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   タヒチの星の下2話BL


        魔法にかけられたタオとの思い出

         


タオは優しかった本当に優しい!まるで別世界の人のように
いつも肩を抱いて歩き、時には手を繋ぎ会った時は苦しいぐらいのハグをしてくれ濃い髭がチクチクと余計にボクの頬に刺さる。

暮れてゆく黄昏の中で同じ場所で同じ空気を吸いその空間を2人で独占しているみたいだ。老夫婦やカップルが横を通り過ぎる時、タオは必ず声をかけた。まるで幸せを分け与えるような天使のような人だ。
「keep happy!」しあわせがありますように!投げキスしながら
「you too!」あなたたちもね!返される言葉が嬉しかった。

何もかも嬉しかった。幸せだった。甘い匂いのポップコーンとタオの息が重なって更に甘い香りにかわる。タオの大きい手を握るとすっぽりとボクの左手が包まれた。「トニー!お前の唇は柔らかいな。」「なんで今頃?」

突然尋ねてくるタオのまつ毛が夕日に照らされて、上向きにまつ毛が
クルッと跳ねてあるんだと気づいた。
「トムが言ってたぞ。お前の幸せはオレが守ってあげないとトニーは
潰れるからって。もちろん分かってるしトニーを愛してるからありがとうトム」と「オレは言った」「トムが?そんなことを?」

「みんな知ってるんだ。お前が日本で苦しんでいたことや悩んでいた
サムライだと。トニーの心の中をオレが解放してあげなきゃいけないって」
「タオ・・・」「それにトニーお前は、少し考え過ぎなんだよ。オレは一途にお前だけを愛してる!オレがたまに女の子とキスしたぐらいでヤキモチ焼くな!アメリカ人の挨拶みたいなもんなんだ!いいか!」

言葉がなかった。「また旅に行こう!どこに行ってみたいんだ」タオがまた尋ねる。陽が落ちて公園の街灯が点きはじめた。
「南米は?」「いいけど怖いぞ!お前がさらわれるかもしれないからNO!!」
ボクは冗談のように「じゃタオの知らない日本でも行く?」
「バカヤローオレを破産させる気か?トニー」ジョークをいうたびにクスクス笑った。またさらに強く肩を抱きしめて遠くを見ていた目がボクに向けられて----

「トニー。何も買ってあげられなくてゴメンな!」
「All I want in my life is you next to me. ボクの人生の望みは、ただあなたが隣にいてくれること」とボクは応えた。
「トニーオレもだ!お前がいるだけでいい。離さないからな!ずっと」
「お前の鼻に嚙みついて離さないたちだぞぉオレは」冗談ぽく子供のようなまなざしでボクに言った。

タオは、横切るカップルに手を振りながら「「keep happy!」「you too! guys!」声が返ってくるとタオは自分の方に強く抱き寄せて甘い息の匂いと共にキスをしてくれた。それはそれは長いキスだった・・・
タオはキス以外に体を求めることは全くしなかった。どこかで誰かと
---と思うと変な混乱とヤキモチににたような思いがフツフツと
湧き上がってくるのを我慢した。

「よし!メシ行くか。」「そうだね」
「旨いパスタとラザーニアの店に行くぞ!」「Buono・Buono(ブォーノ)おいしい」イタリア語風に言ってタオはふざけた。
車の止めてある所まで走る-----
ボクは息を切らせて「タオ・待ってー」まだ追いつけないボクの元へ髪をなびかせながら駆け戻る。そしてボクの肩を抱き髪と頬にキスをするタオ。今、タオといるこの世界の夕陽が一番美しいことをボクは知っている。
柔らかい風がボクの頬を撫ぜ木々や咲いている花たちをも揺らしていた。