見出し画像

【創作大賞感想】『湯気は重さを知らない』宗田慶三さん

※この話は宗田慶三さんの『湯気は重さを知らない』の話を読んで感じたことを、私なりに表現した二次創作となります。

作者やファンの方との解釈が違う部分もあるかとは思います。

創作大賞2026 ファンタジー小説部門 応募作品


下記の私の記事にて、応募して頂いた作品となっております。




重力の存在と、彼女の存在に惹かれた



「……連れて、来てるよ」


いつもは寝ている所を邪魔しないけど、今回ばかりは我慢できなかった。

彼が人らしきものを連れて帰ってきていることに気づいたのは、その人?が家を自由に漂っていたからだった。そういうものを連れてくるなら、彼しかいない。

寝ているか寝ていないかは半々だったけれど、彼は私の声が聞こえていたようで布団から突き出ている天然パーマの頭を勢いよく起こした。

「……どおりで。人はいないはずなのに、なぜか“あけなきゃいけない”気になってたんだ」

彼には人?が見えていないようで、私からその人?の位置を聞くとおもむろに仕事道具をその部分へとあてがった。

なんだか空気が変わった気がしたと思ったら、その人?は消えていた。

「……消えた」
「消えたな」

会話とも言えない短いやりとりの後、私たちは元の生活へと戻った。

次の日から、玄関に花や木の実が置かれるようになった。所在のないその贈り物を、私は小さなお菓子箱に入れて部屋に飾っていた。

そして、カレンダーをめくって少しした頃。パタッと贈り物は途絶えた。

「そっか。もう、そんなに日が経ったんだね」

贈り物を全部しまっていた菓子箱を、小さく作った火に焚べた。彼がしたことがなんだったのか。私が見たものはなんだったのか。わかるようでわからない。そのままでいいのだと思う。

煙を仰いで、私は重力に逆らっていったモノを少しの間考えていた。


#創作大賞感想

いいなと思ったら応援しよう!

波 香月 -なみ かづき- サポートして頂いたら、とんでもなく舞い上がります。 「頑張ってるね」の気持ちを素直に嬉しく受け取る体験をしたのはnoteが初めてかもしれません。 あなたのサポートを糧に、他の誰かに「頑張ってるね✨」を届けたい✨

この記事が参加している募集