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[第三食;ウイグル族①] タクラマカン砂漠の長寿地区

シルクロードの最古道、西域南道を初めて列車で
カシュガルまで動いてみた。
新疆ウイグル省都ウルムチから、新疆第二の都市
コルラを経由して、まずはタクラマカン砂漠南端
の和田を目指す。

和田は古代于闐(ウテン)国の都城。司馬遼太郎、
井上靖など歴史を描いた文豪たちが、行きたいが
入れなかった夢の場所。そんな所に、今は簡単に
アクセスできる。
現在の和田は、オアシス経済のため発展に遅れ、
GDPは新疆ウイグルの中でも最下位。新疆北部の
石油、レアアースを産出する地区とは一人当たり
GDPが10倍もの開きがある砂漠の最貧地区だ。
そんな所が、どうして中国で二番目の長寿地区な
のだろう。

タクラマカン砂漠の面積は、日本本州の2倍もある
ウイグル人はトルコ系、こんな雰囲気の人たち
(百度サイトより)

砂漠のフチに位置する街にはどこも河が流れ水場
がある。いわゆるオアシスだった村が発展し、町
になっている。
タクラマカン砂漠は北を天山山脈、南を崑崙山脈
が挟み、山脈からの流れ出る水が川となり、砂漠
に向かう。

砂漠に流れ込んだ川は砂漠に吸い込まれ、そして
消えてしまう。川は海に流れ込むものと知る我々
のイメージをぶっ壊してくれる。
和田地区の背には崑崙山脈が迫り、ここで人が住
める平地の幅は、十数キロと狭い。
和田は、まさにオアシスの町だ。

和田市街地の近くを流れる灰色の玉龍喀什河。
河はこの先の砂漠に流れ込み、消えてしまう。
河の水も、河岸の砂も、灰色の世界だった。

和田の南はチベットをまたぎインド西端ラダック
の山岳地帯になる。上海から和田までの直行便は
ないが、あれば8時間ものフライト距離だ。

新疆ウイグルは、遠い異国のよう

前食で、ヌードル名産地に長生きが多い要因は、
ヌードルを常食すれば長生きできるではなく、
ヌードル産地の水はどこも良質で、それを飲む人
たちが長生きしていると考えた。
水質による長寿が、ヌードル産地は長寿である
ようにみえてしまうのではないか。

中国老年医学会が定めた十大長寿地区(前食)の
二番目が、新疆ウイグルの和田からカシュガルに
かけての地域。和田は巴馬と全く環境が異なる。
緑と水にあふれた亜熱帯の巴馬と、砂漠の和田。
両地区の自然環境は両極だ。

砂漠のフチ、和田の「約特干故城」
オアシスなので、小川が流れ、緑も少しある
観光客は、とても少なかった。

「どうして、砂漠の和田やカシュガルの人たちは
長生きするのだろう?」
この地域の人たちは、小麦のメンをよく食べる。
長寿に水以外の何か別の要因があるのだろうか?
麺をよく食べる地域は長生きという中国や欧州の
状況を、もう少し探ってみるかとおもいながら、
和田~カシュガルのメン旅を楽しむことにした。

和田は、古代皇帝、官僚が求めた玉を産出する。
ビルマ産の翡翠より珍重され、羊脂の白色に近い
ものが最上級とされる。
和田玉の鉱脈は崑崙山脈にあり、一部は数百年を
かけ河を転がり、市内の河岸にも流れつくことが
あり、市街地に近い河原では今でも宝探しをする
人も多い。私も1時間ほど和田玉探し。白色の石
をゲットしたが、さて、その価値は?

かつての和田は玉を産出する地域として栄えたが
今の企業は和田玉を求めない。やっぱり、石油と
レアアースだ。
和田玉と長寿との関係は、う~ん、なさそう。

(左)和田玉を探した河原。この日、3組のチームもいた。
(右上)私がゲットした和田玉、
磨けば下のような高級品になるかなぁ。

タクラマカン砂漠の砂は、世界の砂漠の中では最
も微小な砂のよう。小麦粉のようなパウダー状で
日本に降り注ぐ黄砂は、このタクラマカンの砂が
風にのってやってくる。

和田市内にはこの砂が空気中を舞っているため、
500m先がかすんで見えない。靴は真っ白、
呼吸器官をやられて早死にしそうだ。

(左)道路も車もお店も砂だらけ。
そばを食べたいと入った和田の日本料理店。
中国式の蕎麦だった。
(右下)イチジク原産地はアフガニスタン。
和田に近い。黄色で甘く、これは美味しい。

あまりの空気の悪さで、和田での滞在は二日目で
もう限界。新疆ウイグルに入って一週間、食事は
というと羊肉バーべーキューと麺の繰り返しで、
こちらも既に飽きてしまい限界。
ウイグル人の食事は少量の肉と野菜を炒め、これ
を麺にぶっかける伴麺やパン食。ほぼ毎日、昼も
夜もこれを食べている。

(左)ウイグル式で両手首に巻いて延ばしていく。
(右上) この日は、なすび炒めをのせた伴麺にした。
(右下)ウイグルのパン

上の写真はウイグルの手延べ麺。中国中原から西
に伝承された手延べは両手を使い2本が4本、4本
が8本と延ばしていく麺。これが新疆ウイグルに
入ると手首にひっかけ延ばすスタイルに変わる。
「ウイグル各地のメンの味は違う」
と地元民はいうが、私にはその味の違いがわから
ない。

麺料理は、メンに一品をぶっかける伴麺だけ。
「トッピングの材料、味付けで違う料理になる」
というのだが、こちらも香辛料が同じため料理の
味の違いがわからない・・・

味に変化のある料理として、近年はウイグルでも
ビーフンが大人気、四川の麺より辛いと評判だ。
今、全国で新疆ビーフン屋の開店が続いてる。
このビーフンが極上に辛い。
でも、この辛さは、寿命を縮めるだけだ。

新疆ビーフン。ウイグルのトウガラシは、とにかく辛い

伴麺や辛いビーフン、ときどき羊の串焼きを食べ
たとしても、とても長寿の食事とは思えない。
前食の科学院が提唱した「巴馬長寿四つの神秘」
に照らし合わせて、和田の状況をみてみよう。

【空気】は、砂塵が舞い最悪。足腰を鍛えるジョ
ギングや散歩など、全くできる環境ではない。
【陽光】は、紫外線の嵐。夏は40度を超え、肌を
露出して歩いているとチクチクと焼ける痛みが
はしり、健康問題どころか命が危ない。
【土壌】は、砂漠。作物の栄養価を考える以前の
問題で、そもそも農作物が育たない。

和田市街を出ると、こんな砂漠が広がる。
(百度サイトより)

こんな環境下で和田地区は世界五大長寿地であり
最新の統計では和田地区全体でも10万人中21.8名
は百歳以上。この数は、中国で最も経済が発展し
先端医療を受けられる上海や東部沿岸地域の数倍
にもなるのだ。

いったいタクラマカン砂漠のオアシスでは、何が
起きているというのだ。
麺食との関係は、あるのか、ないのか。
また、水以外の新たな要因が隠されているのか?

➡次回は、タクラマカン砂漠最西端、カシュガルのオアシスに向かいます


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