かぶた駅
8月3日 先ほどの実話です!
変な夢を見た!
いや、「変な」なんて言葉では片付けられない
あまりにもリアルな夢
忘れないうちに書いておくね
これは、たった今見た夢の話
気がつくと、俺は見知らぬ駅の
ホームのベンチに座ってた
膝の上には一冊の本
どうしてそこにいるのか、思い出せない
ふと顔を上げると、駅名の看板が目に入った
「かぶた」
ひらがなで、そう書かれていた
「かぶた駅」?
そんな駅、聞いたことがない
でも、そんなことはどうでもよかった
「とりあえず帰ろう」
そう思った瞬間、頭の中が真っ白になった
帰る?
どこに?
俺は、どこへ帰ればいいんだ?
慌ててポケットを探り、定期券を取り出した
そこには、こう書かれていた
関戸 ― 蔵屋敷
は?
どこだ、それ!
関戸も蔵屋敷も、聞いたことがない!
不安になって、一旦駅を出てみた
改札の外に広がっていたのは、完全に見知らぬ
街
店も、道路も、空気の匂いさえ知らない
そのとき、ようやく気づいた
俺、記憶喪失だ!
自分が誰なのかも、どこから来たのかも
分からない
なのに、不思議とパニックにはならなかった
歩いていると、「渋谷行き」と書かれたバス停を
発見!
渋谷
その言葉だけは、聞いたことがある気がした
「とりあえず乗ってみるか」
バスに乗ると、中はなぜか大学生だらけだった
みんな株の話をしている
「この銘柄は来る」
「いや、今は売りだ」
意味が分かる
なぜか、会話の内容が全部理解できる
記憶はないのに、知識だけが残っている
感覚だった
思い切って話しかけてみた
すると空気が変わった
大学生たちが顔を見合わせ、急に俺を
心配し始めた
「それ、誰から聞いたんですか?」
「その情報、普通は知ってちゃダメなやつですよ」
「流しちゃいけない情報です」
理由は分からない
でも、自分が何か危ないことを口にしたらしい
ヤバい! って思い、次の停留所でバスを降りた
歩きながら、ふと思った
「記憶喪失かぁ……
まあ、せっかくだし経験してみるか」
不思議なもので、全部失ったはずなのに、
少しだけワクワクしていた
これから先、何かプラスになる事があるかもしれない
そこでまた気づく
自分の名前すら分からない!
でも、なぜか笑えてきた
「まあいいや。記憶喪失ってやつの辛さとか、
対処法とか、経験をnoteに残しておこう」
そう考えた瞬間、別の疑問が浮かんだ
noteって何だ?
聞いたことはある
でも、何なのか思い出せない
「note……?」
「note?」
「note……?」
その言葉を頭の中で繰り返していたら
目が覚めた
暗い部屋
天井
見慣れた自分の家だった
「あっ、夢か」
そう安心した次の瞬間、ほんの一瞬だけ、
本当に分からなくなった
あれっ? 俺、誰だっけ?
嘘、嘘。ちゃんと覚えてるよ w
でも、あの一瞬の空白だけは、今でも妙にリアルだ
もしかすると、夢の中の俺は、まだ「かぶた駅」のホームに座ったまま、本を抱えて目を覚ましたばかりなのかもしれない……
