ほぼ毎日投稿『心は決まっている⁉️』NO.186
本日は、
やりたいコト。
本当の気持ち。
そんなのは、
知っている。
分かってる。
でも...
『人の物語から学ぶ』シリーズ
雨の音が、
静かに部屋を満たしていた。
窓の外、
街灯に照らされた
アスファルトは濡れて、
光を滲ませている。
六月の終わり。
ぬるく湿った風が、
カーテンを揺らしていた。
茜は、ずっと迷っていた。
彼——智也とは、
職場が同じ。
部署も違えば
関わる業務も少ない。
でも昼休みに
偶然重なることが増え、
会話を交わすようになっていた。
「それ、好きなんですか? その本」
初めて声をかけられたのは、
一か月前だった。
彼が言ったのはそれだけ。
だけどその一言で、
彼の存在が自分の中に残った。
以来、少しずつ少しずつ、
話すようになった。
でもそれ以上、
何も進んでいない。
今日、
同僚から知らされた。
「智也くん、異動らしいよ。
来月から関西支社だって」
その言葉が、
胸に沈んだ。
音もなく、深く。
夜になって、
メッセージアプリを
何度も開いた。
開いて、閉じた。
何度も何度も。
たった一言が、
送れなかった。
——
「会えなくなる前に、会えませんか?」
ただ、
それだけだったのに。
雨が、少し強くなった。
屋根を叩く音が、
心を急かす。
なのに指は動かない。
瞳だけが、
スマホの画面に釘付けされた。
時計の針は、
22時を過ぎていた。
そのとき、
携帯が震えた。
智也からのメッセージ通知だった。
「今、たまたま、
そっちの駅前にいるんだけど、
少しだけ、会えたりしない?」
「えっ...」
息をのんだ。
胸の奥で、
何かがふわりと
浮かぶように軽くなった。
すぐ分かった。
——「たまたま」なんかじゃない‼️
傘を手に取って外へ出た。
湿った風が髪を揺らす。
駅までの道は、
濡れているのに
どこか明るかった。
心のどこかで、
ようやく一歩、
歩けた気がした。
灯りの下に彼がいた。
茜を見つけて、
少しだけ笑った。
「来てくれると思ってなかった」
「……来るよ。だって...
ずっと、私が来たかったから」
それ以上の言葉は
いらなかった。
声の間をつつむ沈黙のなかに、
言葉にしない想いが
ちゃんと通じた。
——好きだった。
この気持ちに、
ちゃんと気づけてよかった。

季節はまもなく夏。
未来のことは、
まだ何も決まっていない。
それでも今日は、
確かに何かが始まった。
静かな始まりだった。
だけど確かに、
あたたかい光を孕んでいた。
本当の気持ちは、
知ってるし
気付いてる。
コレは、
恋愛だけでなく
ビジネスや
人間関係など
全てにおいて、
言えるコト。
でも...
気付いてる
範囲の外にあると
見つけられない。
そんな
身近にある答え。
何かあって、
初めて気付く。
後悔なされませんように‼️
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