見出し画像

老人ホームで愛さればあちゃんになるために必要な3つの要素

どうせ施設に入るなら、愛されるばあちゃんになりたいってうちの祖母が言っていた。

うちの祖母はどう頑張ってもクソ自力系ゴリラばあちゃんなので、一生愛されキャラにはなれない。
人を頼らんし、家と畑の維持もできてるし、図書館まで徒歩で行けるからな。

でもわたしたちはどうだろう?
これから介護業界は、需要と供給のバランスを大きく崩すと言われている。
介護職のなり手は激減しているのに、高齢者は爆増しているからだ。
今の30、40代に至っては、まともに老後の介護をしてもらえるのかさえ危ういレベルと言っても大げさではないはず。

介護してくれる人が激減してて奪い合いになるなら、せめて愛さればあちゃんになって介護士の視線を独り占めしてやろうじゃありませんか(落ち着け)


1.笑顔が可愛い


どんなに介護度が高くても。
どんなにめんどくさい処置があっても。
笑顔が可愛いと最強。

意外と高齢者、笑わない。
辛気臭い顔でテレビ見て、目も合わない。
わたしの力量不足と言われちゃ、身も蓋もないけれど、多分辛気臭い顔でテレビ見ている人は50年前からそうだったんだと思う。

とりま笑っとけば愛される。
これは年齢も場所も状況も問わず、誰でも絶対そう。

目が合ったらしわくちゃでぽちゃぽちゃのほっぺで、ニコッと笑うとか。
話しかけたら残り数本しかない歯をむき出しにして、ニコッと笑うとか。

笑顔は心の壁を壊す最強の武器だ。
つい絆されちゃうんだよね(単純な介護士)

2.物事にポジティブ

「ありがとう」
「うれしい」
「おいしい」

この3つが言えるマインドは、まじで今のうちから持ってたほうがいい。

新聞を取ってもらって「ありがとう」
飲み物をもらって「美味しかったよ」
安全に暮らせて「うれしいな」

環境が同じでも受け取り手によって、印象が変わるというのはよくあることなんだけど。

今日はなかなか新聞もらえなかった。
また飲み物飲まされるけど、美味くない。
長男にこんなところに押し込まれた。

悲観的に受け取るとキリがないんだよね。
終末期に近い人の集団で、誰かひとりでも悲観的になると、生前お通夜状態だ。
みんなを正気に戻さないでくれ。
老人ホームなんてパラダイスでも姥捨山でもないけれど、一瞬気を抜くとお通夜会場に早変わりしてしまう。
1ミリも笑えない。

わたしの体感では、老人ホームで愛される人は、気持ちをポジティブな言葉で表すのが上手な人。
他人を悪く言わない人。

認知症かどうかはわりと関係ない。
ご家族のお話しをいろいろ聞いていて感じるのは、悲観的な人は認知症になる前から、大体悲観的ってこと。

ゴシップと噂話が好きな人は、大体悲観的で文句ばっかり言ってる気がする(ど偏見)

若いうちにポジティブマインドに切り替えたら、愛さればあちゃんになれるかも。

周りの人を褒める癖をつけるとか。
他人の幸せを一緒に喜ぶ癖をつけるとか。

大丈夫、まだ間に合う(多分)

3.頑張っている

見るともなしに見ていたオリンピックのスキー・クロス。
わたしはこの競技で、頑張っている人を見ると勝手に応援したくなる自分に気づいた(なんのこっちゃ)

老人ホームには心身ともに万全の状態ではない人が多く住んでいる。

・半身麻痺(多くは脳梗塞)
・拘縮(体の関節が固まって動けなくなる)
・言語障害(脳疾患が多い)
・嚥下障害(飲み込むのが苦手)
・認知症(本人がいろいろ不安)
・歩行機能低下(歩くのが大変)
・排尿障害、便秘(高齢者の便秘は命に関わる)

