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その場所で見えていた自分が、すべてではない

昔の職場で、
「あなたのことは、私が分かっている」
「あなたにはできないから」
と言われたことがある。

その言葉を聞いたとき、私は自分でも、そうなのかもしれないと思ってしまった。

自分は、できない人間なのかもしれない。

そう思い込んでしまうくらい、当時の私は心に余裕がなかったのだと思う。

でも、今になって思う。

その場所で見えていた自分が、
自分のすべてだったわけではない。


ただ、その場所が合わなかっただけかもしれない。

その人から見えていた私は、
その環境の中にいた私でしかなかった。

それなのに当時の私は、
そこで言われた言葉を、
まるで人生全体の答えのように受け取っていた。

時間が経ち、場所が変わると、
同じ出来事の見え方も少しずつ変わってくる。

あのときの自分は、
だめだったのではなく、
苦しかったのかもしれない。

そう思えたとき、
少しだけ心が軽くなった。

人は、ひとつの場所だけで決まるものではない。

ある場所ではうまく息ができなくても、
別の場所では自然に呼吸ができることがある。

だから、誰かの一言で、
自分を決めなくてもいいのだと思う。

うまくいかない日が続くと、
自分の全部がだめになったように感じることがある。

でも本当は、
その時の自分が、少し苦しかっただけなのかもしれない。

もし今、誰かの言葉で自分を小さく感じている人がいるなら、
少しだけ思い出してほしい。

あなたのことを、誰かが全部わかっているわけではない。

そして、あなた自身もまだ、
自分のすべてを見終わったわけではない。

場所が変わり、
心が少しほどけたときに、
初めて出てくる自分もある。

だから、どうか、
誰かの言葉だけで、一部のことだけを見て、自分を決めつけないでほしい。

その場所で見えていたあなたが、
あなたのすべてではないのだから。

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