43歳一独身公務員の旅行記(タイ編)⑤「チャオプラヤー川沿いにあるやけにひっそりした町で、うんこを踏んだ」
2024年8月9日 タイ旅行 3日目
タイ旅行3日目である。僕とKは午前中、ワット・パクナムを見学し、昼食を食べた。

このタイ旅行では、仏教に触れる機会が多かった。
ワットパクナムでみた仏陀の表情は皆、穏やかであった。
今43にして、仏教の言葉が胸に響く。
「今を生きる。今を楽しむ。
他人の悪口をいってる暇なんてないだろ?」
そうだろう?


どうだろう。この地元感。
この殺伐とした風景が良いじゃないか。
その後、僕とKはチャオプラヤー川の水上バスに乗り込んだ。
水上バスに乗ってバックパッカーの聖地であるカオサン・ロードに近い停留所で降りようか・・という話に何となくなっていた気がする。




ボートからワット・アルンやワット・ポーが見えた。ボートに窓はない。全身で直接チャオプラヤー川の風を感じることができた。しばらく風景に見入っていた。
気持ち良くて、ぼんやり眺めていた。10分くらいだった気もするし、20分くらいだったような気もする・・・。
「あれ?そろそろ降りないとダメだったかな?」
Kが言った。
「じゃあ降りようか!」
僕らは次の停留所で、水上バスから降りた。



しかし、店員さんがいない。

ここにも店員さんがいない。


停留所から出ると、バイクが何台か並んでいて、コンクリートの道が伸びていた。やはりひとけは少なく、日傘をさして歩く女性がいるくらいだった。
町はやけにひっそりとしていた。あるいは僕たちは停留所を誤って降りてしまったのかもしれなかった。
しかし僕とKは、今更水上バスに乗り直す気にもなれず、フラフラとこのやけにひっそりとした町を歩き始めたのだった。
しばらく歩くと、こじんまりとしたカフェが現れた。僕たちはここでスムージーを頼むことにした。

時間がゆっくりと流れているようだった。
「ええやん、チャオプラヤー川沿いのどこかにある町に僕はいる、てワケか・・・」
元来、根が人よりロマンティックかつナルシスティックにできている僕はこの非日常な雰囲気に陶酔し、完全に悦に入っていた。
しかし、ここで悲しい事件が起きた。
「あの・・オギヤマサン、すげえ申し訳ないんだが・・」Kが申し訳なさそうにいう。
「なんだい?」
「あの・・・さっきからオギヤマサン、もんのすっげえうんこくさいんだけど・・」
「えっ!?ほんまに」
「ああ・・・わるいけど1ミリたりとも近づいてくれるなってレベルっス」
僕はベンチに座り、スニーカーの裏を確認した!!

絶望した。お気に入りのニューバランス996に、ガッツリ 犬?のうんこが付いていたのだ!!
スニーカーに鼻を近づけると異様な程の臭さが漂ってくる。
「クッ!!」
僕は思わず顔を背けた。せっかくいい感じに旅に酔っていたのに、なんなんだよ・・・。さらにいえば、これからこのとんでもなく臭いうんこを踏んだスニーカーで旅を続けなければならないのか。。
「もうっ!!なんでなんだよ!!臭いよ!!」
僕は怒りを抑えきれず、少しだけ絶叫してしまった。(変な日本語だが)
「オギヤマサン!落ち着くんだ!!今こそ、今を楽しむんだ!」
「うう・・・」
「うんこ踏んだくらいですんで良かったじゃないか。まあ、確かにすっげえ臭いけど・・・とりあえず、スニーカーを洗おう。かわいそうだからスムージーは自分が奢るよ」
Kに諭され、僕はカフェのトイレを借り、スニーカーを洗うことになった。店員さんが気にかけてくれて、大量のティッシュを持って来てくれた。
「サンキュー、ほんとにサンキュー・・」
僕はうんこにまみれたスニーカーを洗いながら、何度も、何度も店員さんに繰り返し礼を言うのだった・・・。
つづく
よろしければスキしてくださいっ!
