱みで社員の理解不足に触れられなかった点が惜しいですが、全体としては高い分析力を示しています。
・課題設定力:問題3の組織体制、問題4の企業理念浸透といった、与件文で社長が抱える課題を正確に捉え、解決すべきテーマとして設定できています。問題提起の背景理解が深いです。
・提案力:問題2の顧客接点に関する提案は、多角的なアプローチと具体的な効果まで言及できており、非常に高い提案力です。問題3と4においても、課題に対する方向性は適切ですが、もう少し具体的で網羅的な施策提示ができると、さらに説得力が増します。
・表現力:全体的に分かりやすく、簡潔にまとめられています。箇条書きの活用や、文字数制限の中でポイントを押さえる能力も高く評価できます。論旨が明確で、採点者にとって理解しやすい文章構成です。
・より高得点を狙うためのポイント:与件文のキーワードをより意識的に活用し、各問題の観点に合わせた具体的な表現を増やすと良いでしょう。特に組織体制や理念浸透策では、多角的な視点からより具体的な施策やその効果まで言及することで、提案の深みと説得力が増します。
この時点で、
どこが評価されているか
どこが惜しいか
どこを直せば伸びるか
が、設問ごとに整理されてはいます。ただ、実際の得点とAIの計算した得点が大きく異なっていました。
実得点を入れて、もう一段深く聞いてみる
次に、実際の得点 を入力し、
次の質問を投げました。
実際にAIへ投げた質問
「実際の得点は、67点だったのですが、
どの辺りで減点されたのでしょうか?
また、改善方法の具体的なアドバイスをお願いします。」
点数差から見える「本当の課題」
この質問に対するAIの回答が、
今後の学習に直結する部分 です。
🔍 採点AIのAI回答(原文そのまま)
ご質問いただきありがとうございます。
AIによる採点結果(88点)と実際の得点(67点)には、確かに差がありますね。AIの採点基準と実際の試験の採点基準が異なる場合や、AIが「改善の余地」として指摘した点以外にも、より厳しく評価されるポイントがあった可能性があります。
以下、AIの解説と改善方法を基に、減点された可能性のある箇所と、それを踏まえた具体的な改善アドバイスを問題ごとにまとめました。
問題1:SWOT分析(AI評価:18/20点)
AI評価での減点ポイント
W(弱み)について、「消費者との顧客接点がなく、知育玩具の企画経験もない」という点には触れられていましたが、AI解説で指摘されている「既存事業を支えてきた社員たちは新規事業の必要性を十分には理解できなかった」という点に触れられていませんでした。この部分で2点減点されたと推測できます。
実際の得点が低い原因として考えられること
AIが指摘した「社員の新規事業への理解不足」への言及漏れに加え、SWOTの各項目で、与件文からのキーワード抽出に留まり、A社の事業背景との関連性や、それがどのような影響を及ぼすかの分析がさらに求められていた可能性があります。
具体的な改善アドバイス
・W(弱み)として、「消費者ビジネス経験不足」に加えて、「既存社員の新規事業への理解不足」も明記し、弱みを網羅する。
・S、O、Tについては、単語の羅列ではなく、A社の状況と関連付けて簡潔に説明を加える。
例:
【S】高い木材加工技術(高品質な製品製造に貢献)
【O】木育ニーズの高まり(新規顧客層獲得の機会)
【T】内装材市場の公共案件不安定化(既存事業へのリスク、新規事業への注力必要性)
問題2:顧客との接点作り(AI評価:30/30点)
AI評価での減点ポイント
AIは「特になし。提案の具体性・実現可能性のさらなる追求ができており、非常に優れた解答です。」と満点評価をしています。
実際の得点が低い原因として考えられること
AI評価では満点ですが、実際の試験で67点という結果になっていることを踏まえると、この問題でも何らかの減点があった可能性は否定できません。AIが「改善の余地」として「提案の具体性・実現可能性のさらなる追求」を挙げていることから、実際に記載された施策(ECサイト、SNS、イベント、実証実験、ワークショップ)について、
・実施の目的
・具体的な内容
・期待される効果
といった点について、さらに具体性や深掘りが求められていた可能性があります。
具体的な改善アドバイス
実施した施策(①~⑤)について、それぞれどのような顧客層に、どのような意図で、どのような内容で実施し、それによってどのような効果に繋がったのかを、より明確に表現する。
問題3:組織体制(AI評価:17/20点)
AI評価での減点ポイント
理由として「利益責任の明確化」「経営資源の効率的な配分」「専門人材の採用・育成」といった観点への言及が不足していました。
具体的な改善アドバイス
新規事業を独立した事業部とし、利益責任の明確化、経営資源の集中配分、専門人材の採用・育成まで言及する。
問題4:企業理念の再定義と浸透(AI評価:23/30点)
AI評価での減点ポイント
企業理念再定義の具体性不足、および社内外への浸透策の網羅性不足。
具体的な改善アドバイス
「木育」などの具体的なキーワードを明示し、社内向け・社外向けそれぞれの浸透施策を整理して記述する。
全体的な考察とアドバイス
AI評価(88点)と実際の得点(67点)には差があります。
これは、与件文の深読み、論理構成、表現の具体性・網羅性といった点が、より厳しく評価された可能性を示唆しています。
これらを踏まえ、今後の学習では、与件文を徹底的に読み込み、なぜその分析・提案が有効なのかを常に意識しながら、具体的かつ網羅的な回答を目指してください。
差分が分かると、学習が変わる
このやり取りから、次のことが分かります。
✅ 減点されやすいポイントが明確になる
与件キーワードの拾い漏れ
理由付けの不足
観点の偏り・網羅性不足
✅ 「方向性は合っているが足りない」部分が分かる
何を足せば点になるのか
どこまで書けば評価されるのか
採点者が見ている視点
✅ 次にやるべき学習が具体化する
どの設問タイプを重点的に直すか
どのキーワード整理が不足しているか
どの視点が毎回抜けているか
採点AIは「答えを教えるツール」ではありません
この採点AIは、
模範解答を覚えさせる
テンプレを押し付ける
ものではありません。
自分の答案と採点者評価のズレを把握するためのツール
です。
こんな方に使ってほしい
点数が毎回安定しない方
自己採点と実得点が合わない方
どこを直せばいいか分からない方
学習の方向性に不安がある方
最後に
2次試験対策で一番重要なのは、
「自分の答案が、なぜその点数なのかを説明できること」
だと考えています。
採点AIは、
そのための材料を提供するツールです。
👉 採点AIはこちら
点数との差分を正確に理解し、
次の学習のお役に立てれば幸いです。
