決戦! 東海マスターズと「ずっこいスパート」
今日は、
東海マスターズ陸上競技大会の本番だった。
朝から、どこか特別な空気を感じていた。
私は、
800mと1500mにエントリーしている。
でも・・
今日、心を動かされたのは、
タイムでも順位でもなかった。
マスターズの大会には、80代、90代になっても、なお走り続けている方々がいる。
その姿を見ているだけで、
胸が熱くなる。
「あぁ、走り続けるって、本当にすごいことなんだな」
そんなことを、
何度も感じていた。
普段の大会とは、
空気が違う。
スタート前なのに、
どこか温かい。
年齢も、
立場も、
走ってきた人生も違う。
それでも、
自然に声を掛け合っている。
「頑張りましょうね」
「よろしくお願いします!」
そんな何気ない言葉が、
すごく優しかった。
学生スポーツのような、
ピリピリした空気ではない。
もちろん、
みんな真剣だ。
でもその奥には、
“走ることを楽しもう”
そんな空気が流れていた。
私は、
そんな選手たちに敬意を抱いていた。
最初の競技である1500mのスタート前、
私は一つ迷っていることがあった。
それは、
自分最大の武器を使うかどうか。
その名も、
「ずっこいスパート」
妻からは、いつも
「また最後だけで持っていくんでしょ?」
「そのスパート、ずっこい!(ずるい)」
と、半分あきれられている。
家ではもう完全に、
“ずっこいスパート使い”
として認定済みだ。
でも、
自分でも否定できない。
なぜなら・・
ラスト100m勝負に持ち込めば、
ほぼ100%の確率で勝ててしまうからだ。
ギリギリまで耐えて、
最後に一気に抜き去る。
競り合いになればなるほど、
むしろ燃えてくる。
これまで、
何度もこの武器に助けられてきた。
だからこそ、
今回も最後の切り札として頭にはあった。
でも今回は・・
できれば、ずっこいスパートを使わずに勝ちたかった。
自分から前に出て、
レースを引っ張り、
そのまま押し切る。
そんな勝負がしたかった。
いよいよ最初の競技
1500mのスタートの号砲が鳴る。
前半から自分で前へ出た。
レースを作った。
でも・・
苦しくなった。
中盤、
一気に脚が重くなる。
そして、
同世代の選手に前へ出られた。
離れていく。
40m。
50m。
「やばい」
そう思った。
それでも、
必死に食らいつく。
苦しい。
でも、
諦めたくなかった。
そんな時、
昨晩、息子からかけられた言葉を思い出した。
「自分の得意技があるなら、
遠慮せず使えばいいじゃん」
さらに、
今朝置かれていた妻からのメモ。
『ずっこいスパートでぶちかましてきてねー!応援してるよ!』

その言葉を思い出した瞬間、
なんだか力が抜けた。
「あぁ、使っていいのか」
そう思えた。
私は、
最後、
自分の武器を信じることにした。
少しずつ、
前との差を詰める。
近づく。
近づく。
そして・・
ラスト100m。
解禁した。
ずっこいスパート!!

競り合っている方に敬意を表し、
全開のずっこいスパートをかけた。
(競り合いの中で、こんなやり方ですいません)
そして私は、
ゴールラインを駆け抜けた
東海マスターズの優勝。
今までの努力の積み重ねが形になった瞬間だった。
一緒に走ってくださった皆さんありがとうございました。
走り終わった後は、同じ舞台で走った皆さんと健闘をたたえ合いました。
東海マスターズは無事800m、1500mの年代別優勝で終えることができました。

今日
一番心に残ったのは、
“走り続けている人たちの凄さ”
だった。
仕事。
家庭。
年齢。
体調。
いろいろなものを抱えながら、
それでも走り続ける。
その姿が、
本当にかっこよかった。
速さだけじゃない。
続けること自体が、
もう凄い。
だからこそ、
このマスターズには、
互いを称え合う空気があるのだと思う。
今日、
この舞台で走れたこと。
そして、
応援してくださっている皆さんに、
良い報告ができたこと。
本当に嬉しく思う。
