沼サブのレイアウト指南――紙面の重さを教わった日~Layout Lessons from Numa-sub:The Day I Learned the Weight of a Page
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導入(網掛け)
10段82行の紙面を組んでいた頃、
私はまだ“行数”の意味を知らなかった。
沼サブの一言が、
編集という仕事の深さを初めて教えてくれた。
本文
県版の原稿束を手にした沼サブは、
行数をざっと目で追うと、静かに言った。
「350行あれば、もう文句は言えないよ。
あとは写真と見出しと図表で、
てんちくん、紙面を“立てる”だけだ」
その横顔を見た瞬間、
数字が“版面の重さ”として胸に落ちていった。
当時は、1段12文字で820行。
新人は毎日1版を組むのが仕事だった。
朝、7〜9本の記事がそろい、
合計350行を超えていれば、まずはひと安心。
沼サブの言葉は、確かに正しかった。
けれど二年目、総合面に移ってから、
紙面づくりの本当の“戦い”を知る。
「早く原稿だしてよ」
「まってくれ、いま書き直し命じてるから」
「ゲラ、早く見せてよ。確認もあるから」
「まってよ。いま、もっといい見出し出そうなんだ」
こんなのは、まだやさしい方だった。
夕方になると、制作フロアから、ゲラを抱えて階段を駆け上がる足音が、
編集局のBGMになった。
そのリズムが聞こえるたび、
「今日も総合面が始まった」と胸がすっと熱くなった。
そして、忘れられないやりとりがある。
トップ原稿が弱く、出稿デスクが頭を抱えていた日のこと。
「ごめん。いい頭(トップ)でなくて」
「そっか、これさ、地方版かためてる原稿で
類似記事あったら30行でもつけてよ。
まとめて頭に組んじゃおう」
「これでいい?」
「うん、いける」
共通見出しをつけ、罫線を引き、
あっという間に紙面を“美しく立てた”先輩の背中に、
ただ惚れた。
部屋の整理もできないてんちは、
紙面整理にだけは燃え始めていた。
2000年ちょっと前の話。


ココロとカラダとご縁を大切に、てんちでした
※みんつど=Mintsudo – Getting Together During Difficult Time
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