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yaginosanpo
泳いでいくもの
「お母さん、空に魚が泳いでいるよ」
やけに真面目な顔で、娘が話しかけてきた。
この顔は、なんか嘘っぽいな。
ちょうど両親と話していたので、
「後から行くから待ってて」と返した。
娘は、そのまま母だけを引っ張って連れて行った。
その時、両親と話していた内容は全く覚えていない。
父と話が終わったので、娘の方へ行った。
母と一緒に、静かに空を見ていた。
白いカイトが空を泳いでいた。
ああ、
どうして嘘の顔って決めつけたのだろう。
そんなことを考えながら、誰があげているかも分からないカイトを眺めた。
「本当に魚が泳いでいてビックリしたよ」
と娘に伝えると、満足そうに、
「でしょ?泳いでいるでしょ?」
と笑った。
