わたしたち介護士は、社会のお荷物ですか?それともあなたたちが働くための社会の宝ですか?
今の職場である介護施設がひどい。
なんというか、ひどい。
設備は古くて動線が悪い。
記録システムは頻繁にサーバーが落ちる。
職員が理想値の半分しかいないのに新規入所がくる。
新人が2ヶ月で退職代行で辞めた。
夜勤明けの休みが担保されていない。
毎月職員が辞めている。
わたしが知っているだけで、主任級が3人辞めている。
上層部マジでなに考えてるのかわからん。
だけど、現場の人たちはめちゃくちゃいい。
ナースが介護職を怒鳴らない。
良くも悪くも同僚に興味がない。
だからどうにかなっている。
ストレスだけどストレスフリー!
利用者の笑顔が見たいからとか。
最期の瞬間まで支えたいとか。
そんな綺麗事じゃなくてさ。
うちらいなくなったら、この人たちマジで死ぬよね。
ヤバいよね。
だからまだ辞められない。
みたいな会話が飛び交っている。
やな現場だなぁ(白目)
最悪の状況のような気がするけど、みんな過去の職場の不幸自慢をする。しかも喜び勇んで。
こんなヤバすぎる純黒の介護施設で働きながらも、「前のとこよりはマシ」とか普通に言う。
「前の施設はネグレクトで、拘縮しすぎて着替えができない利用者がいたんだよね」とか。
「休憩時間確保されてなくて労基の指導が入ったから、今のほうがマシ」とか。
純黒の介護業界を生き抜いてきた人の多くが、歴戦の猛者となってちょっとやそっとでは動じなくなってしまったらしい。
これももちろん、良くない。
なにも解決していない。
ブラック体質に憤って、一度は変えようとして疲れて諦めて、今に至っている。
現役介護職の諦めと失意と惰性で成り立っているのが、介護業界なのだとしたら……
だからみんな笑顔で「ここもヤバいよねー」なんて言うし、「明け休みなしの7連勤なんて、前のとこの12連勤よりマシ」とか真顔で言ってのける。
介護ってなんだろうね?
わたしは専門学校で高齢者の尊厳を守って、その人らしい最期を迎える日まで支える仕事だと教わった。
でも今の現場では、個性や意思や尊厳を無視して、最低限、生命と清潔を維持することくらいしかできていない。
経営が赤字。
人手がない。
給料面で心身の苦労が報われない。
設備投資ができない。
新人教育ができない。
技術や意識の向上に費やす時間がない。
余暇や対話の時間がとれない。
勤務中に事例検討のミーティングの時間が取れない。
既存の職員が無理する姿を見て新人が辞める。
悪循環すぎるループのなかにいる。
出口の見えない迷路だ。
介護業界が全部こんなんじゃないんだよ?
めっちゃ美しい理念と最新の設備で介護職の心身の負担を減らして、利用者の個別ケアに重点をおける施設もある。
でもそれはそれで、しんどいことがたくさんある。
求められる能力理想値が高すぎるとかな。
今までわたしが働いてきて施設のなかで、わたしは友人の家族になにかあったとき勧めてあげられる施設はない。
むしろ「ここは辞めとき?」みたいな感じ。
1回くらい「この施設理想郷だから、自分の親までここに入れたいわ」と胸を張って働ける施設に出会ってみたい。
綺麗事かなぁ?
あしたもわたしは戦場に行く。
過密シフトで疲弊しきった正社員をどうにか助けつつ、あしたも戦う。
きっとあしたも「前のとこよりマシだったわー。お局様おらんもん(いやわたしか?)」と自分を慰めながら働くのだろう。
介護職は介護が好きだ。
でも介護を嫌いにさせているのは、介護業界だと思う。
金銭面だけじゃなくて、わたしたちの身体のダメージや暴言、暴力、セクハラから守ってもらえない、どうせ丸投げなんだ、みたいな諦めが、ドンドンドンドン介護職という好きな仕事に対して失望していくのだ。
わたしは好きな仕事を好きなまま続けたい。
介護報酬が上がるとか、介護保険自己負担が2割とか、そういうことだけでもなくてさ。
社会にとって、わたしたちはGDPを生み出さない厄介者ではないと知って欲しい。
あなたの大切な人の心身を守っているから、働けてGDPが維持できている。
家庭環境を維持して夫婦の喧嘩が減るかもしれない。
一緒に暮らさないことで親子間のトラブルだって減らせているかもしれない。
今読んでくれているあなたの家族が、認知症や身体障害者になったとして。
介護してくれる人がいなかったら、あなたは仕事をやめて家族の介護をするのかもしれない。
適切な介護や設備導入ができないばかりに、認知症のあなたの家族が自宅から「家」に帰ろうとして迷子になる例は少なくない。
この場合の「家」は幼いころを過ごした両親のいる実家だ。
何km離れていても、足がフラフラでも向かおうとする。
その気持ちに、ほんとは寄り添っていきたい。
わたしたちはあなたの家族に人間らしくいて欲しい。
枠に当てはめた「利用者」じゃなく「あなたの家族」のままでいて欲しい。
だから事例検討するし。
ナースやリハビリに知見を求めるし、病院の治療法も頼りにする。
高齢者を誰1人道端で死なさないために我々はいるのだ。
わたしたちがいないとあなたは、仕事をやめて自宅で認知症の親の面倒を見続けることになる。
それはたぶん、ものすごく孤独な作業だ。
なにが正解か、この先どうなるかわからないまま。
わたしたち介護士は、社会のお荷物ですか?
それともあなたたちが働くために必要な宝ですか?
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