マダム運が、異様に強い
私は高校生の頃母親を亡くした。
そのせいか、あるいは単なる巡り合わせか。
バイトをすれば、その先のパートのおばさん。
仕事をすれば、お客さんのマダムたち。
なぜか、そういう人たちに、よく囲まれる。
「なつく」という言葉が正しいのかはわからないけれど、とにかくマダムの引きが、異様に強いのだ。
今日も、ジムで三周り上のマダムたちに誘われて、一緒にランチをしていた。
毎朝だってそうだ。
同級生のお母さんに、生存確認のLINEを入れている。
そのお母さん曰く、
「息子の嫁ちゃんには、とても頼めないけど、みーちゃんは小学生の頃から知ってるし」
という理由で、息子でもなく、嫁でもない、赤の他人のわたしと、毎朝「おはよう」のやり取りをしている。
まあ、赤の他人のほうが、気楽らしい。
そして、わたしも、居心地がいいのだ。
世間的には「イソジ」だから、今さらコドモ扱いなんてされない年齢だ。
外に出れば「しっかりした大人」として振る舞わなきゃいけない。
けれど、彼女たちの前では、わたしはいつまでも、あの頃の「みーちゃん」のままでいられる。
「も〜、みーちゃんは」
そう言われると、なんだか少し、ホッとする。
早くに母を亡くして、急いで大人にならなきゃいけなかったあの頃の自分が、ようやく甘え直しているような、そんな感覚。
あとは、マダムが機関銃のごとく、しゃべり倒すから、
私が話す隙間が、まるでない。
「みーちゃんは、余計なこと言わないからいい」
って、よく褒められるけれど。
ただ、
その隙を与えてくれないだけだ(笑)

