「今月のおすすめ新書」FIKAのブックトーク#14
こんにちは、FIKAです。
毎回1つのテーマで数冊の本を紹介しています。
今回のテーマは「おすすめの新書」。
新書はいろんなテーマを手軽に読めるのがいいですよね。
最近読んで面白かった新書やブックレットを3冊紹介します。
「体育がきらい」 坂本拓弥
皆さんは体育は好きですか?
私は、大っ嫌いでした!!!
こんな風に思っているのは私だけじゃないようで、今の小中高校生の多くは「体育がきらい」だそうです。その「きらい」には様々な種類があると著者は分析します。
体育の授業が跳び箱やバスケやサッカーだった時、うまくできなくて恥ずかしい思いをしたことがありませんでしたか?
体育の先生が怖くなかったですか?
大声を出すことや一糸乱れぬ行動を要求されることに違和感を覚えませんでしたか?
大人になって自分でするスポーツや運動は楽しいのに、どうして学生の頃の体育の授業はあんなに嫌だったんだろう?
学校の体育の授業は「競技としてのスポーツ」に偏りすぎていると著者は言います。
「運動=競技スポーツ」ではありません。「運動」をもっと広義にとらえれば、「歩くこと」や「文字を書くこと」も、体のどこにどのくらいの力を入れるか調節しながら行うという点で「運動」です。
著者が担当する大学の体育の授業では「寝方」を教える時間もあって、きちんと力を抜いて正しく寝るのは案外難しいらしいです。
体育の授業の目的は、競技スポーツがうまくなることではなく、自分の体を自分でコントロールできるようにすることではないかという著者は大いに首肯けるものでした。
そういう体育の授業だったらもう少し好きになれたかも…
「出世と恋愛 近代文学で読む男と女」 斎藤美奈子
学生の頃、国語の教科書等で読んだ作品にこう思ったことはありませんか?
「この男たち、恋愛ベタでヘタレすぎないか…?」
日本の近代文学における男女の恋愛はなぜか行き違い結ばれない。その謎を「出世」というキーワードで解き明かす文学評論です。
明治、大正時代の文学における恋愛はこんなパターンが多いです。
①主人公の男性には好きな女性がいる
②しかし何らかの事情で二人は結ばれない
③主人公はいつまでもウジウジする
「舞姫」「金色夜叉」「三四郎」「野菊の墓」…
この三点をどれかをかすめない日本の近代文学はないんじゃないでしょうか?
著者はそこに「立身出世すべし」という当時の時代背景をみます。
明治の世になり、青年たちは「青春」を得て自由に恋愛しようとするものの、結局は「立身出世すべし」の風潮に抗えず恋は成就しない。
そもそも書いている作家自身がそんな人生を歩んできたのだから、対等な恋愛を描くだけの力量があるはずがないと著者は指摘します。
学生の頃、畏まって読んでいた近代日本文学をこういう視点でツッコミながら読むと面白いなあと思いました。
「検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?」 小野寺拓也/田野大輔
アウトバーンを建設した、失業率を低下させた、福祉政策を行った…
「悪の権化のように言われるナチスだけど、良いこともしたんじゃない?」という意見がたまに見られるそうです。
この本はそういった「ナチスの功績」とされがちな事象について、事実をきちんと検証し反論する内容になっています。
そもそも「良いこと」とは何なのか。
まずそれを問題提起した上で、歴史上の「事実」を洗い出し、それを「文脈」の中で正しく読み解いて、「意見」を述べる。
このプロセスをきちんと踏んで「ナチスの功績」と呼ばれるようなものは存在しなかったことを立証しています。
このニュートラルな検証の仕方が素晴らしい。巷で流行る陰謀論などに惑わされず、歴史を学ぶ人はすべからくこういう意識を持つべきだと思いました。
以上、3冊の新書やブックレットを紹介しました。新書を読むのって楽しいなあ…
読んで下さってありがとうございました。
