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第55話【倒産寸前】乗り合わせ禁止

人を採用すると、今度は「人と人」の問題が生まれます。

整骨院は、人がいてこそ成り立つ仕事です。

だからこそ、採用は人数を増やせばよいというものではありません。

例えば、

部長50代
課長40代
係長30代
担当20代

このように経験や役割が自然につながっていれば、大きな問題は起こりにくいでしょう。

しかし、

担当20代
院長30代後半
新人50代

このような構成になると、現場は一気に難しくなります。

本来は先輩である20代の職員が、年上の新人を指導しなければならない。

院長も一回り以上年上の新人に遠慮してしまい、十分な指導ができない。

その結果、

「できれば一緒に働きたくない。」

そんな空気が少しずつ広がっていきました。

私はこれを「乗り合わせ忌避」と呼んでいます。

誰も采配できず、配置も決まらない。

結果として、図らずもワンオペをせざるを得ない日が増えていきました。

職員同士のぎくしゃくした空気は、不思議なほど患者さんにも伝わります。

「最近、雰囲気が暗いですね。」

そんな言葉をいただくこともありました。

採用で最も大切なのは、資格や技術だけではありません。

協調性です。

ある日、職員から言われました。

「社長、一緒に働くのは我々なんですよ。」

その一言は、胸に深く突き刺さりました。

採用とは、人を増やすことではない。

組織の調和を守ることなのだと、このとき痛感したのです。

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