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# 〜今年の蚊、進化してません?〜

毎年、この季節になると始まる。

我が家の、蚊との戦い。


玄関の新聞受け。

新聞なんて取っていないから、

あの隙間は蚊の侵入口になる気がして、

ガムテープでペタッ。


お風呂の小さな通気口も、

ガムテープでペタッ。


「これで完璧!」




……のはずだった。


なのに。


刺される。


夜中になると、


「ぶーーーーん……」


あの嫌〜な音が耳元で聞こえる。


電気をつける。


……いない。


電気を消す。


「ぶーーーーん……」


いる。

でも見えない。


そして翌朝。

ちゃんと刺されている。

なんでだ。

---

最初は、去年の蚊取り線香だから効かないのかなと思った。

今年、新しい封を開けた。

それでも刺される。


虫よけスプレーもする。

それでも刺される。


もうね。

ウイルスだって耐性を持つ時代でしょ?

だったら、

蚊取り線香をものともしない「耐性蚊」がいても、不思議じゃない。

そう思えてくる。

---

旦那に言った。

「今年の蚊、強くない?」


すると旦那が真顔で言う。

「昔、シーモンキーっていたじゃん?」

「そのうち蚊も、あれみたいに進化してさ。

乾燥してても生きられるようになるんじゃね?」


私は笑った。

でも。

あながち間違ってない気もする。


だって。

明らかに、

私が小学生だった頃の蚊より、

今の蚊のほうが頑丈なんだもん。

---

子どもの頃。

夏休みになると、

田舎のおばあちゃんの家へ行った。


蚊取り線香を炊いて、

蚊帳(かや)の中で寝ていた。

それで十分だった。


虫よけスプレーなんて、

使った記憶もない。


でも今は。

ガムテープ。

蚊取り線香。

虫よけスプレー。

ありとあらゆる対策をしても、

平気で刺しにくる。

---

本当は、虫よけスプレーだって、ちゃんとしてるのだ。

なのに、刺される。


沢山プシュすれば、さすがに相手も力尽きるはず。

……と思うでしょ?


でも、ツープッシュくらいじゃ、やつらは全くひるまない。


「だったら、お前に直接かけてやる!」

くらいの勢いで、

蚊に向かって虫よけスプレーを

ワンプッシュ。

ツープッシュ。


それでも。

刺す。


一度狙ったら、

何が何でも刺して帰る。

あの執念。


まるで、どこかの筋の人に、

「玉、取ってこい」

って言われて送り込まれた、ヒットマンかよ。


依頼を受けたら、絶対に仕留めて帰る。

多少の“経費”(虫よけスプレー)くらいじゃ、怯まない。


もう、

裏の世界の仕事人である。



---

ついには夫婦で、

「いっそのこと、煙量3倍のプロ仕様にする?」

という話になった。


でも。

そんなものを家で炊いたら、

猫2匹と一緒に、

私たちまで倒れて発見される。


しかも、

近所では、

「なんか変な匂いがする!」

と異臭騒ぎ。


蚊は退治できても、

今度は私たちがニュースになる。

---

そういえば、

昔の蚊帳の写真を見つけた。

懐かしいなぁ……

と思った次の瞬間、

旦那がひと言。

「今の蚊なら、

これも普通に突破しそうじゃね?」


……

うん。

そのくらい、

今年の蚊は強い気がする。


いや。

進化してる。たぶん。



そう思うことにしている。


だって、そのほうが、

刺された悔しさを少しだけごまかせるから(笑)







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