「復活」か「終焉」か | Intelが見せた二面性とNVIDIA提携の真意
2026年1月23日、東京の朝。私は自作の決算分析アプリを見ながら目を疑った。
Intel Q4 2025 の決算だ。
💡 Intel Corporation $INTC Q4 2025決算 2026-01-22
— FabyΔ (@FABYMETAL4) January 22, 2026
💰 今四半期業績
- 🟢 EPS:$0.15 (予想$0.08)
- 🟢 売上高:$13.67B (予想$13.39B)
📊 重要指標
- 🔴 CCG (Client Computing Group) 売上高:$8.2B (YoY-7%)
- 🟢 DCAI (Data Center and AI) 売上高:$4.7B (YoY+9%)
- 🔴 調整後粗利益率:37.9%… pic.twitter.com/Oigee2ZvGT
売上高$13.7B、コンセンサス上回る。
Non-GAAP EPS $0.15、予想$0.08を87.5%上回る。
粗利益率も140ベーシスポイント上振れ。
今期の数字だけ見れば、文句のつけようがない好決算だ。
しかし、決算発表から数時間後、株価は15%以上急落した。2024年8月以来、最悪の下落幅だ。
というのも、Intelが発表したQ1 2026ガイダンスは、市場コンセンサスを約$300M下回る$11.7B〜$12.7Bだった。さらにCFO David Zinsnerは決算説明会でこう述べた。
「供給問題が2026年の売上機会を制限する可能性がある」
市場は好決算ではなく、このガイダンスと供給制約に反応した。しかし、Intelを十数年追ってきた私は、この下落の中にむしろ投資機会を感じていた。
なぜか。
本稿では、Intel Q4 2025決算の「二面性」を読み解く。なぜ好決算が売りを招いたのか。Diamond Rapidsの「簡素化戦略」とNVIDIA提携は何を意味するのか。そして、DIGITIMESがサプライチェーン筋の話として報じた「NVIDIAがFeynmanアーキテクチャでIntelとの協業を暫定的に確定」というニュース。長期投資家にとって今が「買い時」なのか「待つべき」なのかを、技術的・財務的観点から分析する。
決算の二面性: 好決算が売りを招いた理由
EPS予想を87.5%上回る好決算。なのに株価は15-17%下落した。
この矛盾の中に、Intelの本質的な課題と可能性が凝縮されている。
表面: 予想を上回った数字たち
Q4 2025決算の数字を整理しよう。
売上高は$13.7Bで、前年同期比4.1%減ではあるものの、市場コンセンサス$13.6Bを約$34M上回った。Non-GAAP EPSは$0.15で、予想$0.08を大幅に超えた。粗利益率も37.9%と、会社ガイダンスを140ベーシスポイント上回る水準だ。
セグメント別に見ると、注目すべきはDCAI(データセンター・AI)事業だ。売上$4.7Bで前年同期比9%増。クラウドおよびエンタープライズ向けの需要が堅調だったことを示している。
一方、CCG(クライアントコンピューティング)は$8.2Bで7%減。PC市場の成熟化を反映している。
現金および短期投資残高は$37.4B。流動性に不安はない。
これだけ見れば、「悪くない決算」どころか「良い決算」だ。
では、なぜ市場はこれほど激しく売ったのか。
裏面: Q1ガイダンスが示した現実
答えはQ1 2026ガイダンスにある。
Intelは次の四半期の売上を$11.7B〜$12.7B、中央値$12.2Bと発表した。市場コンセンサス$12.51Bを約$300M下回る水準だ。
さらに深刻なのは、CFO David Zinsnerの発言だ。
「歩留まりは供給を満たすには十分だが、適切な水準のマージンを確保するには不十分だ」
この発言は二重の意味を持つ。
一つは、製品は作れるが、利益率は圧迫されるということ。もう一つは、需要に対して供給が追いついていない可能性があるということだ。
実際、CEO Lip-Bu Tanも決算説明会で、供給制約により需要を完全に満たせていない状況を認めている。

市場の反応は正しかったのか
市場の反応を検証しよう。
短期的には、確かに懸念材料は多い。Q1ガイダンスの弱さ、供給制約、粗利益率低下(Q1見通し34.5%)。これらを見れば、売りたくなる気持ちは理解できる。
しかし、長期投資家として見るべきポイントは別にある。
DCAI事業が9%成長しているという事実。これは、Intelがサーバー市場で一定の競争力を維持していることを示す。確かにAMDにシェアを奪われ続けてはいる。Q3 2025時点でAMDのサーバーCPU市場シェアは27.8%まで上昇した。しかしIntelは依然として72.2%を維持している。
供給制約は一時的な要因だ。歩留まりが改善すれば解消する。CFOも「歩留まりは2026年末に目標水準、2027年に業界標準に達する見込み」と述べている。
短期の数字と長期のトレンド、どちらを見るべきか。
長期投資家にとって、答えは明らかだ。では、その長期のトレンドを理解するために、Intelが進める製品戦略の転換を見ていこう。
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