絵本「さみしん坊とつくしんぼ」
ある日、つくしんぼの街に、さみしん坊が咲きました。
つくしんぼたちは、まっすぐ太陽に伸びて、背伸びします。
さみしん坊は、あっちへ向いたりこっちへむいたり、大忙し。
「あなたの体に、虫がついてますよ」
「あなたの地面は水たまりだけど、冷たくないですか?」
「あ、カラス!危ない」
さみしん坊の心配など、なんのその。
つくしんぼたちは、まっすぐ太陽に伸びて、背伸びします。
さみしん坊は、あっちへ向いたりこっちへ向いたり、大忙し。
「今日は、空が青いですね」
「今朝は、小鳥がたくさん鳴いている」
「今夜は、まんまるお月さま」
さみしんぼは、毎日おしゃべりです。
つくしんぼは、まっすぐお月さまに伸びて、背伸びします。
さみしん坊は、あっちへ向いたりこっちへ向いたり、大忙し。
だけど、つくしんぼたちは、振り向きません。
さみしん坊は、黙って下を向きました。

すると、地面にいた、ミミズが言いました。
「どうして、あっちへ向いたりこっちへ向いたり、しているの?」
さみしん坊は、言いました。
「どうして、みんなは、まっすぐ伸びて、背伸びするの?」
ミミズは「ウフフ」と笑います。
さみしん坊は、さみしくなりました。
つくしんぼたちは、なんのその、空に向かって背伸びします。
さみしん坊が、まっすぐ前を見ていると、葉っぱについたしずくに顔がうつりました。
げじげじ頭のまんまるお顔。
さみしん坊は、とってもさみしくなりました。
つくしんぼたちが、ざわざわおしゃべりしても、さみしん坊には、分かりません。
さみしん坊は、とっても、とっても、さみしくなりました。

さみしくて、下を眺めていると、欠けたボタンが言いました。
「どうして、そんなにさみしいの?」
さみしん坊は、しくしく泣きました。
欠けたボタンが、言いました。
「ここは僕の居場所じゃないけど、みんなみんな、静かでやさしいよ」
さみしん坊は、前を向きました。
そこには、まっすぐ伸びて、背伸びするつくしんぼたち。
さみしん坊は、少し寂しくなくなって、つくしんぼの真似をします。

まっすぐ向いて、背伸びして、空にグンっと背伸びする。
さびしん坊は「きもちがいいな」と言いました。
雲の動きかぞえて、1、2、3、深呼吸
「なぁーんだ、ちっともさみしくないや」
にっこり笑顔になりました。
そこには、静かなさみしん坊に、見上げる空が待っています。
1、2、3、深呼吸
【あとがき】
私の中でさみしん坊が咲きました。
そんな時は、何をやっても寂しい気持ちが消えません。
誰しもが、自分と同じ価値観や仲間が欲しいと、感じてるいるのじゃないかと思います。
大人になると、友達を作るのが難しくなります。しかし、話を合わせたり、価値観が違っていても、お付き合いができるようになります。
心にさみしん坊が咲いた時、自分が無理をしていたり、我慢をしていることに、淋しくなってしまうのかな。
そんな時に、生まれた絵本が「さみしん坊とつくしんぼ」。
ラストに、さみしん坊が寂しくなくなる方法を考えてみたけど、なかなか良い方法が見つかりませんでした。
きっと、私たちは、寂しくなくなることはないだろうと思います。
だから、さみしくなったら深呼吸、空を見上げて、雲を数えて、深呼吸。
私の中で優しい気持ちが、さみしん坊を生むのだと思いました。
生きづらいと感じる人たちへ、心が届きますように願っています。
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