『漫画原作』コンテストに初応募!(テーマは「職業」)の作品紹介&反省会
この1カ月、毎日1話という私史上最も過酷な執筆ペースを完遂し、何とか〆切に間に合いました……何の話かというと、こちらに応募したお話です。
私が応募したのは『冒険(ベンチャー)のパトロン』という作品。私自身がかつて目指した「ベンチャーキャピタルの理想形」を描いてやろう! との想いで書いた物語です。幸いコンテストの人気順は1位でしたが、Talesでは(創作大賞でも)選考に人気は関係なさそうなので、あてにはなりません。
そこで今回は “作品紹介” と銘打ち怒涛の執筆を振り返りながら、もし選考を通過できなければ、改善して創作大賞「エンタメ原作部門」へも応募できるように “反省会” の意味も込めた記事を纏めてみよう! と思い立ちました。
1.作品紹介
1)あらすじと全体構成
さて、ではまず『冒険(ベンチャー)のパトロン』のあらすじを。
クロウリーとリオネス。性的な境界に立つ二人のベンチャーキャピタリストが型破りな手法で投資し、絶望の淵で踏み止まる “異能” たちの逆襲を演出することで、秩序維持を至上とし疑わない “虚構” を崩すことに挑みます。その姿は、あたかも大航海時代の前夜に「冒険のパトロン」として異能たちを支えた “航海王子” と重なり、タロットの形で遺された叡智が、その600年にも及ぶ時間を橋渡す物語です。
物語の全体構成(計42,963字)は、こんな感じ……
エピソード0: 大航海時代を拓いた「冒険のパトロン」(3,261字)
エピソード1: 異色のベンチャーキャピタル登場!(9,833字)
エピソード2: “アビスライト” 結成前夜譚(9,893字)
エピソード3: 虚無の原点~Children of Void(9,982字)
エピソード4: 深淵の双星、虚構を貫け!(9,994字)※
(※ ここで中締めとしますが、連載は続行します)
2)登場人物(主に8名)
そこに以下の人物たちが登場して、ストーリーを紡いでゆきます。
冒頭のサムネイル画像を再掲しながら、ご紹介して参りましょう!

この指示書(プロンプト)は、末尾に載せておきますね。
◆黒瓜 真澄(クロウリー):黒髪の長身で天性の役者。10ヶ国語を操る。タロットで才能をプロデュースする術に長け、演技から脚本執筆や舞台監督までこなす。その経験からVCでは、「人格トレース」という投資判断と、「運命配列(フェイトアレイ)」というチーム組成を担当。身体は男だが、外見は男女自在なカメレオン。性自認に劣等感を抱く。一人称「ボク」。
◆白野 詩音(リオネス):総白髪を後ろで束ねた長身。構造を見抜く天才AIエンジニアで大阪弁を操る。AIを2つ組合せた “敵対的生成ネットワーク” の応用で “補完的生成ネットワーク” を編み出し、絶望で深淵に堕ちそな異能の探知が得意技。VCではこれで起業家の探索を担当。身体は女だが性自認が芽生えず無頓着。一人称は「わい」。
この主役二人が、作中で2人の起業家に投資するのですが、名前は出さずにクロウリーがタロットから付ける愛称で描きました。それがこの2人……
(画像の中段左右に描かれているのが、愛称の基となったカードです)
◆“Fool”(フール):“愚者” の名を冠すゲームクリエイターの男性。息子の病(自閉症)を機に起業。ゲームを使って医療的な行動変容を促すという「ゲーミフィケーション」の事業化を目指す。(エピソード1&4に登場)
◆“Chariot”(チャリオット):“戦車” の名を冠す工学博士&彫刻家の女性。微細加工に長けた未来の “人間国宝” 最年少候補。「ミクロ化技術」の事業化を目指し起業。(エピソード2&4に登場)
そして画像に出てきませんが、主役二人の人格形成に決定的な影響を与えるのが、エピソード3(生い立ち編)に登場するこの2人です。
◆ヤスミン:世界的な劇団に拾われた、幼少のクロウリーを支えるトルコ系女性。タロットを教えた師匠であり、何気なく吹いていた口笛がクロウリーの心に刻まれる。
◆東雲 篤(しののめあつし):リオネスが攫われた人身売買組織に潜入していた、AIエンジニア兼公安の潜入捜査官。抗争で組織が壊滅した際には、リオネスを救出し、AIの手ほどきをした。
最後に、エピソード0と4の間に横たわる、600年もの時間を橋渡す2人をご紹介しましょう。それぞれが序章とラストを締め括ります。
◆“航海王子”:15世紀半ばのポルトガルで大航海時代の扉を開いた「冒険のパトロン」。航海を支える精鋭達が集う “研究所” を創始し、後のベンチャーキャピタルの源流を創った。
◆エンリケ・ザグレイス:航海王子が興した “研究所” の名と理念を継承するザグレス社の社長。家畜伝染病の根絶を目指し “動物体内ロボット” の開発を手掛ける。
彼らを暗示するのが画像背景の海と船と夕陽。これはかつて『深夜特急」で沢木耕太郎さんが、旅の最後に観たザグレス岬(ポルトガル)の夕陽です。

う~ん、ChatGPT君が実にいい仕事しますね!
