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【移住してわかった3つのこと➁】季節の手仕事が教えてくれた、「消費」ではなく、「恵みをいただく」暮らし


移住してから、暮らしの楽しみは『自分の手で収穫し、加工し、いただく』という、季節の「〇〇仕事」になりました。

初夏は梅、
夏はトマト、山椒、
秋は栗、柿

梅干しやシロップを作る"梅仕事”。
これは東京にいたときもしていたけれど、
単なる消費行為の一つという感覚。

でも移住してからは「いただく」という感覚に変化しました。

なぜだろう?
移住して5年、その変化を紐解いてみようと思います。


■梅 : 地区での共同作業の嬉しみ

西粟倉村では6月頃が梅の採り頃。
地区では住民でお世話している梅林があり、6月は草刈りをして梅拾いをすることが恒例の地区行事となっています。

地区でお世話する梅林

ある年は小梅だけ。
ある年はほとんど実らない。
ある年はとんでもなく豊作。
ある年は遅い。

梅の木にもリズムや個性があることを実感しました。

収穫した梅は1kg100円で分け合います。
収益は老人クラブの運営に。

収穫したばかりの梅

私は毎年梅干しにします。
時間を追うごとに変化する梅の甘酸っぱいにおいがたまらない。
完熟状態になった梅を梅酢につけて干す日が来るのを待つ。

待っているうちに忘れてしまい、近所のお宅で干しているのを見て「もう干す時期か!」とあわてたりする。

干したのち、時間ごとに変化する梅の色を見守るのも楽しい。

梅酢から出したばかりの梅
干して3日めの梅

ちなみに作りやすい梅シロップ、梅酒あたりは残量が少なくなってきている年にだけ作るようにしています。
以外と飲みきれない、なんてことありませんか?

移住してから、梅の木が身近な存在になりました。
梅の実の成長にわくわくしたり。
そして、地区の皆さんと同じ作業をして、
同じ梅で梅仕事をすることがなんだか嬉しいなあ、と思います。
同じ釜の飯、みたいな。

■らっきょう : 大地のエナジーを体にチャージ

西粟倉村は鳥取県が近いので、夏はらっきょうが手に入りやすいのです。
収穫はしたことはないけれど、鳥取県にいくと、砂地にうわっているらっきょうを見かけます。
ほほー、らっきょうってこうやって育つのか。

写真出典:AC Photo


秋に花が咲くとそれは見事な景色になるそうです。(まだ見たことない)

ぱりぱりの塩らっきょうにするのだ

甘酢漬けも作った年があるけれど、私はさっぱりした塩らっきょうが好き。
塩らっきょうは毎年1㎏作って、ひとり占めしている。
(夫はらっきょうが苦手)
疲れているときに食べると力がみなぎってくる。

らっきょうを食べるようになって、
風邪をひく回数が減った気がする。
気のせいではないと思う。
きっと、大地のエナジーのおかげ。

■山椒 : 丁寧な仕事で慈しみを育てる

山椒の実がなる秘密の場所があります。
初夏、山椒の実が膨らんでくると気持ちがほころんで「うひひ」ってなる。

美しい緑の実をつける山椒


青いうちにつみとって、ひとつひとつ丁寧に処理をする。
ほっそい茎を取るのが心底めんどくさいけど、ここは丁寧に。
大事に大事に慈しみながら扱う。
そうすると出来上がりの美しさが違う。

ちっちゃいみかんみたいな実

山椒もやっぱり塩漬けが好き。
沸騰したお湯に洗った山椒を入れる。
取り上げたのち、塩を混ぜて1か月寝かせる。

できあがった山椒の塩漬け

美味しい山椒の塩漬けは刺身や焼き肉、煮魚にもいい。お酒のアテにもいいです。冬は熱燗と一緒に楽しみます。

■トマト : 季節を越えて恵みを楽しむ

「トマト仕事」も季節の楽しみ。
これまではプランターで1種類だけ作っていたけれど、今年から西粟倉村内の会員制の畑に参加し、今年は10種類以上のトマトを食べる機会に恵まれました。


色とりどり、サイズも色々。
生かじりやサラダだけでは食べきれないほどたくさん収穫しました。

つやぴかのトマトはまるで宝石のよう

畑から収穫したばかりのトマトを贅沢にたっぷり使ってソースにします。

鋳物の鍋でじっくり煮込む

冷凍をしておくと恵みを冬にでもいただける。
でも大抵、秋が深まる前に食べきってしまう。

セミドライトマトもしたこともあるけれど、
ソースの方が使いやすいのでもっぱらソースにしています。

■栗 : 動物と競争も

栗は職場で拾える。
栗も当たり年とそうでない年がある。

今年は豊作

動物さんに取られる前に拾えたらラッキー。
イガイガを両の足で踏んで栗の実を取り出す。

先に動物さんに取られた

取り出したら、半日程度水につけておき、中にいるかもしれない虫を追い出す。
虫の追い出しを終えたら、冷凍で1週間~1か月寝かして甘さを引き出すのがコツとのこと。

栗ご飯が秋のごちそう。

どうみても入れすぎ・・・!

山ほど拾ったときは、お裾分けをします。
鬼皮付きでも喜ばれる。
季節の楽しみを分け合う楽しみも移住してから知りました。

■柿 :分け合う楽しみ


緑のなかに朱色の丸が見えてくると「秋だなぁ」と思う。

柿はたくさんいただく。
なんなら「いつでもとっていき」と言ってくれる。

採らせていただいた柿

皮をむいて食べるのもいいけれど、スライスして半日~一日干したセミドライの柿がすき。お茶うけに抜群。

セミドライにした柿


柿ジャムもなかなかいい。
砂糖をあまりいれなくても十分甘い。
ヨーグルトにいれたりします。
載せてクッキーを焼いても美味しかった。
そのクッキーを友達に贈ったりしてお福分けしたりも。

柿ジャムクッキー

季節の楽しみをこうやってお福分けして広げていくのも、季節の楽しみだなぁ、と思うようになりました。

■大根 : 日の光で旨味を凝縮


冬場にまるまる太った自家栽培の大根をいただくことがあります。
みずみずしくまっしろな大根。
ありがたい。

大根がたくさんあるときは、干し大根を作ります。
輪切りや千切りにしてカゴやザルで半日程度干して保存。
大根の旨味がぎゅっとなって美味しい。
みそ汁の具にすると至高の一杯になります。

日常すぎて写真がなかった、、

【変化】“消費する”暮らしから、“いただく”暮らしへ

どんな〇〇仕事でも、移住前は『買ったものを消費する』ことでした。
今は、『恵みをいただく』感覚。
胃袋に入る、という最終地点は移住前と同じなのに。

移住する前は、スーパーに並ぶ前のことなんて想像しなかった。

どんなふうに実るのか
どんな場所で育つのか
どんな気候がいいのか
どうやって収穫するのか

そういう背景が見えていなかった。
知ろうともしていなかったなあ。
タイパを重視してしまう都会の暮らしでは見過ごしてしまう。

スーパーに並んでいる商品でも、
農家さんはどのように手をかけて育てたのか、
どんな地域でどんな気候のもとで育ったのか、
そういうことを知ろうとしたり、
想いを馳せていたら、違っていたかもしれない。

移住して、「消費」に「見守る」「育む」「知る」という一手間が自然とに身に着きました。

いのちの巡りに関わり、自然のリズムを知る。
それが私の「いただく」という感覚を育んでくれました。
それは、自然との距離が近い今の暮らしだからできること。

この先、暮らしのかたちは変わっても、
“いただく”という感覚は、私の中で息づいていくんだろうなあ、と思います。

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