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積雨

 級友が笑っている。
 夏のぬるい風が吹き付ける。
 昼休みの気怠さが襲う。

 当たり前に過ぎる、変わりもしない一日が虚しい。
 文句も、不満も、笑い声も、全てが境界線の向こう側のような空虚さに包まれている。
 己を責めたてる声はまことか、幻聴か、はたまた背後で嘲笑う己か。
 痛みも、苦しみも、虚しさも、全てが無価値の無意味な埃となって私を囲む。

 いや、これは私自身が見ている幻だ。
 自分のように、悶々と虚しさを身の内に沈める者と探してしまう。
 それら全てが幻だというのならば、もっと世界の美しさの片鱗を見てもいいではないか。
 世界は美しく、まっすぐで綺麗なのだと、誰か証明してくれ。
 背後の己はさらに嗤う。

 そんなわけがないだろう、と。

 欲で、血で、醜さで塗り固められた世の中を生きる私たちは、きっともう正気ではない。
 性善説も性悪説も、虚無主義もない。
 きっとこの世界は、理想や思想という虚像を作り出さねば維持することもできない。脆弱で高慢な、目も当てられない歪な形をしている。

 そしてふと思い出したように、救いを与えるのだ。ほんの一瞬で消え去るその光に群がる、どす黒い欲にまみれた人間たちは、それを掴むに足らない。
 そして掴んだ者を糾弾し、追いやるのだ。

 真面目で素直な者ほど馬鹿を見る。
 無知な人間ほど利用される。
 バカな人間ほど、狡猾な者に絞りつくされる。

 どうやっても他人に利用され、振り回され、全てを奪われるというなら。
 皆が加害者で、被害者になるというのなら。
 私は誰にも構わず、気を使わず、全てを曝け出して言ってやりたい。

 くそくらえ。

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