【創作大賞感想】『実験の国』えむのマイトンさん
※この話はえむのマイトンさんの『実験の国』の話を読んで感じたことを、私なりに表現した二次創作となります。
創作大賞2026 エンタメ原作部門 応募作品
作者やファンの方との解釈が違う部分もあるかとは思います。
下記の私の記事にて、応募して頂いた作品となっております。
親として 親だから
姿見などないので、小さな洗面台の鏡でなんとか全身の様子を見る。
とはいえ、結局は黒づくめの服だ。
おしゃれや正装には縁のない暮らしが長すぎた。
やはり、この顔は厳しいか……
帽子を目深にしてみる。
……不審者、だな。
いいさ。
元よりこの姿が不審者ではないと判断する方に無理がある。
一人納得して、思うように動かない体に鞭打ちながら島を出た──
いい顔をしていた。
最初こそ当然のごとく私を不審者として見ていたが、やはり研究室に入ってからは彼のもっと小さい頃を見ているようで胸に来るものがあった。
……さて。彼のDNAを送る準備をしよう。
あの場所を信用してはいないが、彼らの実験狂いには信頼を置いている。
私の提唱した案は全ての実験する者にとって魅惑的なはずだ。
彼の生い立ちと現状、そしてDNAサンプルを送れば、彼があの場所で生きられるチャンスを掴むことができるかもしれない。
本当は、私自身で実験して安全性が確認出来てから、彼に試みたかった。
だが、私にはもう時間がない。
この研究は、誰かが引き継ぎ完成させなければならない。
その誰かが彼なのなら、私は安心してこの研究を託すことが出来る。
……あぁ、本当にそっくりだったなぁ。
実験器具を見ていた瞳。
楽しそうな顔は、少しあの人を思わせる。
……名乗るつもりなど、全くないけれども。
最後だけでも、私は……彼の父親であっただろうか。
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