北斗の拳についてあれこれとⅡ
このOPの「うっとうしい敵が次から次へわいて出てケンシロウがうんざりして座り込んでる」みたいな図がいつ見ても笑ってしまう
前回の話の続きで
この北斗の拳というお話は連載直前まで少年サンデーで人気を博してた雁屋哲先生原作、池上遼一先生作画の「男組」「男大空」の2作品の影響を多分に受けておりまして
おまけに敵役の造形などは同じ雁屋哲先生原作の「野望の王国」(全長4メートルくらいの大男が普通にいる)なんかとも類似点があったりしますので色んな所から類似性を指摘する声があったんですが
この雁屋哲先生と「北斗の拳」の原作者の武論尊先生が一時同じ雑誌(少年サンデー増刊号)で連載を持っていた
ことなどはあまり語られてないですね
ちなみにこの時、少年サンデーは「漫画原作者養成」企画やってまして、読者に漫画原作者のお仕事の内容を丁寧に紹介してたんですね
そん時にお手本として紹介されたのは雁屋哲先生の方でした
何たる屈辱(?)だよね、武論尊先生はその時「史村翔」名義で匿名性を保持せなあかんかったという事情があったんで紹介されても困るんだろうけど
そしてジャンプの方でタッグ組んだ原哲夫先生は熱狂的な雁屋哲・池上遼一タッグの信奉者だったらしいし、武論尊先生の心中は荒野のように荒れ狂ってたことを想像してしまいます
私の中で「北斗の拳」という物語は十段のピラミッドに例えると
最初の1段から4段までは雁屋哲先生が築き
5段目から7段目までは池上遼一先生が築き
8段目は武論尊先生が築き
9段目は原哲夫先生が築いて
10段目を読者に委ねた
ということになるんではなかろうかと思ってます
さて、それではそんな「北斗の拳」のどこも語ってない起源についてお話しましょう
時は1981年、少年サンデーは雁屋哲原作・池上遼一作画の「男大空」が絶賛連載中で「男のハードアクション!」的なジャンルでは無双状態でした
そんな「熱い男のハードな生き様」に憧れてサンデーを買う読者に目をつけたのが映画会社のワーナーブラザース、もうすぐ公開予定の「マッドマックス2」をこの読者層に売り込もうとしてサンデー誌の巻頭カラー特集でマッドマックス2を大宣伝いたしました
「見よ!!これぞ雁屋哲が想像し池上遼一が紡いだ世界そのまんまの世界観の映画だぞ!!」とばかりに
これが「北斗の拳」の起源です、間違いありません
あの時の少年サンデーです
これが私が「北斗の拳」の土台は雁屋哲先生が作ったと確信持って言う根拠です
そして、前書いたようにその2年後、ハードアクションに行き詰まった雁屋哲先生は「美味しんぼ」を連載開始、武論尊先生は若手育成のためジャンプに呼び戻されて「北斗の拳」を連載開始します
武論尊先生は読み切りとか一話完結のお話が得意で、ちょっと言いにくいですが読んだ人が語るあらすじの段階が一番面白い話を作ります(梶原一騎、小池一夫の二大巨頭の直の後輩にあたる立場的に読者と彼らの作る世界観の橋渡しとしての役回りと考えるとこちらが最適解なんですね)
対して雁屋先生は長編が得意で話を引っ張ってキレイに落とし所を作るのが芸術的に上手いのでどの作品も読んだ後が最高のお話を作ります、つまり梶原・小池ラインの劇画路線にいかにもっと文学作品のようなダイナミックさを与えるかに長けている人です
「北斗の拳」の原作者に向いてるのは雁屋哲先生の方なんですよね(武論尊先生「美味しんぼ」向き)
そんな理由で私の中では「北斗の拳」はラオウ(これぞまさに雁屋漫画にしか出てこないような巨漢の剛の者)が出てきた時は「あれ?原作が雁屋先生に代わった?それとも雁屋先生と武論尊先生は同一人物だったの?」と思ったもんです
そこからリンとバットが成長した第2部は「体制の抑圧に反発する自由な若者」という雁屋節になるしカイオウ倒されるとこまでは完全に武論尊テイストなかったですね(個人的にこの頃が長編ながら話がすっきりまとまってて一番好きです)
さて、この「大河ロマンとしての北斗の拳」に移行する時のキーマンになる登場人物は
武論尊先生がモデルと言われてるジャギです
私はずっとバットのモデルが武論尊先生だと思ってましたが
(あちこちの雑誌に漫画載せるからコウモリみたいなヤツで「バット」)インタビュー読むとジャギらしいです
ん?待てよ
それではその後に出てくるラオウは・・大先輩の梶原一騎先生?じゃトキは?
となってトキというのは鳥の名前で・・・
雁屋先生?
ってなるんですよ
(トキは不治の病に侵されてて不治の病の代表と言えばガン、雁はガンとも読むわな)
トキ自体が雁屋先生の「男大空」の登場人物の丸パクリですからね
そんなこんなで私の中では「北斗の拳」の連載途中で原作者が入れ替わって武論尊先生は雁屋先生の代わりに「美味しんぼ」の原作書いてたんじゃねーか?と思ったりしてます
ジャンプ編集部は若くしてレインメーカーとなった原哲夫先生を池上遼一先生みたいな大巨匠に育て上げたいのでもし仮に武論尊先生と雁屋哲先生が入れ替わるような事態になっても良い経験になるとして嫌な顔せんかったでしょう
関係ないとは思いますが「美味しんぼ」で巨万の富を得た雁屋先生は何故か「北斗の拳」の連載終了と同時の1988年に奇しくも「マッドマックス」シリーズの舞台であるオーストラリアのニューサウスウェールズへと引っ越します
このシンクロニシティについてはおそらく「北斗の拳」史上最大の謎ですね
最終回のリンとバットのお話なんだけど武論尊先生が史村翔名義で書いた「ファントム無頼」の栗原の妹夫婦の話とまるきり一緒ですんでw ここは間違いなく武論尊先生なんですね
でも、都合よく各キャラの記憶がぶっ飛びまくる展開はあったかな・・・?
いや、あったぞ?
あれ、アレ史村翔さんだったかな?
あれ?あれ?あれれれれれれr?
というわけで次に続きます