ちょっと書き出しただけで、いろんな不調がある。
認知症とひと口に書いたけれど、これがさらにいろんな不調を生み出していく。

・帰りたくて不安な人
・ご飯があるか心配な人
 ・家族がどうしているか気になる人
・いつ田植えをするのか気がかりすぎる人
・不安すぎていつも怒っている人
・なにが不安かわからなくて不安な人
・いろんなことを忘れてしまって悲しい人

これもごく少しの例。
わたしなんかが分かろうと思っても分からない、不安や不満や心配が認知症の高齢者にはある。

でもだからこそ、自分の不調と上手く付き合っていこうとする人は尊いと思うし、生きる希望を感じる。
キラキラ?
ピカピカ?
なんか光属性みたいなやつ。

・歩けなくても、歩行練習を一生懸命やる人
・立ち上がる時に膝が痛むけど、自分の力で立ち上がろうとする人
・帰りたい気持ちと毎日戦いながらも、老人ホームで暮らしている人
・飲むのも食べるのも嫌いだけど、勧められるから頑張ってスプーンを持つ人

不屈の精神を持てとは言わない。
なんでもひとりでやりなさいとか、周りを頼るなとか、そういうことじゃない。
できないことを手伝うのが介護士であり、老人ホームだ。

2.物事にポジティブにも通じるところだけれど、自分の体や心の不調を、「もう無理だわ」「死んだほうがいいわ」と投げやりに言う人は応援したくてもできない。

勿論プロとして言葉の裏を読んで、「本当のニーズは?」みたいなことも考えるけれど、意欲というのは態度や言葉から滲み出てくる。

苦手だけどピーマン食べたとか、そのレベルだって単純な介護士は応援したくなる。
胸熱案件だ(わたしだけ?)

逆に、介護士がいくら応援しても本人にやる気がなければ、回復はおろか現状維持すら難しい。

いつもより、少しだけ「今より明日が明るい未来」って意識してみると、50年後のあなたは劇的ビフォーアフターかもしれない。


そんなこと言ったって無理だよって気持ちもよくわかる

今回は3つにしぼったけど、20年ランカーの介護士はいくらでもこの話題で語れる。
まじでいっくらでも語り尽くせる。

ちょっと語りすぎてうざかったら、まじでごめん。

別に老人ホームで愛されなくたって、生きていけるよ。
追い出されるわけじゃない。

でもよく考えてみてほしい。
老人ホームって、心待ちにして入るところではないんだよね。

知らん人ばっかだし。
家族おらんし。
早く帰らんと姑に怒られるとか、メシマズすぎて近所のスーパーのお惣菜食べたいとか、小さい不満やフラストレーションがたくさんある場所だ。

我が家のクソ自力系ゴリラばあちゃんは、老人ホームでチヤホヤされる生活をかなぐり捨てて、今年も野菜を作るそうだ。
ひ孫の推しキャラを手編みしたセーターも作ると言っている。
そして彼女は「わたし施設向けじゃないから」と諦めたように笑った。
祖父が遺した家をひとりで守っているうちは、倒れられないし、この家を離れられないそうだ。
大丈夫。あなたが望む限りその生活を続けていこう。

とはいえ。

いつもニコニコ前向きに努力して生きろとかそもそも無理だから!!

そんなこと、介護士だってわかっている。
わかっているけど、やっぱり愛されたいなとか楽しく老人ホームで暮らしたいなってときに、今日のことを思い出して欲しい。


ただし、義父母に強要するのはまじで辞めたほうがいい。
嫁と義父母で戦争が起こるからね。



いつもコメントを寄せてくださるパルサー君が、ご自分の記事で紹介してくださいました。
いろんなクリエイターさんの素敵な記事をまとめて拝見できて、眼福でした。
パルサー君、ありがとうございます!


いいなと思ったら応援しよう!

綾瀬そら@ワーママ介護福祉士 いただいたチップは賢くなるために使わせていただきます!