見出し画像

頭の中に何人か飼っている

晩御飯を食べていた時。
私のスマホに突然ショートメッセージが届く。
知らない番号だ。

「突然のご連絡失礼します。
こども会の役員をお願いできませんか?
体育委員、もしくは副会長の
どちらかでお願いします」

「体育委員って何をするのでしょうか?」

「運動会の整列係等、各種スポーツイベントの
対応、あとはそれに向けた打ち合わせ対応です」

「副会長はどのような?」

「こども会の全イベントの進行に関わっていただきます。各種委員の打ち合わせ、地域イベントへの参加等も含まれます」

「ちなみに、、、
お断りする権利はあるのでしょうか?」

「みなさん、同じように大変なので。
どちらかお願いします」

「体育委員の打ち合わせは何回程度、
いつ頃あるのでしょうか?」

「すべて平日夜間、5回程度かと」

「…申し訳ありません。
実のところ、フルタイムのひとり親家庭でして。
平日夜間に幼い子どもたち二人を置いて、
家を出られる状況にないのです」

「それでは副会長をお願いします」

「…副会長も、平日夜間の打ち合わせは
あるんですよね?」

「みなさん同じ状況ですので。
どちらかお願いします」


…………。

しばらく考える。
みなさん同じ状況?本当に?

みんなひとり親家庭なのに、
夜間打ち合わせのためにセンターに集まるのか?

そんなばかな。んなわけあるか。
まずもって世の中シングル家庭ばかりか?

仮にもしそうだったとして。
そんな状況なのに夜間集まろうなんて、
正気の沙汰でない。
LINE電話でもzoomでいいじゃん。
ってか何をそんなに集まるのよ。
毎年同じことをしているのでは?

LINEグループ作って、相談して、
みんなで話した方がいいねとなれば
サクッとグループ電話すればいいじゃないか。
モヤモヤが噴き出して止まらない。

さぁ。これをどう返すか。


一方脳内。
白い壁に赤い屋根の私の小さなお家。



棲みついた小人の一人が、
「さて…と」と黄色いパーカーを羽織り出した。



「あのー。あなたの言う「同じ」ってなんすか?
定義教えてもらっていっすか?
誰が私と同じ状況なんすか?
名前と番号、教えてもらっていっすか?
同じかどうか聞くんで。
同じじゃなかったら、どう責任取ります?
同じって言葉の意味、知ってます?」

いや。マズい。
君はダメだ。ガチクソにボコってしまう。

一旦黄色いパーカーの小人を家の中に押し返す。


「では、ワタクシめが…」
とドレスの裾を持ち上げてスタンバる
貴婦人小人。

「あぁた。私のことどれぐらいご存知!?
何も知らないのにそんな横暴なこと、
言っちゃあだめよ?
いいわよ?アナタがそう仰るなら、
出るとこ出ましょうよ。
ワタクシ、こう見えて怒らせると怖いのよ?」

あぁたもダメです。
流血の香りがする。おかえりくださいませ。

もっと穏便に解決してくれそうな…


そこに登場する、金髪の優雅な小人。

「あのねぇ。
あなた、もっと清らかな考え方をしなさいよ。
そんな凝り固まった考え方してたら、
幸せも寄りつかないわよ。
ほぉら、オーラが濁っちゃってる。
人と同じか違うかどうかなんて、
そんなこと気にしなさんな」


…なんかいいこと言ってる風だけど、
ナチュラルに煽ってる。NG。
スピリチュアルの世界にもどって!


「あ、ボクいきましょうか?」
おかっぱ頭の小人。

「ハハッ。
あれー?役員って二つしかないんですっけ?
なんで二択なんですかね?
会計とか、もっと家でできるやつ、
普通ありますよね?
選択の時点で不平等って!
ハハッ!矛盾してるのにみんな同じとか。
なんかウケますね〜!」

笑いながら手榴弾投げ込んでる。
だめ!家から出せません!

そうこうしている間に猛ダッシュで飛び出す
半裸の黒タイツ。

いかーん!!!
お前だけはー!!

私も急いで追いかける。


「あ、返事どうします?」

「ああ、もういい!
私今それどころじゃない!」


私は思考停止で文字を打つ。

「わかりました。
それでは体育委員を務めさせていただきます」

…脳内は血気盛んな人ばかりなのにね?

心がね?臆病者だから。

ああ。
もっとシゴデキな小人にチェンジしようかなぁ。

いや、心の鍛錬が先か。


心臓にも小人を飼うしかないか。

ふらっと大谷翔平きてくんないかなー。

いいなと思ったら応援しよう!