電験三種 理論 平成7年 問10
問題
対称三相起電力の電源から抵抗$${R}$$の平衡三相負荷に電力を供給する回路において、単相電力量計を図のように接続して、4時間の電力量を測定したところ、$${2[kWh]}$$の計量値を示した。この場合の三相電力$${[kW]}$$として、正しいのは次のうちどれか。
ただし、相回転は1、2、3の順とする。

$$
(1)\ \ 1 \qquad
(2)\ \ 2 \qquad
(3)\ \ 3 \qquad
(4)\ \ 4 \qquad
(5)\ \ 5 \qquad
$$
解答
問題では単相電力量計が接続されているが、これを単相電力計が接続されているとみなしたい。そのために、電力量を1
相分の電力$${P_1}$$に変換する。
$$
P_1=\frac{電力量}{時間}=\frac{2[kWh]}{4[h]}=0.5[kW]
$$
電圧、電流に下図のようにラベルを付ける。

単相電力計で測定しているのは$${I_1}$$と$${V_{12}}$$である。これらをベクトル図にすると、下図のようになる。

単相電力計の指示値$${P_1}$$は次式で計算される。
$$
P_1=I_1V_{12}\cos{\phi}
$$
上式より
$$
I_1V_{12}=\frac{P_1}{\cos{30^{\circ}}}=\frac{0.5\times10^3}{\sqrt{3}/2}=\frac{1\times10^3}{\sqrt3}
$$
一方、三相電力$${P_3}$$は
$$
P_3=\sqrt{3}I_1V_{12}\cos{\theta}
$$
で計算できる。ここで、負荷は抵抗のみなので、力率$${\cos{\theta}=1}$$であり、上で求めた$${I_1V_{12}}$$を上式に代入すると、三相電力電力$${P_3}$$は
$$
P_3=\sqrt{3}\times\frac{1\times10^3}{\sqrt3}=1\times10^3=1[kW]
$$
となり、よって(1)が解となる。
別解答(もう少し簡単に)
単相電力計を2つ使って三相電力を測定する二電力計法を知っていれば、この問題は簡単に解ける。
二電力計法では下図のように単相電力計を接続する。

この場合、単相電力計の指示値をそれぞれ$${P_1}$$、$${P_2}$$とすると、三相電力$${P}$$は
$$
P=P_1+P_2
$$
で得られる。この問題の場合、対称三相起電力の電源から平衡三相負荷に電力が供給されているので、
$$
P_1=P_2 \ \ \Rightarrow \ \ P=2P_1
$$
である。従って、問題のように1つの電力計を用いた場合、その指示値を2倍すれば三相電力になる。
1相分の電力$${P_1}$$は
$$
P_1=\frac{電力量}{時間}=\frac{2[kWh]}{4[h]}=0.5[kW]
$$
なので、三相電力(P)は
$$
P=2P_1=2\times0.5\times10^3=1[kW]
$$
となり、よって(1)が解となる。
