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とちあいかに誘惑され、とちおとめに帰る

いちごが、スーパーで見かける季節になると、
わたしは、だいたい迷う。

とちおとめか。
とちあいかか。

この瞬間、わたしは、
不倫をしそうな、優柔不断な男になる。
えらべない。なやむ。

俳優さんを配役するなら、
吉沢悠。
やさしい顔で、どちらの話も聞いて、
「うん、わかるよ」って言いながら、
結局、決められない男だ。

スカイベリーは、また別枠。
港区女子みたいな存在で、
「アナタぢゃ、ハナシにならないわ」

って、こちらを見下ろしてくる。
当然、高くて、手が届かない。

問題は、とちあいか。
名前からして、もう強い。
あいか、って。
大きくて、ぱっつぱつで、
はち切れんばかりで。

しかも、聞こえるのだ。
はっきりと。

「わたしのほうが、美味しいわ。
とちおとめより」

挑むように、誘惑してくる。
アニメで言うなら、
キューティーハニーの如月ハニー。

わたしは、その誘惑に負ける。
とちあいかを、買う。

そして、翌日。
何事もなかったかのように、
古女房に戻る。

とちおとめを、買ってしまう。

とちおとめは、むかしから、そこにいる。
派手じゃないけど、安心する。
古女房みたいな存在で、
『渡る世間は鬼ばかり』の
初代お母さん、岡倉節子。
つまり、山岡久乃。

どっちも、美味しい。
どっちも、間違いじゃない。

だから今日も、
わたしは、いちご売り場で迷う。

誘惑と安心のあいだを、
行ったり来たりしながら。


#脳出血
#高次脳機能障害
#noteを書くのがリハビリ
#とちおとめ 🆚とちあいか
#岡倉節子 🆚如月ハニー

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