2.制作背景
1)大航海時代と絡める着想
そもそもこの物語の着想を得たのは、かつて私自身がベンチャーキャピタルで働いた時(資料集め等で)制作に関わったこの書籍が関係しています。
この第1章では、ベンチャーキャピタルの源流につき諸説ある中、15世紀末のイザベラ女王(スペイン)に端を発すとしましたが、私は起業する時の「最強チーム組成力」がVCの要諦では? と考えたので、さらに時代を遡り15世紀半ばに “航海王子” と呼ばれたエンリケ王子(ポルトガル)が創始した “ザグレス研究所” に端を見出し、これで現代を挟む “枠構造” にしました。
航海王子が、研究所に集う多士済々で最強チームを組成するも、その成功を目にする前に、教会権力に代表される「虚構」に立場を追われる。そこで、そうした秩序維持を至上とする虚構の「目」を欺き、冒険に必要な「叡智」を後世に遺す手段としての「タロット」……
……そんな物語を描こう! と。
2)性的マイノリティに着目
で、現代における「虚構」をどんな風に描こうか?……と考えていた時に、ちょうどAudibleで聴いてた小説がこれでした。
マイノリティの孤独を、性の問題と絡めて鮮やかに描き出す手法、これだ!こういう小説を書きたい……それから、性欲を一切絡めずに性の問題を描くことに腐心した結果、上述のような主人公二人が誕生したというわけです。
3.反省会
そんなことで、とりあえず応募向けに中締めをした本作ですが、完結としていないように、連載は続けるつもりです。上述の通り選外となった場合は、改変して創作大賞も考えていますし、何より腰を据えて取り組むべきテーマだと思っているので、少なくとも今年はこれに注力するつもりでおります。
そこで、今後へ向けた “反省点” も洗い出さねば! ……と思うので、以下は反省会へと移ります。創作に当たっての “迷い” でもあります。
1)漫画原作への配慮
まず、初めて取組んだ「漫画原作」について。小説の形でよいとされているので普通に書きましたが、漫画は絵になり、文章より多くの情報を効率よく伝えられるので、もっと展開を早くしてもいいかな……と思いました。
その一方で、漫画家さんにイメージが伝わるように、なるべく具体的な作画イメージを書き込む必要があるのでは……とも感じました。これについては生成AIに作画を依頼する「プロンプト作り」が参考になる気がしています。
ちなみに冒頭サムネイル画像を作成した、実際の “プロンプト” がこちら。
以下の指示書に沿った画像を1枚、生成してください。
『冒険のパトロン』ビジュアル制作指示書(デザイナー向け)
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■ 目的 物語『冒険のパトロン』の世界観を象徴的に一枚で表現するキービジュアル。
主役二人の関係性、タロットの象徴、虚構を崩すテーマ、そしてザグレス岬の夕陽を融合させた構図とする。 ________________________________________
■ 全体構図(メインイメージ)
● 前景:クロウリーとリオネス(主役二人)
• 二人を画面中央〜やや手前に大きく配置
→ “太陽の下に立つ二人”という物語の象徴を前面に。
• 立ち姿は並び立つ形
o クロウリー:しなやかで中性的、肩にかからぬ程度の黒髪で長身。
o リオネス:白髪を束ねた長身、やや無頓着な佇まい。
• 二人の距離は近く、対等なパートナー感を強調。
● 背景:ザグレス岬の夕陽 • 沈む直前の“紅い夕陽”を大きく配置。
• 海と空が溶け合うような深い赤〜紅のグラデーション。
• 岬の断崖、要塞跡のシルエットを薄く入れると象徴性が増す。 ________________________________________
■ タロットカードの扱い 背景の上層に、半透明・象徴的に2枚のタロットカードを重ねる。
● 戦車(The Chariot) • リオネスの象徴 • カードはやや左側、夕陽の光に透けるように配置 • 色調は金・青・白を基調に、勝利と意志を象徴
