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『MERCY/マーシーAI裁判』

クリス・プラットさんとレベッカ・ファーガソンさん共演の「MERCY/マーシーAI裁判」観てきました。
お目当てはレベッカ・ファーガソンさん。「グレイテスト・ショーマン」のときは本当の歌声だと思っていたので、歌上手い!程度しか印象に残ってませんでしたが、「ミッション・インポッシブル」で好きになりました。なので、「ミッション・インポッシブル/デッドレコニングPART ONE」で今後出演されないのかと思い残念でした。

AI裁判官マドックス判事を演じるのがレベッカ・ファーガソンさん。冷たい印象で表情が変わらないところは、彼女ならではだと思いました。
容疑者であるクリス(クリス・プラット)が同情を求めると、「感情は授かっていない」と言います。でも事件の捜査を続けるうちに、徐々に変わってきます。クリスが娘に電話するシーンではクリスが犯人でない可能性をほのめかしたり、捜査が横道にそれたとき軌道修正してくれたり。
「直感を信じる」が理解できないというやりとりもありました。
「ガリレオ」では湯川先生は"刑事の勘"、"女の勘"は非論理的と言ってましたが、「"刑事の勘"というのであれば信じてみよう」といったミステリー作品もあったと思うのですが、思い出せないです。

マーシー裁判のエンブレムは左手に天秤、右手に剣です。天秤は裁判のモチーフですね。剣は処刑を意味しているのだと思います。マーシー裁判にかけられる事件はほぼ黒決定の事件。そこに時間と経費を費やさないために、スピード裁判で90分以内に有罪率を下げなければ即処刑が決定するからです。
上映時間は100分なので、制限時間は実際の時間とほぼ同じ進み方です。

マーシー裁判にかけられたクリスは刑事なので、捜査を進めることができますが、他の犯罪者はろくに情報や痕跡を調べることもできなかったでしょう。クリスが「事実は白か黒だが、真実はグレイだ」という台詞があります。「真実はいつも一つ」を見て来ただけに、どういうこと?と思いました。妻を殺したか、殺していないかは事実でいうと、殺したなら黒だし、殺していないなら白。でも、殺していないなら、誰が殺した?これが真実であるグレイ。直接殺したわけではないが、護り切れなくて死なせてしまった。つまりきっかけを作ってしまったや、自分にも責任があると思うこと、これもグレイに当てはまるのかと思いました。逆に殺した場面がバッチリ、映像に残っていた。事実は黒ですね。でも真実は爆弾のスイッチを持っていて止めるためだった。森鴎外の「高瀬舟」の弟殺し。真実はグレイってことになるのかと解釈しました。

トレーラーとパトカーのチェイス映像を生放送で流してるとき、「危険ですので、撮影しに外に出るのは控えて下さい」とアナウンスされますが、そんなことまで注意されないとダメな世の中になっているという皮肉。

公開の週まで存在を知らなかった作品で、期待度も高くなかったのもあるかもしれませんが、おもしろかったです。ですが、予告編見せすぎです。途中で先が読めてしまいますし、もっと深い展開を期待したところもありました。

「人もAIも間違いをおかす」「そして学ぶ」という台詞があります。
今はAIを"速い"という利点で使用されていますが、ビジネスではまだ完全に信用できないので、若手がAIを使用し出力した結果をベテランがチェックするのが主流ではないでしょうか。この急なAI加速はあっという間にチェックもAIが行うようになったり、出力結果の精度が上がったりで信用度が高くなるでしょう。すると「AI=正しい」が成り立つのも時間の問題ですね。本作はここに警鐘を鳴らしているんでしょうね。なぜ捜査や裁判に長い時間をかけるのか、間違ったらいけないから。人は間違えるもの。でもその間違いを極力減らしたり、間違いに気づく過程を作ることで、精度を高めている。

舞台は2029年です。そう遠くない未来です。2029年といえば、ターミネーターが過去に送られる年です。すでにAI(スカイネット)がサイボーグを作成し、タイムマシンが完成している時代です。

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