● 愚者(The Fool) • クロウリーの象徴 • カードはやや右側、風に舞うような軽さで • 黄色・白・淡い青を基調に、自由と始まりを象徴
※ 二枚とも“実体”ではなく、物語の象徴として浮かび上がるように。 ________________________________________
■ タイトル配置
● タイトル:『冒険のパトロン』
• 画面上部中央に大きく配置 • フォントはクラシック × モダンの中間(セリフ体寄り)
• 色は夕陽の光を拾った金〜白のグラデーション
● サブタイトル(任意) 「2人の異色なベンチャーキャピタルが、世界の虚構を砕く」 などを小さく添えても良い。
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■ 色彩・雰囲気
• 全体の基調:紅・金・群青 → 夕陽、タロット、航海の象徴が自然に溶け合う。
• 雰囲気:神話的 × 現代的 → 現代のVCでありながら、600年の航海の叡智を継ぐ物語。
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■ 象徴として入れてほしい“細部”
• クロウリーの周囲に風のような軽い光(愚者の象徴)
• リオネスの周囲に構造線のような幾何学模様(戦車・AIの象徴)
• 二人の足元に微かな星の粒子 → “虚構の陰で見えなかった星々”の象徴 ________________________________________
■ 最終的に伝えたい印象
• 二人が“太陽の下に立つ”物語の到達点
• 虚構を崩し、新しい航海へ向かう決意
• タロットと航海王子の精神が現代に蘇る瞬間
• 異能たちのパトロンとしての二人の姿
デザイナーへ向けた作画指示書として作成を依頼したもの。
生成AIの視点を、最も良く知るのは生成AIだろうと思ったので、作画機能を持たないCOPILOT君の指示書で、ChatGPT君が仕上げたのが、この画像。ーーならば、漫画家さんも、本当はこれだけの情報量を求めているのでは?と思ったので(勿論すべては無理でも)できるだけ文章で表現すべきかと。
でも反面、そこまで拘らない点は、余白としてお任せした方が、漫画家さんもやる気がでるんじゃない?……と思うので、そんな眼で見直してみます。
2)SFとファンタジー
これには色々な解釈があるようで、本作はSFとして書きましたが、この点は常に迷っています。私は元々SFが書きたいので(星新一賞に出してきた延長に今があるので)SF志向ーーつまり “なぜそうなるか?” の説明が物語の肝だと考えています。ただ、これが過ぎると冗長になってしまいます。
これに対しファンタジーは(私の解釈ですが)実現性よりも世界観の設定に重点を置くと思っていて、漫画は両方のバランスで成り立つのかな……と。
だからこの塩梅が肝だと思うのですが、この点はまだまだ試行錯誤が必要だなぁと思っとりまして、まだまだ改善の余地があると思っております。
4.まとめ
1)謝辞
以上、気づけばかなりの長文になってしまいましたが、未来の自分への参考資料としてもしっかり纏めておかねば!と思ったので、気合を入れました。ここまでお付合い下さった皆様へは、感謝しかございません。
引続き、TALESがこうした良き創作の “トキワ荘” であらんことを祈りつつ私もその一員として輝けるよう、精進を重ねて参りたいと思います!
2)中間選考通過のご報告
……と、締め括ったちょうどその時、こんな知らせが飛び込んできました。
何と私の『創作工房 “マイナもん” 倶楽部』が通過していて、TALESを機に創作に本腰を入れた私(それまでは星新一賞の応募のみ)にとって、これが “初の選考通過” となります。
本当に、ここTALESで日々いろんな作品にふれ、良い刺激で高め合えた結果だと思います。これまで私の文章に、一度でも目を留めて下さった皆様への果てしない感謝を込めて、この文章を締め括りたいと思います。
心から、ありがとうございました!!
そして引き続き、どうかよろしくお願いします!
